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GOING UNDER GROUND 松本素生インタビュー 2/2

Saturday, November 5th 2005

  1年8ヶ月振り、通算6枚目となるニューアルバムを発売!
  GOING UNDER GROUND(松本素生)、「ASK THE ARTISTS」インタビュー 2/2

―インタビュー続き―

ピンク文字⇒「ASK THE ARTISTS」に投稿された方の質問
紫文字⇒HMVスタッフ

-こんにちは。私は、社会人2年目で、3年目を目の前に退職することが決まりました。仕事が合わない・職場に居場所がない…というのが一番の理由です。ゴーイングの皆さんは、仕事だから頑張ろうと思うのでしょうか??好きな事だから頑張れるのでしょうか??いつも、ゴーイングの言葉・音楽に背中を押され頑張っています!あと、半年..頑張ります!!本当に いつも感謝しています!!。ありがとうございましたm(_ _)m((まAぁ*)//♪)

松本「難しいっすねぇ…。僕社会出てないっすからねぇ…(笑)」

-音楽を仕事であると割り切って考えたことは?

松本「ないっすねぇ…。うん。ただ言えることは、今の俺の音楽活動のフォーマットとは違うことをやろうとしたら、レコード買うために音楽聴くためにクラブに遊びに行くためのお金を作る方向にシフトしていると思いますね。実際そうしようと思っていましたし。当時そうしてましたし。実はデビューしようなんて全く思って無かったですから。洋一さんがデモテープをがんがん送っていた結果が今ですからね。だから、何か、好きな人を作るとか、子供作っちゃうとか(笑)。そうすればいんじゃないっすかね? 逃げられないし、働かなきゃいけなくなっちゃうしね。ていうか、この人まだ若いんですかね?」

-社会人2年目って言ってるので22-5歳とかなんじゃないですか?

松本「そうか…。ま俺がこの人の立場で、音楽が好きであるのならば、音楽を聴くために、ライブに行くために何でもいいから働くし、お金を作ると思います。やりがいとか考えないで、クビにならない程度にちゃんと仕事して働きますね。それで給料もらってって感じっすね。そうすればいいと思います。あと半年頑張ればある程度のお金入るだろうし、ね」

-楽曲を提供するとしたらどんなアーティストに提供しますか?また提供してもらうとしたらどのアーティストに提供してもらいますか?(SK.BOY)

GOING UNDER GROUND / 松本素生
松本「ん…。提供してもらうのは今思いつかないんですが、提供するのならば、自分以外だったら誰でもいいかなぁ。自分の曲を歌ってくれるなら誰でも。この前、松たか子さんに曲を書いて(提供楽曲「春風スクランブル」作詞作曲:松本素生、「イナーシア」作詞作曲:河野丈洋)唄ってもらったんですけど、自分の曲を違う人が唄ったときに違う感動が沸き起こってきて。それを一番感じれるのは創った自分じゃないですか。それがかなりの快感であると思いましたね。唄う人が男であろうが女であろうが、自分の創った曲を自分と違う人が、アレンジとかもして、歌を乗せてというのはいいっすね。松たか子さんの時は感動したなぁ…。最初にデモテープの状態で持ち込んで、スタジオでキー合わせとかがあって。その時に初めてお会いして。まだアレンジとか全然付いていない状態から始めて、そこから唄ってもらったときは滅茶苦茶嬉しかったです。あの時の音源は家宝になってます(笑)。そう考えると、やっぱ女性のほうがいいのかなぁ。ぐっと来ますからね」

-それではこれで「ASK THE ARTISTS」の質問を終了させて頂き、ここからは、ニューアルバム「おやすみモンスター」の話をお聞きしようかと。

松本「ういっす。アルバム、どうでした?」

-(HMV女性スタッフ)今までのアルバムのなかで一番よかったです。

松本「よっしゃぁ!来た!(笑) 嬉しいっすね。いやぁ。アルバム相当いいんですよ」

-(HMV女性スタッフ)一番最初にアルバムを聴いたときに、「愛のうた」で終わると思ったんですよ。でもその後に「胸いっぱい」が流れてきて。それが凄く良かったんですよ。

松本「そうそう。『愛のうた』で終わってしまうと綺麗過ぎるかな?って思ってたからね。ていうかね、次のアルバムいつ出すか?っていうことを今既に考えていて。曽我部恵一さんとかがそうじゃないですか? リリースペースが滅茶苦茶早くて。それがロックの形態としてすげぇカッコイイなって思っているんですよね。ぽんぽん出すっていうのが…。とはいいつつも『おやすみモンスター』自体が1年8ヶ月ぶりですからそんなこと言っている場合じゃないっすよね。こんなにブランクがあるバンドそうはいないですよね」

-でも、今回が稀で。今までのゴーイングのリリースペースっていうのは多作なほうだったんじゃないですか?

松本「そうですね。同じぐらいの活動歴をこなしているバンドの倍ぐらいは出してますね。それが良かったのか悪かったのかまだわからないんですけど。なんか創り続けることに意味があるというか。“いいものが出来たから、出す”っていうのは違うと思うんですよね。その“いいもの”っていう線引きは自分たちが決めちゃっているものだから。そういう線引きはファンの人に委ねたいと思っているし…。やはり曽我部さんみたいな活動に憧れちゃうんですよね」

-リリースもライブも尋常じゃないほどの数をこなしてますもんね。

松本「そうそう。聴き手としてアルバムを聴いて、“このアルバムいいのか?わるいのか?”って判断がつかないぐらいのタイミングでまたニューアルバムが出たりとかでね。そういうのが何か、追いつけない感じというのがいいなって。どんどん先に行くという。そういうのがかっこいいなって。それを『おやすみモンスター』を作り終えて感じましたね。今まではそんなこと思ってもいなかったですけど

-聞くところによると、今回のアルバムがリリースされるまでの長い期間の間にかなりしんどいことがメンバー間であったと…。

GOING UNDER GROUND / 松本素生
松本「“みんなやる気があるのか?”っていう疑問が出てきたんですよ。最初は地元の友達ではじめたバンドですから、ずっとやっていると、上下関係っていうとおかしいんですが、何か見えないパワーバランスみたいなのが出来上がってしまっていて。“ここは俺何も言わない”みたいな形が当たり前になり、仕事みたいな感覚になってきちゃって。そういうつもりでバンドやっているんじゃないのになぁって思って。そこでメンバーを前にしてガツンと言いましたね。“みんなやる気あるのか?”って。“やる気ないなら辞めていいよ”って…。6年近くコンスタントに活動していると当たり前になってきちゃうんですよね。作品創ってツアー出てっていうのが。そういうのがどうにも気持ち悪くなって来ちゃって」

-そのような結果に陥る前に何かしらの違和感に気づいたというのはあったんですか?

松本「これがね、全然気づかなかったんですよね。それだからこそ怖いなって思いましたね」

-では、それこそ“このままじゃまずい!”って思った最終的なきっかけは何?

松本「あの、何か幸せだったんですよね。満たされていたっていうか…。それに気づいてまずいって思ったんですよね。バンドやりながらそのように満たされていたりっていう場所に居続けるのはまずいなって。なのでそれを一度ぶっ壊そうかなって思ったんです…。それと長年の付き合いゆえの会話がなくなったというのもありますね。マリオカートとかやって楽しくやっているんですけど、肝心なことをお互い言えないというか。それに気づいて。原因はこれだなと思って…。それこそ今年の3月ぐらいまで物凄く迷走していたし。俺がバンド辞めようかなと思ったし。一人でやったほうが話が早いかなって思ったし。けど、俺の音楽の成り立ちが、音楽初めて聴いたときに既にバンドやってたから。12歳のときに。“音楽創る=バンド”みたいになっているので、一人でやるっていうビジョンも浮かばなくて…。だったらやっぱ、バンドの中でちゃんとケリつけてから逃げ出さなきゃと思って、みんなと志とかを含めて改めて話し合って。その結果、自分たちの本来の姿に戻れたというか…。ぶっちゃけ言うと、一度バンド壊れてますから(笑)。この1年8ヶ月の間に。ほんと。1回終わって始まってますね」

-なるほど。そういう通過点を乗り越えたからなんでしょうか。僕がこの「おやすみモンスター」を聴いたとき、デビュー当時の、もっと遡れば、インディーズの頃のゴーイングがもっていた空気感と同じようなものを感じたんですよ。

松本「別に無理矢理そういう風に持っていこうとは思っていなかったんですけどね。でも、曲を創っている時点で、もう僕たちの音楽を聴いてくれる人がいるという確信がどこか頭の隅っこにあるということに気づいたんですよ。まあ、そういう表現の仕方もあるとは思うんですけど。そういう考えで曲作りすることも。“あの人のために唄いたい”というような。“頑張っている人のために唄いたい”とか。でも俺たちはそういうバンドじゃなかったはずなのになぁって思えるようになって。まずは自分たちが唄いたいことが大前提としておっきくあって、それをやりたかっただけで始めたバンドなのに、いつの頃からか、なんか聴き手が自分の中にいる、みたいな…。そして気づいたら聴き手のことばっかり考えてしまって、そこに自分はいなくなってしまうみたいな…。そういうこともあったなぁって。だから“そういう考えは止めよう”ってなって。自分たちがやりたいことしかやらないという。したらこんなアルバムが出来ましたという感じですね。それこそ、インディーズの頃の感覚と似ていると言っていましたが、まさにそういう感じになったからなのかと思いますね」

-だとすると、そのような過程を通してさらにバンドとしてのモチベーションは今かなり高くなっている感じですか?

松本「もう、ギンギンっすね。男の子的に言うなら(笑)」

-ツアーも控えてますしね。

松本「そう、早くツアーやりたいんですよね。もう練習し飽きたって感じですよ。それと、ライブも前もって、“どういう風なライブにしようか?”とか考えるのを止めようと思って。8月の終わりから色々とイベントやったりとか、ライブやったりとかした時に気づいたんですけどね。チケット買ってきてくれているんだから楽しませてあげないとっていうこととかも、もう考えなくていいんじゃないかなって思えてきて。ただやりたいことを120%出し切っていいれば、それでいいんじゃないかなって。どこでMC入ってもいいんだろうし。なにを喋ったっていいんだろうしという。かといってユルいライブをやるっていうわけではなくてね。何か、すごく自然なあるべき姿でやるべきことやるというシンプルなスタイルにたどり着いたという感覚です」

-知らず知らずのうちに自分たちで作り上げてしまった「GOING UNDER GROUNDとはこうあるべきだ」というものが足枷になっていたと。

松本「そしてそこに自らはまってしまっていたという風潮はありましたね。うん。そういうのがヤダということで、やはり、『おやすみモンスター』を創るまでにバンドを1回壊して改めて始めたというのが強いっすね」

-それでは今後のゴーイングの活動の話も軽く。まずは、ツアーですね。「さかさまワールドツアー ダブルス」ですね。

松本「そうっすね。このツアーはメンバーが好きなバンドをリストアップしていって対バンを決めたという。だからサカナクションとか僕まだ知らないんですよ、実は。まあ、曽我部さんとは年に1回対バンしたかったので、僕が決めて。ORANGE RANGEは洋一さんが決めたんですけど、やっぱ、対バン形式を通して他には味わえない刺激が欲しいんですよね」

-インタビューありがとうございました!それでは最後に締めの言葉でファンのみなさんに一言お願いします!

松本「色々とご心配をおかけしたかと思いますが、僕たちは元気ですということで(笑)。元気で音楽やりたいなっていう感じです。ていうか、今、漏電気味ですね。色々なものが満タンになってきているので、早くツアーに出て、原始人みたいになってライブを演りたいなと思っていますので、是非よろしくお願いします!

-ありがとうございました!  

 

GOING UNDER GROUND / 松本素生


 質問募集の時点で告知していた「ASK THE ARTISTS」投稿者へのGOING UNDER GROUNDスペシャル・プレゼントとは……なんと!GOING UNDER GROUND 松本素生直筆サイン入りHMVトートバッグなのでした!
インタビュー後の彼、丁寧に、しっかりとサインを入れて頂きました!感謝!当選者は発送をもってかえさせて頂きます!

 

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