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Review List of 西荻椿山 

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  • 3 people agree with this review
     2011/02/25

    ブラームスのほうが奏者適性の幅がやや広くイギリスの奏者(例えばケル)でもまあ聴けます。しかし、モーツァルトとなると高音で羽ばたけないので論外となります。かといってフランスの奏者(例えばランスロ)で聴くと中低音の深みに欠け、ただ明るければいいというものでもないと感じます。古典派とはよくいったもので、ラファエロの絵のように一見平明なようでいて再現するのは至難です。英仏のあわいにあるのがウラッハ、ボスコフスキー、プリンツと続くフィルハーモニカーのClでこの両曲には理想的だと思います。

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     2011/02/24

    いやーPfの音がとてもきれいです。青春の鬱屈の固まりみたいなこの音楽、普通逃げ出したくなるはずのものをいつまでも聴いていたいと思わせるのはたいしたものです。2大巨匠の競演の成果が最も出ているのは第3楽章でしょう。一糸乱れないオケにルービンシュタインの逞しい弾奏が乗って一種爽快な推進力を感じます。もちろん他楽章もすばらしくそのへんは私の拙い説明よりカイザーの著作に任せたいと思います。もっとも素養のない私には読んでも何か偉大な演奏であるらしいとしかわからなかったのですが。

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     2011/02/24

    65年ライヴより録音は格段に良いです。ただ、録音が良いとアラも目立つのが理で、S・Msを聴く分には何の問題もありませんが、男声陣特にイドレーノ役の方はアリアを聴いても気の毒になるくらいです。サザランドやカバリエがせっかく復活の先鞭をつけたこの傑作、そろそろ全て理想的な舞台をそれも若い日本人が制作してくれたらとても素敵なことだと思うのですが。

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     2011/02/22

    Tの歌唱は見事なものだが、Sにはパトスが不足しており神よ平和を与えたまえもとても不満が残るできです。Brは悪くは無いがライヴとしては力強さのうえでモリナーリ=プラデッリ/サン・カルロ劇場盤のほうが上でしょう。Msは彼女としてごく普通にこなしている感じ、オケはもうひとつあおりがほしいところ。こう並べてみるとこのオペラが特にお好きでいろいろな組み合わせでお聴きになりたい方は別として、ひとつあれば十分な方にはおすすめできません。

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     2011/02/21

    ワルターの指揮はよく歌うといわれベートーヴェンの6番はその強みが生きた名盤といわれています。田園つながりでブラームスの2番(オケは同じ)を聴いてみましたがさほど感じることはできず、この4番で感得できたのは意外でした。確か某大作曲家にメロディーのかけらも無いと評された曲ではなかったか。枯淡とはこの曲の持ち味なのであろうが、この指揮者にかかるとなぜかその理由を説明する能力は残念ながら皆無なのだが、むしろ枯れきらない艶めかしさを感じるのです。他盤をきいても物足らず、この稀に世に現れるいくつになっても色気を失わない美女に逢いたくなるのです。

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     2011/02/21

    昔若い頃この14番以下をカセットに入れて聴きながら登山したものでした。ヘンかもしれないが、これがベートーヴェンの弦楽四重奏曲だったらヘンを通り越して奇ッ怪であろう。いいたいのはこれら曲集が密室内での瞑想といったものではなく弦楽四重奏の仮面をかぶったディベルティメントであるということ。どの曲もメロディーがぎっしりつまっており思わず口ずさんでしまうもので、花々の咲き乱れる野山にはピッタリです。弦楽四重奏曲の最高峰はベートーヴェンときいていきなりそれも後期の作品から始めて辛気臭いと弦楽四重奏を敬遠してしまうことになったら不幸なことです。ぜひどの曲からでも気軽に聴いていただきたいものですが、本盤を満点にしなかったのは私はこれですりこまれましたが、これからの方には同じウィーン風でもフィルハーモニカーのもの(ウィーンSQ、ウィーンムジークフェラインSQ)のほうがひょっとしたらより幸福かもしれないと思うからです。

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     2011/02/19

    このオペラにはオールスターキャストのガヴァツェーニ盤がありますが、手が伸びるのは本音源のほう。深い響きの低音から跳躍して力強い高音が聴き手の心に食い入るカラスの歌唱が圧倒的です。カラスには同じヴォトー指揮で59年スカラ座O盤もありますが、そちらはもう下り坂、行くところ可ならざるは無しという勢いがあるのはこちらでしょう。また、Tにも空と海という見せ場もあることから良いにこしたことはなく52年盤選択ということになります。

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     2011/02/18

    大昔のライヴでモノラルにしてはこの値段は高いんではないかい。せいぜい半額が妥当なところ。それを承知のうえで購入してもこの前後のE.クライバー盤やジュリーニ盤がかすむような出来ではないと思います。まあこれはシュワルツコップ苦手な人の感想ですが。どうしてこの方は窮屈そうな発声をなさるのでしょう?、この方がダ ポンテ3部作の定評ある盤のいずれにも絡んでくるためそれらが私にとって縁遠いものになってしまっています。本盤の良き時代はどこにいってしまったのを聴いても全く反応できませんでした。また、スザンナもケルビーノも他の歌手(例えばプリチャード盤DVD)に較べて特に傑出しているとは思えません。

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     2011/02/18

    カンタービレ命の聴き手は、Pfのような無味乾燥な打楽器にさえ歌をもとめます。素人の恐ろしさとしてお許しいただけるならバッハのパルティータ第1番もロマン派のシューマンとグリーグの協奏曲もひっくるめてここではPfが歌っているから素晴らしいといわせていただきたい。え、ピアニストが歌っているのは聴いたことがあるがですって?あの方もときにはPfを歌わすこともありますよ(答えはブラームスの間奏曲)。

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     2011/02/17

    他に代えがたいのはシューベルトの弦楽5重奏曲でしょう。合奏は緊密でシューベルトのデモーニッシュな迫力の表出に成功しています。フィルハーモニカーの盤としては他にウィーンSQのものがあるが、VPOという名前は同じでも第1Vn以下の味の希薄化には愕然とするものがあります。ヴェラーには指揮者なんぞに転向せず後少なくとも10年はコンマス及びSQを続けてほしかったとつくづく思わせるセットです。

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     2011/02/17

    このオペラのスタジオ録音としては第1にあげるべき音源でしょう。歌手、指揮者、オケとオールイタリアンでそれが高水準な成果をあげています。テバルディは勝ちて帰れできかれるたたみかけるような若々しい勢いがカラヤン盤ではみられないものです。デルモナコは明るく輝かしくラダメス役の基準となる歌唱です。オケは金管で一部VPOには基礎体力で負けるかなと思う点もありますが、前奏曲の弦で一聴わかるようにイタリア的に正しく美しく全体を流麗な印象でまとめあげています。

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     2011/02/14

    マルチェッロなどの有名曲もさることながら特筆すべきはZIPOLIのアダージョ。あまりきいたことのない作曲家だが、VcとOrgとを伴って息のながい旋律が天まで昇っていきます。ピエルロのObは明るく華麗の一言、このぶんだとヘンデル、ハイドン(偽作)、モーツァルトあたりも見事だと確信させます。良い音源が残っていればだしていただきたいものです。

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     2011/02/14

    ドニゼッティの数ある歴史物、女王3部作以下となるとタイトルロールの素性のわからん度もいや増し、聴いてみるのはくじ引きの様相を呈します。これもカバリエ、ブルゾンの名前だけを頼りに購入しましたが、当たりでした。個人的にはポリウート、ルクレツィア ボルジアなどよりとっつきやすかったです。12月のライヴで聴衆の咳がひどいのはしかたないにしてもしばしばシーッが入るのは困ったものです。

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     2011/02/12

    ブレイク、ダーラとメト盤DVDと同じですが、Sは一段役者が違うようです。音のころがしかたといい高音の伸びといいソプラノ版の華やかさを満喫させてくれます。CD2が4場の終わり近くで切れる(CD3に移る)のがちと唐突。

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     2011/02/11

    冒頭からしてカラス盤は省略がされていると気づきます。カラス盤2枚に対してこちら3枚で、歴史的意義は別にして正しい作品の姿はこちらなのでしょう。グルベローヴァの歌唱は完璧ですが、低音の凄みといったものはなくタイトルロールにはカラスのほうが近いようです。とはいってもあの調子で3時間やられたらと思うとこれはこれでいいのかも。最後に観客の拍手が入っていますが、それまで気配はほとんどなく、これがほんとうだとするとドイツ圏の生真面目さというかイタリア人との違いがみてとれておもしろい。

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