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【特集】キミはクリス・ファーロウを知っているか?

Monday, July 7th 2008

Chris farlowe


 
ジョージィ・フェイムと双璧を成す
60sノーザン・ソウル〜スウィンギン・ロンドン・シーンの伊達男。
英国屈指の白人ソウルフル・シンガー、クリス・ファーロウ。

ローリング・ストーンズが「Out Of Time」を提供したというエピソードだけで白飯3杯!英国R&Bシンガーといえば、昨今のモッズ・リヴァイヴァルの追い風もあって、とかくジョージィ・フェイムに話題が集中しがちなのですが、このクリス・ファーロウのどす黒くソウルフルなフィーリングも、もっともっと語られて然るべき。特に、本家とはまた一味違うヒップな感触を残すイミィディエイト時代のストーンズ・カヴァー(「Think」、「Paint It Black」、「Satisfaction」、「I'm Free」等)の数々は必聴です!  

Chris farlowe

60年代ロンドンのR&B〜モッズ〜ノーザン・ソウル・シーンにおける活躍を知らなくとも、プログレ〜ハード・ロック系のリスナーにはコロシアムやアトミック・ルースターのヴォーカリスト、またはジミー・ペイジの88年ソロ作でマイクを握った男としてよく知られているクリス・ファーロウ。しかし、「黒さ」という点ではやっぱり、バック・バンドであるザ・サンダーバーズ(アルバート・リーも在籍)を率いていたキャリア初期=60年代を強力にプッシュしておきたいのです。同時期のスティーヴ・マリオットやスティーヴ・ウィンウッドとは比べものにならないほど圧倒的なブラック・フィーリングを放っていたファーロウは、あのオーティス・レディングから白人で唯一「ソウル・ブラザー」と呼ばれる存在でもあったのです。ちなみに同時期、ビーザーズ、リトル・ジョー・クックなる変名でブルービートやブルースのシングルを多く残しています。

62年に、ファーロウは、ソロ名義でデッカ・レコードと契約を結んでシングル「Air Travel」で、クリス・ファーロウ&ザ・サンダーバーズ名義では、コロムビア・レーベルと契約を結んでシングル「I Remember」でそれぞれデビュー。その後も数枚のアルバムを出すもセールス的な成功には恵まれずにいました。で、そこで出会ったのがローリング・ストーンズ。ミック・ジャガーとキース・リチャーズが、彼のことを以前から気に入っていて、2人の紹介により、ストーンズのマネージャーであったアンドリュー・ルーグ・オールダムが設立したばかりのレコード会社、イミディエイトと65年に契約を結ぶこととなったのです。翌66年にリリースされた、ミック・ジャガー&キース・リチャーズ作によるストーンズのカヴァーとなる2ndシングル「Think」(全英37位)で初めてチャート入りを果たし、続いてリリースされた同じくジャガー/リチャーズ作の「Out Of Time」はイギリスでNo.1を獲得します。同年には、同じくストーンズ・カヴァー「Ride On Baby」(全英31位)、67年には、スモール・フェイセズの「My Way Of Giving」(全英48位)、モダン・ジャズ古典「Moanin'」(全英46位)(ヤードバーズ加入前のジミー・ペイジとのブルース・セッション盤にも収録。)、ロッド・スチュワートのカヴァーで有名な「Handbags And Gladrags」(全英33位)を次々とチャート入りさせました。   Chris farlowe & Keith Richards

前述のストーンズ楽曲、及びイミディエイトでの2作目のアルバムとなる『The Art Of Chris Farlowe』のプロデュースはミック・ジャガーが務めている。本家のヴァージョンとは幾分異なるアレンジが施され、当時隆盛だったモータウン・サウンドやフィル・スペクター作品を意識したかのようなストリングスやホーン・セクション、コーラスなどを派手に導入したものとなっており、オリジナルと聴き比べるのもまた面白いでしょう。また、オーティス・レディング「I've Been Loving You Too Long」のカヴァーには、キース・リチャーズも参加し、ファーロウのために特別なアレンジを施したという興味深い話も残っています。

ストーンズとの蜜月たっぷりのこのイミディエイト時代の音源は、現在、『14 Things To Think About』、『Out Of Time-The Immediate Anthology』、『Out Of Time』、『I'm The Greatest』(ジャケはミックとの2ショット!)といった数種のコンピCDで耳にすることができるので、ストーン・ピープルはじめ英国ブリティッシュR&Bフリークは是非!「In The Midnight Hour」(ウィルソン・ピケット)、「Mr. Pitiful」(オーティス・レディング)、「Rockin' Pneumonia」(ヒューイ・スミス)といったR&Bクラシックにおけるシャウトも痛快です!


 



14 Things To Think About

 
4 『14 Things To Think About』 « New«


クリス・ファーロウの1stソロ・アルバムがボーナス12曲を追加して独Repertoireから再発。デイヴ・グリーンスレイドやアルバート・リーと結成したグループ=サンダーバーズでの活躍を経て、66年、ローリング・ストーンズの手引きによりイミディエイトと契約を交わしリリースしたアルバム。ミック・ジャガー&キース・リチャーズが書き下ろした「Think」をはじめ、ボブ・ディラン、バート・バカラック、ビートルズなどのカバー曲を中心とした、まさに60sスウィンギン・ロンドンなサウンドが満載。ファーロウの真っ黒なヴォーカルも◎!ボーナス・トラックは、ストーンズ・カバーをはじめとするシングル曲をズラリと収録。ブリティッシュR&Bの金字塔作品。



 




Dig The Buzz -Complete Recordings 1962-1965
4 『Dig The Buzz -Complete
      Recordings 1962-1965』


バックにサンダーバーズ従え、ジョージィ・フェイムと共に英国R&Bシーンを熱く盛り上げていたデッカ/コロムビア時代の音源のCD化。「Air Travel」、「Buzz With The Fuzz」他スウィンギン・ロンドンを熱狂させた楽曲の数々が収録。後のイミディエイト期のポップ・スタイルとは一線を画した鼻息の荒いこの初期音源には、まさにリアル・モッドなヴァイヴも充満。リトル・ジョー・クック名義の貴重な音源も収録。



 




Out Of Time -The Immediate Anthology

4 『Out Of Time -The Immediate Anthology


イミディエイトに移籍してからの2枚組アンソロジー。ローリング・ストーンズ(特にプロデューサーを務めたミック・ジャガー)との出会いなどにより、この時期、ノーザン・ソウル風のポップで優れた楽曲を多く残しています。上掲のコロムビア時代とは異なり、モータウン、フイル・スペクター・サウンドに触発されたかのような洗練され、軽快に踊れるソウル・ナンバーが目白押し。ジャガー/リチャード作品も多くカバー。オーティス・レディング「I've Been Loving You Too Long」のカヴァーは、キースがファーロウのために特別なアレンジを誂え、また自らも参加。







Farlowe That

4 『Farlowe That』


2003年にリリースされた、現時点でのクリス・ファーロウのスタジオ最新作。ステージで何度も共演を繰り広げた旧知のヴァン・モリソンによる「Sitting On Top Of The World」では、両者による素晴らしいデュエットも聴ける。ハード・エッジなブルース・ロック・チューン「Trouble」、「A Matter Of Time」などでは、枯れることのない逞しいシャウターぶりを堪能できる。







At Rockpalast

4 『At Rockpalast』


2006年、音楽活動50周年を迎えたクリス・ファーロウ。ドイツ、ボンのRockpalastで行なわれたCrossroads Festivalにおけるライヴ。おなじみの「Out Of Time」(ローリング・ストーンズ)、「Handbags And Gladrags」(ロッド・スチュアート)、「All Or Nothing」(スモール・フェイシズ)といったところを素敵に披露★



 




   その他の関連/オススメ作品はこちら



Nice 'N' Greasy
4 Atomic Rooster 『Nice 'N' Greasy』

 ツェッペリン、フリーなどと比較しても全く遜色のないブリティッシュ・(ハード)ロック・バンド、アトミック・ルースター。クリス・ファーロウを擁してからの2作目となる73年の5thアルバム。そのソウルフルな歌唱によりファーロウがもたらしたソウル〜ファンク・テイストは、本作でさらに充実度を増し、バンドの柔軟性を顕著に表出させた。




Live
4 Colosseum 『Live』

 スタジオ・アルバムとしては最終作となってしまった3rdアルバム『Daughter Of Time』からヴォーカルに据わったクリス・ファーロウ。本ライヴ盤では、パワフルで卓越した各パートのテクだけでなく、ジャズ、ブルーズ、ロックといったあらゆる要素が絡み合った緊張感のある演奏を楽しむことができる。もちろん、ファーロウのソウルフル・ヴォイスにもシビレまくり!




Live Cologne 1994
4 Colosseum 『Live Cologne 1994』

 94年のリユニオン・ツアーから独ケルン公演を収録したライヴ盤。上掲の傑作ライヴ盤『Live』の冒頭を飾った「Rope Ladder To The Moon」、「Walking In The Park」等代表曲を『Daughter Of Time』、『Live』期の最強メンバーが円熟の演奏を聴かせる。

 



Let's Go Get Stoned
4 V.A. 『Let's Go Get Stoned -The Songs Of Jagger / Richards

 ミック・ジャガー&キース・リチャーズ作品=ローリング・ストーンズ・ソングブック。クリス・ファーロウによるカヴァーは、「Think」、「I'm Free」、「Yesterday's Papers」、「Out Of Time」、「Ride On Baby」、「Paint It Black」と、最多の全6曲。

  



Outrider
4 Jimmy Page 『Outrider』

 ジミー・ペイジの88年唯一となる1stソロ・アルバム。ロバート・プラント(M-4)、ジョン・マイルス(M-1,2)、そして、クリス・ファーロウ(M-6,8,9)がヴォーカルを分け合う。ペイジのギター・プレイを含め賛否両論あるアルバムだが、ファーロウのソウルフル・ヴォイスだけは、さすが、安定して合格点を保っている。本盤は、SHM-CD仕様の紙ジャケ盤。

 



20 Beat Classics
4 Georgie Fame 『20 Beat Classics』

 ブッカー・T直系のグルーヴィなオルガンの音色と、ブルーズ、ジャズに根差した黒っぽさを持つヴォーカルで、60sスウィンギン・ロンドンの中核を担った「元祖モッズ・ヒーロー」、ジョージィ・フェイム。本盤は、ポリドールに残された作品集。全英No.1シングル 「Yeh Yeh」 をはじめ、テンプテーションズ 「My Girl」、ジェームス・ブラウン 「Papa's Got a Brand New Bag」など全20曲収録。




Sound Of 65 / Theres A Bond Between Us
4 Graham Bond 『Sound Of 65 / Theres A Bond Between Us』

 英国ジャズ〜ブルーズを経て形成されたR&Bシーンの流れを体現したグレアム・ボンドがオーガニゼーションとして残した2枚のアルバム(65、66年作)のカップリング盤。ジャズ・ロックっぽさを匂わせるプログレッシヴなR&B楽曲が粒ぞろいの両作品。さすがジャズ畑の出身と唸らせられる卓越したアンサンブルを楽しめる。




R & B From Marquee
4 Alexis Korner 『R & B From Marquee』

 58年のマディ・ウォーターズの英国公演以降、エレキ・ギターによるブルースに着目して、チャーリー・ワッツやジャック・ブルースらとブルース・インコーポレイテッドを結成した、英国ブルースのゴッド・ファーザー、アレクシス・コーナーの62年デビュー・アルバム 。62年6月8日、ロンドンのマーキー・クラブで行ったライヴ音源を収録した作品。ボーナス・トラックとして未発表BBCライヴ音源など7曲を追加収録。 。






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