Monday, December 4th 2006
| その「歌うような」フレーズで数多の名曲をアシストしてきた、世界一の「ソウルフル」ギタリスト |
| デヴィッド・T・ウォーカー スペシャル・インタビュー 2/2 |
-若い頃から、そういった思想をお持ちだったのですか?
「まぁ、若い頃は、そこまでは理解していなかったけど・・・その頃から興味自体はあったのと、感覚が冴えていたのと、ただ単純に知りたかったという気持ちは強くあったね」
-こうして、ご自身の過去の作品を今聴き返してみて、やはり感慨深いものがありますか?
「昔も今も精神的な部分には、ずっと変わりはないと感じるよ。今と精神的に相通ずる感じもするしね。宗教的なものも含めて。あとは、いい気分な時もあるし、女の子のことを考えているような時もあるし(笑)。ごく一般的な感覚でね。いつも何かを感じたり、何かを思っている、という点は昔も今も同じだよ。いつも真実を探求しようとしている。まさに「Real T.」ということだね(笑)」
-「Press On」で歌声を聴くことができますが、実際にご自身の歌をもっと大きくフィーチャーしたいと考えたことはありますか?
「1回だけあるよ。それが、「Press On」なんだ。10代の頃にギターを演奏しながら、歌ってはいたんだけど、すすんでやりたいとはあまり思っていなかったんだ。でも、その「Press On」では、自分のリリックで人々に強く伝えたいことがあったから、自分自身で歌いたかったんだ。ルー・アドラーとその曲を録音して、トラック・ダウンが終わるまでは、私が歌うということを、スタジオの皆に知らせてなかったよ。1度きりだと思って歌ったものが、リリースされたということなんだ。他にも、もっと歌うことができたかもしれないけど、その時のたった1度きりだね。あの曲の中に、自分が言いたかったことを入れて、伝えることができたので、もう、それで十分だったんだ・・・と、思うよ(笑)」
-最近は、Carruthers(カラザース)のギターをメインで使用されているようですね。日本ではあまり見かけることのないものですが、特別な仕様のものなのでしょうか?
「そう。ジョン・カラザースが、私のために特別に作ってくれたものだよ。なので、もちろん売ってはいないんだけど。実際は、25年間使っていたバードランドをモデルにしたもので、フレット、ネック、ボディなどが違うんだけど、とても軽くて気に入ってるんだ」(前日のショウでアクシデントがあり、急遽代わりのギターを弾くというハプニングがあったことを話題に出されて) 「そうなんだよ〜(笑)。これまで35年間、ショウの最中にギターが壊れたということはなかったから、昨日のそのアクシデントを目の当たりにした人達は、とっても貴重なものを観れたんじゃないかな(笑)」
-最近の若いシンガーやプレイヤーなどで、共演してみたいなというアーティストはいらっしゃいますか?
「ラジオなどでも時々聴いたりはするんだけれど、多くの若いアーティストが、世界中にいるから、もし「お声が掛かれば」、私はどこにでも行くよ(笑)。シンガーでも、演奏者でも、尊敬に値する、とても才能がある若いミュージシャンは、本当にたくさんいると思う。でも、最も興味があるのは、彼らがきちんとした、真摯な姿勢で、歌ったり、演奏しているかどうかというところだよ。音楽に対して、まじめに挑戦したり、エンジョイしたりするのを教えるということはとても大切なことなんだ。たとえ、今がそんなに良い状況ではなくても、挑戦したり、真剣に取り組むということが重要であって、まだまだ成長する余裕があるということを知ってほしいんだ」
-ご自身の音楽のフィーリングや、プレイ・スタイルなどに影響を与えたものは何だと思いますか?
「何かを考えさせてくれる事を書いている、例えば本の著者などに影響を受けることがよくあるよ。だけど、ビルの窓を仕事で拭いているような人からも、何かしらの影響を与えてもらえたりすることが時々あるよ(笑)。何をするにおいても、信じているものがあれば、その辺は何でもいいはずだよ。でも、なるべく多くの人の音楽を聴くようにはしているんだ。John Coltraneとか、Aretha Franklinなんかを聴いたり、とにかくたくさんの音楽に耳を傾けている。もちろん有名無名関係なくね。仮に、名前は知らなくても、自分が気に入れば何度も何度も聴いているよ」
-最近、よく聴いているアルバムなどがあったら教えて下さい。
「最近は昔みたいに、それほど多くは聴いてないのだけれどね。でも一時は、他の人の音楽にあまり影響されたくなかったので、自分の作品を聴くようにしていたかな。でも、聴いていることは、聴いているよ。ipodを持っているからね(笑)。John Coltraneや、Miles Davisの古いものなんかをよく聴いているよ。」
-では最後に、日本のファンの方々にメッセージをお願い出来ますか?
「「Press On」&「With A Smile」、everyday(笑)。日本は、世界の中でも1番と言えるほど好きな国なので、ファンの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいだよ。」
-今日は長い時間どうもありがとうございました!
「こちらこそ、ありがとう!」

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