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3 people agree with this review 2012/03/19
ギレリスのブラームス・ピアノ協奏曲第2番と言えば私などの年代では1958年ライナー/CSOバックの録音(タイム@15’56A8’04B11’56C8’45)の鋼鉄ピアニストに相応しい男性的演奏が印象にあります。さて、本盤はこの第2協奏曲をヨッフム/BPOの伴奏で1972年録音したものでタイムが@18’25A9’32B14’14C9’49、ギレリス56歳、ヨッフム70歳の年のせい?もあり前掲演奏と違って全体ゆっとりしております。第1楽章出だしゆとりのホルンに続きピアノも穏やかにスタート。オーケストラは音色が良くきちっと各楽器の動きも分かります。次第にピアノは豪快に音を包み込んで突き進み時にはバックも性急さを見せメリハリ感をつけますが基本のブラームスらしい手馴れたマイルドさで〆は終わります。第2楽章もきつくないピアノがスタート、弱音のオーケストラがBPO本来の重量感と共に美しいですね。第3楽章はチェロ・スタートで弦を主体の前さばきが続きます、その後ピアノが室内楽的な雰囲気で加わり最後はこれらが融合して引っ張って〆めます。個人的にはややまとまりに欠けると思っている最終楽章は少し重めに運びその辺りを軽減して堂々とした仕上がりになりました。ギレリスの第2協奏曲には同じ指揮者ヨッフムがACOを伴奏した1973年ライブ録音(タイム@18’15A9’08B12’58C9’25)がありもう少し引き締まっている様です。なお、本盤併録の第1協奏曲(1972年録音、タイム@24’15A14’49B12’39)、ピアノ幻想曲インテルメッツォ(1975年録音、7曲トータルタイム21’44)は未聴ですのて゜★一つ保留させていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/03/18
本盤は現在販売されておりませんが名演盤なのでメモを入れておきます。チェリビダッケは1975年から1978年までSRSOの音楽監督を務め、数々の名演を残しましたが、極端な録音嫌いのためにレコーディングは一切行わず、その名演は長く幻とされていました。それらが遂に、同放送局提供の音源によりDGの最新テクノロジーで慎重なリマスタリングが行われ待望のリリースとなった物で、EMIからのMPOを指揮した数々のリリース盤と共に私たちの糧となっております。本盤収録曲は何れも色彩感豊かな作品ばかりで私の聴いている「ローマの松」は永遠の都ローマの風景や歴史に思いを馳せ、スケール大きいオーケストレーションを駆使してレスピーギが書き上げた壮麗で色彩感豊かな交響詩として(ローマ三部作の中でも特に)演奏如何で映える曲であります。チェリビダッケは弱奏部も強奏部も各々の美しさを明瞭に描き出し一つの物語としての世界を高く構築するのに邁進して行く様子はリアルタッチであります。演奏タイムとしては@「ボルゼ荘の松」2’42A「カタコンブ付近の松」6’52B「ジャニコロの松」8’00C「アッピア街道の松」5’55・・・トータル23’29・・・とタイム的にはやや後半への力配分を重要視した様で「アッピア街道の松」ではあの印象的な足音の近づきが一歩々大迫力に捉えられます。「松」と言えば昨年の東日本大震災大津波で投げ倒された陸前高田市の数万本の松林を思い出しますね(余談ですが昨年大震災時私はHMVのレビューを一時中断し3/18から再開、以降毎日書き込んで一年が経ったわけで時間の過ぎることの早さと共に遅々として進まない現地の復興復旧、現地の方々のご苦労に複雑な思いが空回りしている自分に苛立ちも感じております・・・)。この「ローマの松」と同じ1976年チェリビダッケ64歳頃のライブ録音であるR.シュトラウス「ドン・ファン」(演奏タイム18’36)及び1982年ライブ録音の「死と変容」(同27’48)は残念ながら未聴なのですがチェリビダッケのロマンチック性が上手く活きた名演との評価を知人から伝えられており私も根っからそれを信じる者であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/03/17
他のこのリヒターのコーナーで書き込みましたがリヒターカンタータシリーズは他の演奏を受付けない位独峰なのです。個人的な曲の好き嫌いはあったとしてもリヒターのロマン性を塗した心地よいリズム感とメロディ感に支えられた演奏は全体としては「最高」の評価にならざるを得ません。他のレビューの方も書き込まれている様に全集として完成しなかったのは残念ではありますがリヒター自身何も一気呵成の実務・事務的な収録に根ざしてはおらず曲によったら足掛け部分々三年以上時間をかけて?いるものもあり彼の考え方も分るような気がします。本盤第5巻から代表的収録曲カンタータBWV106「神の時は、いとよき時なり」は1966年録音で演奏タイムは9曲トータル22’11。指揮者リヒター40歳、歌手陣はU.ブッケル(S)40歳、H.テッパー(MS)42歳、E.ヘフリガー(T)47歳、T.アダム(B)40歳と年齢的にも過不足ないです。このカンタータは比較的各独唱アリアが聴き処で私は名カンタータの一曲として本盤リヒター盤以外にも数種類の演奏を楽しんでおります。本盤は現在廃盤中ですが組合せを替えて再発必死の最高ランク盤かと思われます。本盤カタログの曲目リストの内容はもう一つ合点が行きませんが・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
他のこのリヒターのコーナーで書き込みましたがリヒターカンタータシリーズは他の演奏を受付けない位独峰なのです。個人的な曲の好き嫌いはあったとしてもリヒターのロマン性を塗した心地よいリズム感とメロディ感に支えられた演奏は全体としては「最高」の評価にならざるを得ません。他のレビューの方も書き込まれている様に全集として完成しなかったのは残念ではありますがリヒター自身何も一気呵成の実務・事務的な収録に根ざしてはおらず曲によったら足掛け部分々三年以上時間をかけて?いるものもあり彼の考え方も分るような気がします。本盤第4巻から代表的収録曲カンタータBWV78「わが魂であるイエスよ」は1961年録音で演奏タイムは7曲トータル25’50。指揮者リヒター35歳、歌手陣はU.ブッケル(S)35歳、H.テッパー(MS)37歳、J.V.ケステレン(T)40歳、K.エンゲン(B)36歳と年齢的にも過不足ないです。このカンタータは比較的各独唱アリアが聴き処で私は名カンタータの一曲として本盤リヒター盤以外にも数種類の演奏を楽しんでおります.本盤は現在廃盤中ですが組合せを替えてでも再発必死の最高ランク盤かと思われます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/03/16
現在廃盤でありますがデータ的なものを主にメモさせていただきます。ケルテス/VPO他のモーツアルト「レクイエム」(トータルタイム52’50)は明確なリズム感を基調にケルテスならではの手堅く素晴らしい出来上がりを構築しております。オーケストラ、後述各歌手、合唱VSOCがヴェテランチームであることも一つの要素ですがケルテスの音楽性はどの盤をとっても一定の評価をゲットするわけです。ただ少し・・これは個人的な好みに過ぎませんが・・・レクイエムにしては強いというか分厚い印象があり「鎮魂」から外れた彫りの深い劇場型演奏に終始したことで終楽章を終えたところでどのような拍手を迎えるのか演奏者にとって課題だったかもしれません。1965年収録でありますのでケルテス36歳、以下歌手陣はE..アメリング(S)32歳、M.ホーン(MS)31歳、U.ベネッリ(T)30歳、T.フランク(B)33歳と前述の様に皆んな三十歳代と丁度良い頃で殊にE.アメリングの歌唱は安心して聴いてられますね。男性歌手陣はやや大層な構えでこの「レクイエム」演奏の全体印象をややオペラチックに重苦しく決め付けている様でありますがこの辺りが迫力感にも繋がっているのではないでしょうか。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/03/15
このリヒターによるバッハカンタータアルパムはアルヒーブ盤とは違い確か以前テレフンケン盤だった記憶があります。というのはBWV108を両盤で聴き比べして圧倒的にこちらの方に傾倒しました・・・本盤はリヒター32歳・・・1958年録音で演奏タイムは6曲20’03とアルヒーブ1967年録音盤16’50よりじっくり構えテノール(P.ピアース(T)48歳)のアリア、フーガ合唱に続くアルトアリア(L.ベニングセン(A)32歳)はその緊張感はやヽ大技ながらぐぅっと引き付けられてしまい最後のコーラルもある感慨を聴く者に残します・・・まさに「我れ去るは汝のためなり」であります。オーケストラはミュンヘン国立歌劇場O、合唱はミュンヘン・バッハCOであり伴奏者が他にF.ゾンライトナー(V)、E.シャン(Ob)、H.ビルグラム(Org)等そうそうたるメンバー揃いでありリヒター初期録音盤として大変緊張感溢れる演奏に仕上げるのに寄与しております。BWV67(7曲16’40)、BWV127(5曲23’59)は聴き比べておりませんが前者はやはりリヒターの良い面が出ています、是非この盤一聴あれ!なお、オルガン担当のビルグラムについては私はP.シュライヤー&E.シュパイザーによるリート集での心休まる伴奏で比較的気に入っております。本盤は現在廃盤でありますが何れ復活してもらいたい最高ランクの演奏であります、(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/03/14
以前レビューを書き込みましたが昨年9月、99歳の誕生日を翌日に控えて亡くなったザンデルリンクへの追悼の意味とデータ的なものを追加して繰り返しさせていただきます。SKDOを指揮しての1961年まだ彼が49歳と若かりし頃録音したボロディン交響曲第2番(タイム@8’43A4’58B8’50C7’01)、同「中央アジアの草原にて」(7’54)、チャイコフスキー幻想序曲「ロメオとジュリエット」(19’03)とロシア物を演奏した盤です。周知の様にザンデルリンクは亡命先のソ連で1940〜1950年代旧LPSOの指揮を担当しあのムラビンスキーの下で研鑽も積んでいたわけでロシア物に対しても1960年代に戻って来たドイツでの活動でもかつてのソ連での経験も生きた聴き手に媚びない演奏も多い様ですね。ボロディン交響曲第2番は比較的ゆったり演奏されていますが「勇士」と名づけられたこの曲自体が第1楽章のワンパターンテーマの執拗さ、終楽章の散漫さに「イーゴリ公」作曲併行の影響が出ているようで正直少々ウンザリする時もありますが(演奏者の責任ではありません)第3楽章はハープを交えての旋律が情感的なものでザンデルリンクもよく構成感を念頭に置いた演奏となっております。それよりも「中央アジア草原にて」はゆったりと好演。「ロメオ・ジュリエット」はやや大人しく美し過ぎる感じがしました。現在廃盤であり、曲への個人的好みもありますが聴き深めた結果素晴らしいランクとしました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/03/13
4年に1度開催される若手演奏家の登竜門であるチャイコフスキー国際音楽コンクール・ヴァィオリン部門で2007年優勝(この部門では1990年の諏訪内晶子さんの優勝以来)の快挙をなした神尾真由子さん(以下敬称略)がトレード・マークというかもう名刺代わりとも言えるチャイコフスキーV協奏曲を2010年(彼女24歳)にT.ザンデルリンク/ハレPのバックで録音したもので演奏タイムは@19’41A6’20B10’37であります。T.ザンデルリンクは周知の様にクルト・ザンデルリンクの息子で父親の経歴からも窺えるのかロシア音楽にも精通した指揮者(録音時68歳)で本盤解説書を読むと中々細かく指示をした様です。片や神尾は関西出身でもあるのか度胸の座った感じで師ザハール・ブロンとのやり取りにもそれが出ているようです。そうしたキャラが実に厚みのある音に反映しているのかこの曲のロシアムードをゆったり表現しております。彼女の言にもある様に勝負の第1楽章は堂々たる明快な運びで安定感もあります。とにかく線の太い演奏というのが第一印象であります。中間楽章は思い入れはあるものの過度にのめり込んではおりません。第3楽章では様々な舞曲風テーマを圧倒的な勢いでこなして行きます。途中何度かあるパッセージ繰り返しも面白く聴きました。次に併録のプロコフィエフのV協奏曲第2番(タイム@11’06A9’08B6’29)ですが伝統的なロシア民謡を思わせるテーマで始まる第1楽章から比較的古典風であるこの曲をカップリングした姿勢は彼女らしくここでも向こう意気の強さが出ております。勿論演奏も若いエネルギー満杯で時折抑制気味の情熱的高揚を強靭な表現力で積み上げて行きます。太い旋律線も大変美しく〆はピッチカートを噛まして決然と終えます。穏やかな中間楽章も芯の強さが表れております。活発な動機でスタートする第3楽章はピッチカートと様々な打楽器との取り合わせが面白い楽章なのですがその目まぐるしい展開面をVはテクニック万全で進み「思い切り」も爽快でありました。日本のクラシックCD界でも何かと女性演奏家進出(正直私など名前も聞いた事のない演奏家も多いのですが)トレンドの時代で神尾が今後どのようにいろんな曲をレパートリーとしてこなして世界でも存在感を主張して行けるのか見守って行きたいですね。本盤録音も良く素晴らしいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/03/12
ストコフスキーは元オルガニストだけにバッハ作品のトランスクリプション等で独特の分厚めの演奏を幾通りも録音していますが、チャイコフスキー等の色彩感ある作品でも特徴ある録音を残しています。特に本盤はフェイズ4という技術を採用して強調されたマルチサウンドを楽しめますが元々LPでリリースされた時このチャイコフスキー「白鳥の湖」(9曲トータルタイム22’50)「眠りの森の美女」(9曲トータルタイム24’23)等の以外に前後してストコフスキー指揮のものではチャイコフスキー/交響曲第5番、リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」、ムソルギスキー「展覧会の絵」、ストラヴィンスキー「火の鳥」、ワグナー/管弦楽、ヴィバルディ/四季が発売された様に記憶しており曲作品からしても音の魔術師ストコフスキーらしい選曲だったですね。この二つのバレエ音楽はNPHOを振っての1965年収録でストコフスキー83歳の時であります。演奏自体は先述の様に分厚めでややデリカシーには一歩譲りますが濃厚甘美な展開でその交響詩的サウンドが楽しめ、まぁ、一頃の録音・演奏が偲ばれます。ストコフスキーにはこの「白鳥の湖」等の録音が意外と1940年前後のHisO、1950(1947?)年・・・SynphonyO、1954、1955年NBCO演奏分がHMVカタログには載っています。そして併録の「ロメオとジュリエット」は1968年SROを指揮したもので(タイム19’49)幾分デフォルメした彼らしく最後原曲本来のティンパニ連打と強奏でなく、〆は静かな弦の和音が響いて余韻を残して面白い処ですね。ストコフスキーはこの「ロメオとジュリエット」が気に入っていたらしく結構録音種類が多く1928年PPO(18’33)、1944年NYPO(19’18)、1952年ハーグ・レジデントO、1968年SRO(本盤)、1969年スイス・イタリアRO(20’39)、他がHMVカタログに一応載っております。本盤こってり味で楽しむ分には素晴らしいランクとしておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2012/03/11
今では女流クラシック・ギターリストの走りともなった観のあるイズビンが2004年に収録した異国スペイン情緒溢れる曲集で彼女が47歳とベテラン年齢になった頃の演奏でバック・サポートはセレブリエール(ウルグアイ出身で当時66歳)/NYPOであります。収録曲の内、一番親しみのある「アランフェス協奏曲」を1989年彼女は一度録音している・・・バック・サポートはフォスター/ローザンヌCO・・・のですがタイム的にはそう変わらず本盤再録演奏では@6’07A11’17B5’21となっております。実際聴いていてもう少し長いのかな・・・とも感じていたのですがこの「アランフェス協奏曲」と言えば元祖的に思い出すイエペソの有名な一回目の収録演奏(1958年アルヘンタ/スペイン国立O、@5’55A9’55B5’19)の印象からかでしょう、二回目のイエペソ録音(1979年ナヴァロ/PHO、@6’07A11’14B5’16)からすれば全く殆ど同タイムなのですね。全体として私は先ずNYPOの割と新鮮な音色(混濁しない各楽器の音の動きも含め・・・)と彼女のギターの幾分制御勝ちになりつつもはっきりした弦タッチに惹かれました。ただ冒頭で触れたスペイン情緒とは感触的には異なりやはりアメリカ風なのか「乗り」の良さが特徴となっています。飛び跳ねるだけでやや平板な感じもしていた第1楽章、第3楽章にそういった特徴が表れている様です。中間楽章では前段、管楽器の懐かしいメロディ・バックでギターは女性らしい優しさの内に進み次第にあのピークの感動的なオーケストラ全奏・・・エンタテイメント性豊かにこの「間」を枠一杯にゆっくり流し聴く者を釘付けにします・・・に向けてへの焦らせる様なアプローチが素晴らしいです。他の収録曲でボンセ(メキシコ出身)の「南の協奏曲」(同@12’46A6’52B6’01)は元々あのセゴビアに贈られた曲で「南」というのは「スペイン」を意味するらしいです。・・・ヴィラ=ロボスの「ギター小管弦楽」(タイム@5’20A8’10B5’00)には私は初対面なのですが両曲共実に丁寧な仕上げで繰り返し聴こうかなという気にさせ思わぬ儲けものといった感じが正直な処であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/03/10
ポリーニがベーム/VPOのバックを得て1970年代後半に録音スタートしたベートーヴェン・ピアノ協奏曲集はベームの体調理由による降板で一部指揮をヨッフムが代わって完成したシリーズ物からの本盤は「皇帝」協奏曲であります。1978年収録(タイム@20’26A8’03B10’17)なので若い36歳ポリーニと84歳の最晩年期ベームとの組み合わせという事になり各々がその特徴を活かしたまことに各楽章テンポ共々バランスの取れた仕上がりになっております。所謂「皇帝」というネームから連想される雰囲気とは異なって力み無くしかも完璧テクニックで「華やかさ」さえただよわせるピアノとオーソドックスに安定感あるサポートが上手くブレンドしています、第1楽章ピアノのスタート合図からしばらくオーケストラの演奏が入るのですがベームの押しの強さが垣間見れます。この楽章で先ほど書いた強く豪快なドイツ風「皇帝」というより優雅なやはり気のせいかイタリア風な感じなのです。聖歌的に進む中間楽章はやや古さを感じさせる演奏ですが実にピアノの研ぎ澄まされた音の粒が美しいですね。最終楽章・・・フレーズ繰り返しが多い楽章に個人的には少し執拗さ・退屈さも覚え本盤演奏にも平板さを感じたのですがピアノの溌剌感がその辺りを軽減してくれました。なお、ポリーニは後年1993年アバド/BPOとの共演ライブ盤(タイム@20’29A7’48B10’35)があり何かと本演奏と比較対象になっている様です。又ポリーニがまだティーンエイジャーだった1959年にM.プラデッラ/RAIローマSOのバックでのモノラルライブ盤もHMVカタログにはあります。併録のモーツァルト・ピアノ協奏曲第23番(1976年録音、タイム@11’16A7’13B8’09)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/03/09
ポリーニがベーム/VPOのバックを得て1970年代後半に録音スタートしたベートーヴェン・ピアノ協奏曲集はベームの体調理由による降板で一部指揮をヨッフムが代わって完成したシリーズ物からの本盤は「皇帝」協奏曲であります。1978年収録(タイム@20’26A8’03B10’17)なので若い36歳ポリーニと84歳の最晩年期ベームとの組み合わせという事になり各々がその特徴を活かしたまことに各楽章テンポ共々バランスの取れた仕上がりになっております。所謂「皇帝」というネームから連想される雰囲気とは異なって力み無くしかも完璧テクニックで「華やかさ」さえただよわせるピアノとオーソドックスに安定感あるサポートが上手くブレンドしています、第1楽章ピアノのスタート合図からしばらくオーケストラの演奏が入るのですがベームの押しの強さが垣間見れます。この楽章で先ほど書いた強く豪快なドイツ風「皇帝」というより優雅なやはり気のせいかイタリア風な感じなのです。聖歌的に進む中間楽章はやや古さを感じさせる演奏ですが実にピアノの研ぎ澄まされた音の粒が美しいですね。最終楽章・・・フレーズ繰り返しが多い楽章に個人的には少し執拗さ・退屈さも覚え本盤演奏にも平板さを感じたのですがピアノの溌剌感がその辺りを軽減してくれました。なお、ポリーニは後年1993年アバド/BPOとの共演ライブ盤(タイム@20’29A7’48B10’35)があり何かと本演奏と比較対象になっている様です。又ポリーニがまだティーンエイジャーだった1959年にM.プラデッラ/RAIローマSOのバックでのモノラルライブ盤もHMVカタログにはあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/03/08
グレゴリオ聖歌の復興運動はフランスのソレムにあるサン・ピエール修道院師(ソレム派)によって19世紀に始められ20世紀初頭に一定の「実り」を遂げられました。このソレム派研究者は、リズムに関する指示において音符はすべて同一の長さで歌われるべき(等値リズム)だと主張しており、現在のローマ・カトリックではこのソレム唱法を公式見解としています(これに対し、グレゴリオ聖歌も現在の音楽と同じように、一つ一つの音に長短の区別があった(定量リズム)という説を取る学者もおりそれを試みた演奏も行われています)。難しい事は私などには分からないのですが、そのソレム唱法という演奏スタイルは音をやや不自然に膨らませる歌い方でありますが独特の抑揚感で我々凡人とは別世界宇宙にリードしてくれます。DECCA録音の1950年代(モノラル)から1960年代後半〜1970年代半ば(ステレオ)にかけての本盤演奏ではこういったソレム唱法の流れを受け継ぐフランスの名門ピエール・ド・ソレム アビー教会を本拠とするガジャール師(1885年生)と彼の弟子であるクレール師(1920年生)・・・両者共もう今は故人・・・がソレム派聖ペテロ修道院聖歌隊(サン・ピエール・ド・ソレーム修道院聖歌隊)を指揮、徹底したレガートを盛り込んで進めその結果の陶酔的な聖歌の世界は、宗教の壁を超え広く一般の音楽ファンにも愛されてLPリリース当時日本にもブームを巻き起こし現在に至っております。確かかなりの曲数を収録したアルバムもかつてありましたし、ちょっとコンパクトな本盤の3CD体裁の盤もあります。私は例によってLPベースで後述のダイジェスト曲を聴きかじった程度なので演奏雰囲気をお伝えする趣旨でもあるレビューを書き込む次第です。コントロールの効いた人の声が生み出す精緻を極めた単旋律でのポリフォニーの溶け合う音色(仏教の声明にも似ている?)はヒーリング・ミュージックとして受け入れたい処・・・ところが正直ある「うつろさ」に似た気分も感じたのはやはり別世界なのかも知れませんね。以前は私の聴いたベースのダイジェストCD盤もあってソレームの鐘(タイム2’08)に始まりミサ聖祭、クリスマスミサ、死者の為のミサ、聖金曜日ミサ、復活祭ミサ、聖霊降臨祭ミサから夫々代表曲として、「憐れみの賛歌キリエ」第9番(第1旋法、タイム2’19)、「栄光の賛歌グロリア」第9番(第7旋法、同3’31)、「感謝の賛歌サンクトゥス」第9番(第5旋法、同1’47)「平和の賛歌アニュイス・デイ」第9番(第5旋法、同1’35)、「憐れみの賛歌キリエ」第11番(第1旋法、同2’20)、「信仰宣言クレド」第1番(第4旋法、同4’25)、入祭唱「主、我にのたまえり」(第2旋法、同2’03)、アレルヤ唱「聖なる日は」(第2旋法、同2’32)、入祭唱「一人の幼児が」(第7旋法、同3’10)、入祭唱「永遠の安息を」(第6旋法、同1’57)、続唱「怒りの日」(第1旋法、同6’32)、賛歌「真実なる十字架」(第1旋法、同5’21)、昇階唱「この日こそ」(第2旋法、同3’00)、続唱「復活のいけにえを」(第1旋法、同1’43)、続唱「聖霊よ、来たまえ」(第1旋法、同2’43) が収録されておりました。本盤には勿論これらの演奏曲が含まれておりよりグレゴリオ聖歌を極めて見ようと思われる方には貴重な盤となりましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2012/03/08
P.パレーは比較的ドイツ物を得意としていたフランス指揮界の長老で毅然とした指揮ぶりがこの盤のデトロイトSOの1950年代の黄金時代?を保ったのでしょう・・・マーキュリーレーベルLPも今では懐かしいです。さて、ショーソンはフランクの弟子だけにこのあまり聴かれない唯一の交響曲はワグナー風で第1楽章は重い弦がテーマ・スタートし次第に高まりを見せて行きます。転じてテンポが速まるとムードは明るくなって経過もしますが管によるテーマがバックに流れ出しフィナーレで前面にティンパニーと共に強調され〆になります。とにかく少し地味なこの作品で散漫にならない様にパレーの構築力が発揮されています。第2楽章は落ち着いた運びながら決してダレず物思いに沈んだ弦からワグナー的咆哮も聴かれます。第3楽章の悪魔的舞曲の様な出だしは昔NHKTVニュースのバックに流れていた曲というのを思い出しました、この楽章中間部はやヽ脆弱性を見せコーダ近くはドヴォルザーク「新世界」終楽章主題と似た断片がしばしば提示されて雄大に静まる様に終結します(ショーソンの方がこのテーマは先行)。曲目自体は渋いものでありますが、演奏そのものはたいへん素晴らしくきちんと整えながらも、響きそのものには豊かな香りと独特の爽快感があります。このショーソン交響曲は1956年パレー70歳の時の録音で演奏タイムは@11’31A8’24B11’18であります。もう一つの交響曲、サン=サーンスの第3番は翌年1957年録音でタイムは@10’15A9’16B6’26C8’15で特に後半二楽章は比較的テンポを早めに進めています。第3楽章はこれも昔TVニュースがBGM入りで報じられた時しばしば用いられた曲です。そしてやってくる最終楽章は重鎮デュプレ(指揮者のパレーと同じフランス出身で同年同月生まれ・・・録音当時は両者71歳ということになりますね)のオルガンの長く引っ張る印象的エンディングで硬さの残る古い録音も挽回していますね。パレーの指揮はこの曲でも愛想をせず剛毅な演奏を展開しました。1955年録音のドビュッシーは聴いておりませんが本盤全体平林氏による音質改善も期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2012/03/07
下記の大阪市の方と同じで私もLPベースでユルゲンス(ドイツ出身、1925年生)指揮のバッハ・カンタータBWV18「天より雨雪降るごとく」(途中のスポット・コーラルやレシタティーボ含めて12曲、トータルタイム14’57)、BWV152「信仰の道を歩め」(6曲トータルタイム18’47)を聴いておりこの二曲を含め本盤は何れも1960年代の収録であります。BWV18その他で合唱しているハンブルク・モンテヴェルディ合唱団を立ち上げたユルゲンスはK.トーマスにも師事した人で当時雨後のたけのこの様に出て来たバッハ演奏家では割と地味な指揮者だったのですがそれは他のシュッツ等の作品に取り組んでいた為でもあったからでしょう。その他の演奏者は本盤HMVレビューとは少し異なったメンバーで先の二曲では合奏の方は当時まだ若かったブリュッヘン、ビルスマ、レオンハルト等々名手揃い、独唱はギーベル(S)、ヴィリゼック(B)他となっておりやはり大阪市の方の言われる様に様子が違うと思います。ユルゲンスが二度これら二曲を収録したとも思えないので要確認ですね(これら二曲以外BWV59,89,90,106,118,161,182における演奏者は未確認です)。さて、この二曲演奏から本盤の雰囲気を推し量っていただくとしましょう。テレフンケン原盤録音の良さと穏やかな演奏から聴き易くBWV18のスタート時、刻む弦パックにブリュッヘン、ヴィンゲルデンの二本のブロック・フレーテがおだやかにシンフォニアを演奏します。この曲ではやはりギーベルのアリア「神のみことばこそ我が宝・・・」での天衣無縫で流れる様で且つ節度有る格調高い歌唱が素敵です。合唱も大変清澄な感じです。BWV152はオルガンにサポートされ管楽器がコンチェルト方式で前奏曲が展開されます。そして続くヴィリゼックのアリアそして四曲目ギーベルのアリアも聴き処ですが最後のこの二人によるイエス/魂によるデュエットはゆっくり目で実に美しくこの二人に嫉妬心が起きる位でした。この様に演奏自体は録音当時全盛期をむかえつつあったリヒターの厳格な演奏とは趣きの異なるカンタータ世界が繰り広げられております。なお、本盤は廃盤なのですが本盤収録9曲はCD50枚に及ぶバッハ大全集に入っております(この大全集はいろいろなバッハ演奏の大家揃いです)。本盤レビュー欄をお借りしてユルゲンス指揮のBWV18,BWV152二曲演奏の印象を書き込みさせていただきました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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