TOP > My page > Review List of フォアグラ

Review List of フォアグラ 

Showing 211 - 225 of 448 items

%%header%%

%%message%%

  • 2 people agree with this review
     2017/05/10

    教会での録音かと思うぐらい残響が長い。それ故トゥッティで響きが飽和状態になる部分もあるが、一方でホールを揺るがせるような重低音が出てくる。「典礼風」の「ディエス・イレ」での弦のばく進は恐怖さえ感じさせ鳥肌が立つし、グランカッサは部屋を揺らす。優秀録音かはわからないが、凄い録音だ。ヴェンツァーゴの表現自体は透明、明晰なもので、「3つのレ」ではこの曲のペシミスティックな表層から一旦離れ、コンチェルタントな面白さを引き出しているのも感心した。「ラグビー」の面白さも出色。「典礼風」で感じた恐怖はオネゲルの恐怖をそのまま演奏がストレートに伝えたのだろう。近年まれにみるオネゲル。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2017/05/07

    ロンバーグの代表作なのに意外に全曲盤は見かけなかった。演奏はオリジナルのミュージカル劇場での上演形態によるもので、オケも小編成。カーメン・ドラゴンやマントヴァーニのゴージャスサウンドで親しんできた人が聴くと、おや?となるだろう。でもロンドンやニューヨークで聴くミュージカルはこんな感じだ。歌手はさほど魅力的でないが、まあ健闘している。ただ、台詞の大半がないのは感心しない。ドイツ人主体のため軽妙なやりとりは難しかったのかもしれないが、アルバニーから出ている米国のライト・オペラ勢に比べて楽しさはどうしても半減する。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 7 people agree with this review
     2017/05/05

    ジュリアス・カッチェンは20世紀最高のピアニストの一人である。デッカにはベートーヴェンのピアノ協奏曲全集がカッチェンの他にバックハウス、グルダ、アシュケナージ、ルプーがあるが、この中でカッチェンが最高と言ったら驚かれるだろうか。それは是非聴いて判断していただきたいが、前のレビュアーの方も指摘されているようにカッチェンがデッカからそれ相応の扱いをされてこなかったのもその後の評価に影響しているように思われる。ここでの収録曲を見ても、ブラームスのピアノ曲全集といういかつい大物がある一方、マントヴァーニとのガーシュインや「イスラメイ」を得意曲として嬉々として弾くカッチェンにどういうピアニストかイメージが湧きにくくなるのも事実。ベートーヴェンのソナタ収録も少ないし。なんかフィリップス時代の後輩コヴァセヴィチと重なるな。しかし、虚心に聴けば、その磨き抜かれたタッチ、抜群のテクニックとともに、ブラームスのソナタで聴けるスケールの大きな音楽構築、常に明晰でありながら深い含蓄のある表現など、その素晴らしさは容易に実感できる。レパートリの偏りはデッカもこんなに早く亡くなるとは思ってなかったのかな。それにしても、プリントミスもあるしオリジナルジャケットを使用しないとか手抜き感を拭えないのは残念だ。

    7 people agree with this review

    Agree with this review

  • 3 people agree with this review
     2017/04/19

    これは凄い演奏だなあ。レビュアーの皆さんの仰る通りの他では聴けない強烈個性の演奏だ。ただ、速いテンポのテクニックの冴えだけではなく、2番の第2楽章における宝石のようなタッチによる詩情溢れる味わいにも耳を傾けていただきたい。3番では女流にもかかわらず長いほうのカデンツァを弾いているのも素晴らしい。この曲はこのカデンツァじゃないと聴いた気がしないのだ(先日レビューを書いたルガンスキーは短いカデンツァで大きなマイナス)。そして何よりも表現の新しさに充ちていることに感心した。パーヴォ・ヤルヴィの指揮もブニアティシヴィリに刺激されてのフレッシュな表現があり万全以上のパートナーぶりだ。

    3 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2017/04/16

    有名な演奏であり、もともと持っていたのだが、美しいオリジナル・ジャケットの復刻に惹かれて第1集ともども購入した。ブラームスの後年のピアノ曲集は、若いころは「随分暗い曲だな」と思い敬遠ぎみだったのだが、年を経るにつれ心に沁みるようになってきて、作品117と118のスコアを買ってきて仕事終わりの夜更けにピアノをサイレントにしてたどたどしく弾いていた時があった。優れた演奏も多いが、ケンプはその中でも最も素朴で虚飾のないものであり、なにげない演奏のようで充分味わい深く何回も聴きたくなる。今後の復刻は、この盤のようにオリジナル・ジャケットを正確に再現してほしい。オリジナルズのような斜めカットは意味不明だ。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 4 people agree with this review
     2017/04/05

    あまり知られていないのが残念だが、これは優れた演奏である。ハイティンクは例によって謙虚な音楽作りで、金管は控えめであり、解釈としての新しさは全くないといってよい。にもかかわらず、シューベルトの美しさ、そしてときに痛切な音楽は確実に伝わってくる。ハイティンクの誠実さがプラスに働いている。それに加えてオーケストラが大変美しい。弦はもちろん、木管、ホルンの味わい深いこと。コンセルトヘボウは今も超一流のオケだが、シャイー、ヤンソンスでこれほどコクのある響きを聴けたことはない。オリジナル・ジャケットを復活も嬉しいが、そこに興味のない人にも一聴をお薦めしたい。

    4 people agree with this review

    Agree with this review

  • 10 people agree with this review
     2017/03/23

    プレヴィンの愛聴盤は、メンデルスゾーン「夏の夜の夢」全曲、ブリテン「春の交響曲」、アシュケナージとのプロコフィエフ、ラフマニノフの協奏曲、それにこのラフマニノフ交響曲全集。いずれも70年代、LSO時代のものだ。この時期のプレヴィンは実に冴えていた。このラフマニノフでも大衆的なセンチメンタリズム、ロシア的な濃厚なロマンティシズムと洗練された現代感覚のバランスが絶妙であり、推進力のある軽めのリズムも新鮮だった。ロイヤル・フィル、ウィーン・フィルを振るころからこのリズム感が薄れてしまいプレヴィンの魅力は大きく後退した。この中では2番の演奏が有名だが、70年代ならともかく今は優れた演奏が沢山ある。むしろ1番、3番、シンフォニック・ダンス、鐘がいまもベスト演奏の一つだと思う。ルガンスキーの録音では、協奏曲でのオラモ/CBSOがプレヴィンと比べるといかにも浅い。ルガンスキーのピアノも聴きどころでなぜかあっさり引いてしまうところがあり、欲求不満が残る。ルガンスキーではエラート時代の前奏曲集、楽興の時が名演。協奏曲を求めるなら他をお勧めしたいが、オリジナル・ジャケットが復刻されてこの価格ならプレヴィンの演奏を聴くだけでも大推薦だ。

    10 people agree with this review

    Agree with this review

  • 3 people agree with this review
     2017/03/15

    現代音楽の守護神であったロスバウトは、HMVの紹介にもあるようにぶっきらぼう、激辛指揮者というイメージだ。しかし私の印象はやや違って、とびきりの職人指揮者というもの、近年ではスクロヴァチェフスキに近い。このブルックナーも知的で明晰な演奏であり、ハース版に基づく原典版を使用し、厳格な中にも歌うべきところは十分歌い、オケのバランスもほぼ完ぺきである。ドイツの放送オケは、70年代まではミュンヘンを除きさほど上手くはなかった。50年代にこれだけのレベルの演奏をしている点でロスバウトの実力は明らかであり、少し前予想以上の好演に驚きレビューを書いたマズアと比べても、断然ロスバウトが上だ。演奏はどれもよいが、音質良好な3番、8番が特に感銘が深い。次いで7番。一番古い5番は音質の厳しいところがあるし、2番は他局の混信があるのが残念(エアチェック音源なのだろう)。音質を考慮して星4つとするが、ロスバウトに興味がある人にはお勧めできる。

    3 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2017/03/09

    ブルックナーはハース版による演奏。意外といっては失礼かもしれないが、名演だ。第1楽章から音楽は早めのテンポで颯爽と進むが、テンポの揺らしもなく真っ当なブルックナー。終楽章は逆に遅めのテンポをとり、複雑になった曲構成を丁寧に描き出す。ロサンゼルス・フィルも大健闘。特にホルン。終楽章最後でホルンのテーマ咆哮に対しオケのリズムが混濁せずに聴こえるのもいい。これが案外ないのだ。LP発売当時どう評価されたか全く知らないが、アメリカ・オケのブルックナーが高く評価されたためしがないから予想はつく。掘り出し物の一品。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 6 people agree with this review
     2017/02/27

    チョイスに疑問あり。ロニー・アルドリッチはたしかにフェイズ4の看板ではあったが、LP11枚分は多すぎ。基本アレンジは変わらない人だったし。一方でスタンリー・ブラックの「フィルム・スペクタキュラー」がVOL2だけとは。「ウエストサイドストーリー」や「サウンドオブミュージック」は素晴らしい出来だったと記憶しているが、今入手困難なだけに入れて欲しかった。また、もう一人の看板、ウェルナー・ミューラーがドイツ・デッカ音源がワーナーに移ったために収録なしになってしまったが、なんとかならなかったのか。まあ、それでもフェイズ4の良さは第1集のクラシックではなくイージーリスニングにあるのは間違いなく、これだけまとめて出て、データもわかる限り載っているのは嬉しい。

    6 people agree with this review

    Agree with this review

  • 5 people agree with this review
     2017/02/25

    セルはインタヴューで「シューマンのスコアの改訂は最小限でなければならない」と言っている。しかし、私の知る限り、ステレオ以降のスタジオ録音でセルほどシューマンのスコアをいじった人は他にいない(マーラー版除く)。その改訂も疑問のある部分が多すぎる。例えば、2番第1楽章展開部のトランペットの警告をカットしてしまっているが、これでは荒れ狂うシューマンの心情を表現しているとはとても言えないだろう。私はセルが大好きだが、このシューマンについてはペケだ。またいまだにこの演奏を評価する人が多いのも不思議である。シューマンは揃えばいいというものではないのだ。

    5 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2017/01/28

    ショルティといえばワーグナーが有名だが、私はあまり好まない。豪快に鳴るわりに後味は淡泊であり、客観的すぎて毒に欠けると思う。ところが、リヒャルト・シュトラウスではそうした不満は全くない。リヒャルト・シュトラウスの音楽自体がワーグナーのような聴き手を煽るものではなく、その客観性がショルティの持ち味と合っているのだろう。「サロメ」「エレクトラ」は名演として有名だったが、カルショウが自伝で「失敗だった」と語っている「アラベラ」を聴いてみたらこれがとてもよく、次いで聴いた「バラの騎士」も実によい。そこで「影のない女」を購入したのだが、これこそショルティの最高傑作というべきものだった。ホーフマンスタールとシュトラウスの妄想がエスカレートしてとんでもない代物となったこのオペラで、ショルティは細部まで克明に鳴らしその空前の面白さを明らかにする。ドミンゴ、ヴァラディ、ヴァン・ダム、ベーレンスと揃った歌手もベストであり、チョイ役にまでスミ・ジョー、エヴァ・リント、ロバート・ギャンビルらを起用する贅沢さ。ウィーン・フィルの圧倒的な鳴りっぷり。最高である。こんなことならボックスを買えばよかった。ところで、初めてこのオペラを見たのはサヴァリッシュ率いるバイエルン・オペラによる愛知芸術劇場こけら落とし公演だった。私には猿之助による歌舞伎風メイキャップの演出が「ミカド」に見えてしまって馴染めなかったのだが、下には下があるもので、ティーレマンのザルツブルグ公演での演出は呆れるばかりであった。こんな素晴らしいオペラなのにろくな舞台がないのはもったいないかぎり。CDで楽しむのが無難なようだ。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2017/01/22

    マズアの全集の毒にも薬にもならぬ演奏を聴いて、まあメンデルスゾーンはこんなものかな、とも思ったが、レビューを読んでドホナーニ盤に興味を持ち購入。やっぱり違う。音楽の掘り下げが格段に深いし、フレーズが息づいている。私の好きな2番は大編成の合唱を用いているが、本来はもう少し小編成のほうがいいと思う。それでもバラッチュの指導する合唱の迫力は素晴らしくすこぶる聴きごたえがある。ソプラノ2人の声質が均一なのもよい。もともとメンデルスゾーンを聴くことはあまりなく、全集もカラヤン、マークそれに前出のマズアしか持っていないが、その中ではドホナーニ盤が最高だ。往年のデッカ・スタッフ、コリン・ムアフット、ジェイムズ・ロックによる録音もガツンとした実在感がある。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2017/01/13

    HMVによると「ディノーラ」はマイアベーアの最も有名なオペラだそうだが本当だろうか。少なくとも私は全曲盤を見るのは初めてだ。かつては内容空虚の代名詞であったマイアベーアだが、近年再評価が進んでいる。このオペラも筋はだめだが音楽は十分に魅力的。13分もかかる序曲の中に合唱が入ってくるなど様々な工夫もあり予想以上の充実。グノーのオペラが好きな方なら気に入ると思う。ディノーラを歌うチオーフィは声の美しさがいまいちなのが惜しいが表現力は立派だし、未知の難曲に挑み続けているのも称賛に価しよう。マッツォーラの指揮はまずまず。オケはやや反応が鈍い。演奏会形式上演のライブなので音質は全く問題ない。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2017/01/13

    美しいバッハだ。ピアノの音がきれい。録音も良いのだろうが、響きが澄んで柔らかい。スターンの表現も、節度のある中に瑞々しい創意があり魅力的だ。バッハ最高峰の傑作パルティータを少しの気負いもなく紡ぎだした好盤。私はヒューイットよりこちらのほうが好きだ。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 211 - 225 of 448 items