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Review List of banban 

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     2024/10/20

    音楽は学問や知識ではなく、生身の人間から迸る生への希求であることを、これほど示した演奏は他にないのではないか。セッション録音を忌み嫌い、ライヴに命を懸けたヤマカズさんだからこそ生み出し得た稀有の名演だ。演奏様式が云々とか、響きが厚ぼったいとか些末なことはどうでもいい。音楽に包まれる幸せをこれほど実感させてくれるヤマカズさんには感謝するしかない。日本のオケや放送局のアーカイヴにはヤマカズさんのライヴがまだまだ眠っていることだろう。何としてでも発掘して世に出して欲しい。

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     2024/10/20

    内容については多くの方が述べられている通りで、付け加えることもない歴史的名演です。ただただBlu-ray化を待ちわびています。NHKにはこうした歴史的名演の映像が数多く残っているはずです。どうか一つでも多く発掘し、Blu-rayでリリースして下さい。切望しています!

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     2024/10/19

    名作「トスカ」の映像先品は少なくないが、このヴェローナのプロダクションを収めたものが最良だろう。伝統的な演出の中にリアリティを込めたデ・アナの演出は、最近流行りの読み替え演出とは異なり、観る者を音楽に、ドラマに惹き込んでくれる。そしてチェドリンス、アルバレス、ライモンディと主役3人が揃って素晴らしい歌と演技を繰り広げる。しかもオーレンのドライヴの利いた指揮が舞台を引き締めていく。全ての音楽ファンに見て頂きたい名プロダクションだ。

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     2024/10/19

    「トロヴァトーレ」の映像作品としては、カラヤンが指揮をしたウイーンの伝説的な舞台を収録したDVDを除けば、アルミリアートが指揮したMETのDG盤と本盤が双璧だろう。いずれも要役のルーナ伯爵にホロストフスキーを起用したのが舞台を引き締めている。METもコヴェント・ガーデンもレオノーラ役が弱いのが玉に瑕だが、「トロヴァトーレ」は男のオペラであり、マンリーコとルーナ伯爵如何で出来栄えが大きく左右される。METのアルヴァレスも悪くはないが、ここでのクーラには及ばない。かのデル・モナコを彷彿とさせる全盛期のクーラは本当に素晴らしい。ロブストで黒光りする強靭な声はマンリーコやオテロなど、ヴェルディのオペラとは相性抜群だ。残念ながらクーラの発声はベルカントとは程遠く、喉への負担が大きいため、その全盛期は長くはなかったが、そうしたクーラのベスト・フォームを記録したことでも本盤の価値は大きい。演劇の国イギリスの佳き伝統を伝えるモシンスキーの演出、リッツィの気合満点の指揮も素晴らしく、「トロヴァトーレ」の魅力を大いに堪能することが出来る。オペラ・ファンだけでなく、多くの音楽ファンに見て欲しいDVDだ。

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     2024/10/17

    ピエロ・カプッチッリとほぼ同世代のため、1960年代から70年代はカプッチッリの影に隠れることが多かったが、カプッチッリが交通事故で第一線から離脱すると、一躍イタリア・バリトンの第一人者として人気を博したのがレナート・ブルゾンである。アバドやムーティからは評価されたが、クライバーとは「オテロ」で衝突した。カプッチッリのような輝かしいヴェルディ・バリトンの声質ではなく、陰影が濃く、渋味のある美声はバスティアニーニを彷彿とさせるが、劇場を震わせるようなダイナミックなものではなく、クライバーとは相性が悪かった。このCDに収録されているリサイタルには実際足を運んだが、ブルゾンの高貴な歌唱には深く感動させられたことを今でもよく覚えている。低音の響きが弱いという欠点はあるものの、その豊かな語り口や精緻な感情表現は素晴らしい。オペラでは自身に合わないようなスカルピアなども歌っていたが、こうしたリサイタルでは自らの個性を最大限に発揮出来る作品ばかりを取り上げることが出来るので、ブルゾンの最良の歌唱を聴くことが出来る。イタリア・オペラのファンばかりでなく、多くの音楽ファンに勧めたいアルバムだ。

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     2024/10/09

    「セヴィリアの理髪師」といえば、アバドとLSOによるDG盤ばかりが名盤ガイドなどで常に推薦されているが、ダーラとモンタルソロ以外の歌手が弱く、ロッシーニ・ルネサンスを経験した現代のオペラ・ファンには物足りないだろう。その点、このマリナー盤は評論家筋からはそれほど高い評価を得ていないが、極めて魅力に富んだものである。歌手はバルトロ役のトリマルキを除いてイタリア人がいないが、揃いも揃って絶好調の歌を聴かせてくれる。何といっても若き日のアライサの爽快な美声と輝かしいアクートには圧倒される。スカラ座の初来日の際もアルマヴィーヴァを歌って、日本のオペラ・ファンの度肝を抜いたが、ここでも素晴らしい歌唱を繰り広げている。バルツァのロジーナも素晴らしい。低音から高音まで凛として芯のある美声はロジーナの性格を見事に表現している。コロラトゥーラも難なく決めており、バルトリと並ぶ名唱である。意外なのはアレンである。このイギリスのバリトンはモーツァルトを十八番にしていたが、どちらかというと性格表現に弱い印象があったが、ここではキーロールとしてのフィガロを縦横無尽に歌い上げている。ダーラやモンタルソロの影に隠れがちだったトリマルキのバルトロも見事だ。必要以上にこの役をカリカチュアライズすることなく、スコアに忠実に歌うことでバルトロの可笑しさだけでなく、ペーソスを感じさせるのは流石だ。さらにロイドのバジリオも優れている。ロイドはヴェルディやワーグナーなどの重厚な役で定評があるイギリスのバスだが、これほどロッシーニの音楽に適性を示すとは意外である。これら名歌手達を支えるマリナーの指揮も見事だ。音楽が求めるリズムを自然に刻むため、歌手も歌いやすいだろうし、何よりも音楽が大きく息づくのが素晴らしい。オペラ・ファンはもとより、多くの音楽ファンに聴いて欲しい名盤だ!

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     2024/10/08

    真に復刻盤の理想を示した名盤として声を大にして賞賛したいアルバムだ。オリジナル・ジャケットだけでなく、余計なものはカップリングせずに、オリジナルLPを尊重したアルバムであり、すべからく復刻盤はこのようにあってほしいものだ。しかもオリジナルLPの音質再現を可能な限り目指したリマスターも功を奏しており、若きバーンスタインとニューヨーク・フィルによる凄まじい演奏を堪能することが出来る。当時のニューヨーク・フィルは木曜日から日曜日まで演奏会を行ない、翌月曜日にレコーディングを行なうというハードなスケジュールであったが、そのためテイクを重ねるよりも、演奏に瑕があっても一発録りされることが多く、セッション録音にもかかわらず、ライヴのような生命力の爆発が刻印されることになった。その最良の成果がこの「春の祭典」であることは疑う余地もない。数多く録音されてきた「春の祭典」だが、今もってこのアルバムを超える演奏は聴いたことがない。全ての音楽ファンに聴いて頂きたい超ド級の名盤だ!

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     2024/10/06

    残念ながら本盤はデータに誤りがあり、マルチェッロ役はカプッチッリではなくサッコマーニが出演した3月30日のライヴです。とは言え演奏自体はクライバーの面目躍如たる名演です。カプッチッリが出演したライヴはMYTOからリリースされていました。そちらはクライバーが残した「ボエーム」の中でも最高の名演でした。

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     2024/10/06

    2020年に上演された「エレクトラ」に続く、グリゴリアン&ヴェルザー=メスト&ワルリコフスキのザルツブルク音楽祭のプロダクションとして大きな注目を集めた2023年の「マクベス」である。残念ながらヴェルザー=メストは体調不良で降板となり、急遽ジョルダンが指揮をすることになったが、そのジョルダンの指揮が素晴らしい出来栄えを示している。ヴェルディの伝統的な音楽語法に鋭く切れ込み、劇性を際立たせ、人間の持つ欲深さ、精神の脆さをこれでもかと音化してみせる。「マクベス」といえばアバド、ムーティ、シノーポリなどのイタリア人指揮者たちが傑出した名演を聴かせてくれたが、ジョルダンはさらに上を行く驚異的な音楽作りで聴き手を圧倒する。歌手も総じて優れており、なかでもグリゴリアンのマクベス夫人は凄まじい。ヴェルディのオペラの中でも傑出して難しい役なのだが、グリゴリアンはドラマティックかつ流麗な歌唱でこの難役に驚くほどのリアリティを与えている。しかも相当難しい演技を求められているにもかかわらず、これほどの歌唱を聴かせるとは空前絶後だ。マクベス役のスリムスキーも良く歌っているが、イタリア語の発音と非ベルカントの歌声が興を削ぐ。もっとも無理な姿勢で歌わせられるなど演出の無茶が歌唱にも影響しているようであり、スリムスキーにしても本来の出来ではなかったのかもしれない。マクダフ役のテテルマンは演技は今一つだが、その若々しい歌唱は見事であり、アリアでは大きな拍手をもらっている。これでワルリコフスキの演出が良ければ最高なのだが、残念ながらこの「マクベス」は大失敗というしかない。モネ劇場での「メデア」「ルル」、パリ・オペラ座での「人間の声」「青ひげ公の城」、そしてザルツブルク音楽祭での「エレクトラ」など、成功したプロダクションも少なくないが、この「マクベス」はいただけない。マクベス夫人の流産(あるいは不妊症)から端を発した悲劇に読み替えているが、その必然性が全くといっていいほど感じられず、ワルリコフスキの独り善がりな解釈が暴走したプロダクションに成り下がっている。チェルニャコフの「マクベス」のような成功した読み替え演出とは雲泥の差があり、演出さえ良ければ極めて充実したプロダクションになっていたはずなのに残念である。ザルツブルク音楽祭でも奇抜な演出で聴衆を驚かすことが目的化している傾向が強まっていることには警鐘を鳴らしたい。必然性が伴ってこその読み替え演出であり、演出ありきのプロダクションはそろそろ終わりにして欲しい。ジョルダンの指揮とグリゴリアンには星5つを献呈したいが、演出が足を引っ張り総合では星3つといったところだろう。

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     2024/10/03

    チャイコフスキーのオペラといえば「エフゲニー・オネーギン」そして「スペードの女王」や「イオランタ」あたりしか日本では上演される機会がないが、「チャロデイカ」がこんなに素晴らしい作品とは思いもしなかった。チャイコフスキーの円熟期の作品であり、「交響曲第5番」の直前に作曲されたということが頷ける充実した音楽だ。シュパジンスキーの台本が冗長であるため、上演機会に恵まれていないと思われるが、これほどロマンティシズムが横溢し、しかも劇性に不足しない音楽はチャイコフスキーの作品の中でも傑出したものだろう。新国立劇場あたりで是非とも上演してもらいたい作品だ。
    このプロダクションは人気絶頂のグリゴリアンを主役に据えたものだが、グリゴリアンだけでなく、公子のマクニール、公妃のマーンケ、ユーリのミハイロフなど揃って素晴らしい歌唱と演技で聴衆を魅了する。ウリューピンの指揮には繊細さをさらに望みたいが、ドラマティックな表現には圧倒される。バルハトフは流行りの読み替え演出で、台本の拙さを感じさせないようにしているが、中途半端な解釈に留まっており、チェルニャコフにでも演出させたら更に面白くなったはずだ。いずれにせよ、「チャロデイカ」というオペラを再発見させてくれる見事なプロダクションというべきものである。オペラ・ファンなら必見だ!

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     2024/09/25

    ミキエレットの演出は賛否が分かれているようだが、すでに「ファルスタッフ」の物語自体が陳腐化してしまった現代においては、こうした演出の方が受け入れやすいのではないだろうか。チェルニャコフのような過激なまでの読み替えではなく、シェークスピアに通じるファンタジーとシニカルな味わいが感じられ、初めて「ファルスタッフ」を体験する人も大いに楽しめるはずだ。そしてメータの指揮。緩いとか緊張感が希薄だとか否定的な意見が少なからずあるようだが、「憩いの家」で元歌手の老人が主役であるこの演出では、過去と現在が入り混じりながら舞台が進んでいくのである。中でも過去を強く印象付ける場面が多く、そのため音楽は早口ではなく、どこか物憂げに語られるのだ。そのためメータの恰幅が良く、陶然とした音楽作りが舞台と見事にシンクロするのだ。これが映像無しのCDでリリースされていたら、また評価は大きく違ったものになるだろうが、少なくともメータの指揮はこの舞台を見事に支えていると断言出来る。そしてマエストリやチェドリンスをはじめとした新旧の名歌手たちの歌が素晴らしい。近年最も成功した「ファルスタッフ」ではないだろうか。

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     2024/09/22

    セッションとライヴで豹変する指揮者といえば古くはフルトヴェングラー、そしてカラヤン、近年ではアバドなど枚挙にいとまがないが、ハイティンクもそうした系譜に連なる一人だ。正直言って経費ばかりがかかり、似たり寄ったりの音盤を作るよりも、演奏に瑕があってもライヴを記録する方が大切なはずだ。音楽はオーディエンスがいてこそ音楽たり得るのであって、セッションという工場で作る加工品ではないはずだ。つくづくハイティンクによる本盤を聴いてもそう痛感する。ショスタコーヴィチの生きたソヴィエトという熾烈な社会、そして音楽。セッション録音とは別人のようなハイティンクが生み出す強烈な演奏こそ、我々に音楽の本質と社会との関連を実感させてくれる。更なるライヴの発掘を切に願う!

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     2024/09/20

    演出が酷過ぎて見ていられない。奇抜な舞台を作ることだけが目的化していて、音楽との乖離が甚だしい。オペラでは読み替え演出が主流になっているが、これほどレベルの低い舞台はめったにないだろう。どうしてバイロイトでこんな演出がまかり通るのか不思議でならない。歌手は意味不明な演技をさせられているにもかかわらず、総じて見事な歌唱を聴かせるし、エラス=カサドの求心力のある演奏も見事な出来を示しており、映像作品でなく音のみのCDでリリースされるべきだった。映像がなければ星5つ。

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     2024/09/11

    「マクベス」の真髄に迫るチェルニャコフの演出には拒否反応を示すオペラ・ファンが少なくないようだが、ここでの演出は素晴らしい。「マクベス」というドラマは現代において、世界中どこにでもある社会悪というものであり、現代化した舞台でも違和感を感じさせない。「トロヴァトーレ」では過激過ぎて失敗したチェルニャコフだが、ここではそんな無茶もしていない。魔女を市民に変えたことに異論もあるだろうが、今更魔女の存在を信じる人もいないだろうし、これはこれで説得力のある読み替えと言ってもいい。歌手ではティリアコスが必要以上にマクベスを弱い人間として表現しているのが残念だ。これはチェルニャコフの演出というよりは、ティリアコスの声にヴェルディ・バリトンに求められる強さと輝かしさが不足しているせいだろう。その反対に、ウルマーナとフルラネットの歌唱は素晴らしい。しかも難しい演出の中で、これほどの歌唱を聴かせるとは名歌手の名に恥じぬものだ。クルレンツィスは躍動感に満ちたリズムを刻み、「マクベス」が現代のドラマであることを強く印象付けている。イタリア・オペラは歌ばかりで、ワーグナーのような総合芸術ではないと思っている音楽ファンにこそ見て欲しい舞台だ。

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     2024/09/08

    史上最高の「ルチア」だ。日本では某オペラ評論家が、人種差別的な酷評を繰り返したせいで全く評価されないシルズだが、間違いなく20世紀後半を代表する名ソプラノであり、ここでも完璧無比なコロラトゥーラと情感溢れる表現で圧倒的なルチアを聴かせてくれる。全盛期にあったベルゴンツィのスタイリッシュで神々しいばかりのエドガルドも最高だ。しかもカプッチッリの性格表現の際立ったエンリーコが加わるのだから、これ以上の「ルチア」は今後も現れないだろう。しかし、この三人以上に素晴らしいのがシッパーズの指揮だ。若くして世を去ったシッパーズも日本では適正な評価をされていないが、深々とした呼吸感と沸き立つようなリズム感で「ルチア」の音楽の魅力を明らかにしている。こんな指揮なら歌手たちも歌いやすいだろうし、特にアンサンブルの場面では大きな効果を生み出している。オペラ・ファンだけでなく全ての音楽ファンにお勧めしたい超名盤だ!

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