明るく官能的な声が魅力なルドルフ・ショック。
ドイツ語によるイタリア・オペラの記録
今日オペラは書かれた言語で歌われるのが通例ですが、20世紀前半は上演国語に翻訳され歌われることが当り前でした。ヴェルディやプッチーニもドイツ語訳で歌われていたことを証明する貴重な音源がボックスで登場します。
ルドルフ・ショック[1915-1986]はデュイスブルク生まれのテノール。1937年にデビューするものの兵役に就いていたため本格的な活動は戦後になってからですが、フルトヴェングラー、セル、ベームらと共演するかたわら、オペレッタやポピュラー・ソングまでレパートリーに持ち、テレビでもおなじみの存在となりました。
ショックは独特な陽性で官能的な美声を持ち人気を誇りましたが、ここではその芸風を存分に堪能することができます。貴重な音源も多数収録。グラインドル、メッテルニヒの歌唱も味わえます。
加えて絶頂期に家庭の不幸から公を退いた幻のソプラノ、カルラ・マルティニスのイタリア・オペラのアリア集で一枚構成。カラヤンが「世界でもっとも美しい声」と称えた伝説を伺うことができるのも嬉しい限りです。
全曲ドイツ語歌唱。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1-2
● ヴェルディ:歌劇『リゴレット』全曲
マントヴァ公爵:ルドルフ・ショック(テノール)
リゴレット:ヨーゼフ・メッテルニッヒ(バリトン)
ジルダ:リタ・シュトライヒ(ソプラノ)
スパラフチーレ:フリッツ・ホッペ(バス)、他
RIAS室内合唱団
ベルリンRIAS 交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
録音:1950年9月20-30日/ベルリン(モノラル)
Disc3-4
● ヴェルディ:歌劇『運命の力』全曲
カラトラーヴァ侯爵:ジークムント・ロート(バス)
ドンナ・レオノーラ:カルラ・マルティニス(ソプラノ)
ドン・カルロ:ヨーゼフ・メッテルニッヒ(バリトン)
ドン・アルヴァーロ:ルドルフ・ショック(テノール)、他
北ドイツ放送交響楽団、合唱団
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
録音:1952年11月26日〜12月2日/ハンブルク(モノラル)
Disc5
● ヴェルディ:『運命の力』より
1. 第2幕:聖なる御名において/天使の御母が
2. 第3幕:生きることは地獄/卑怯者!/武器を!/眠らせてくれ/死! 怖い/ラタプラン
3. 第4幕:無駄だったな、アルヴァーロ!
ドンナ・レオノーラ:ヒルデガルト・ヒレブレヒト(ソプラノ)
ドン・カルロ:トーマス・ティプトン(バリトン)
ドン・アルヴァーロ:ルドルフ・ショック(テノール)、他
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、合唱団
ヴィルヘルム・シュヒター(指揮:1)
ハインリヒ・ホルライザー(指揮:2,3)
録音:1963年/ベルリン(ステレオ)
● ヴェルディ:『運命の力』より
4. 第2幕 修道院の場:やっと着いた!/あなたは誰?/誰が私を探しているの?/聖なる御名において/天使の御母が
ドンナ・レオノーラ:アンネリース・クッパー(ソプラノ)
グァルディアーノ神父:ヨーゼフ・グラインドル(バス)
メリトーネ:グスタフ・ナイトリンガー(バリトン)
シュトゥットガルト州立歌劇場管弦楽団&合唱団
フェルディナント・ライトナー(指揮)
録音:1954年頃(モノラル)
Disc6-7
● プッチーニ:歌劇『トスカ』全曲
トスカ:カルラ・マルティニス(ソプラノ)
カヴァラドッシ:ルドルフ・ショック(テノール)
スカルピア男爵:ヨーゼフ・メッテルニッヒ(バリトン)、他
北ドイツ放送交響楽団&合唱団
ヴィルヘルム・シュヒター(指揮)
録音:1953年4月11-13日/ハンブルク(モノラル)
Disc8
● カルラ・マルティネス/イタリア・オペラ・アリア集
1. ヴェルディ:「アイーダ」〜勝ちて帰れ
2. プッチーニ:「ボエーム」〜私の名はミミ
3. ヴェルディ:「運命の力」〜神よ平和を与えたまえ
4. プッチーニ:「マノン・レスコー」〜この柔らかなレースの中で
5. プッチーニ:「トスカ」〜歌に生き恋に生き
6. ヴェルディ:「ドン・カルロ」〜世のむなしさを知る神
7. マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」〜ママも知るとおり
8. プッチーニ:「蝶々夫人」〜ある晴れた日に
9. プッチーニ:「蝶々夫人」〜名誉のために死なん
10. ヴェルディ:「オテロ」〜私の母は可哀想
11. ヴェルディ:「オテロ」〜アヴェ・マリア
カルラ・マルティニス(ソプラノ)
ジークリンデ・ワーグナー(アルト:10)
ヴィルヘルム・シュヒター指揮、ベルリン国立歌劇場管弦楽団(1-9)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィル(10,11)
録音:1956年5月12-14日/ベルリン、ヴィンターガーテン(モノラル:1-9)、1951年8月7日/ザルツブルク祝祭劇場(モノラル・ライヴ:10,11)
Disc9-10
● ドニゼッティ:歌劇『愛の妙薬』全曲
アディーナ:スティーナ=ブリッタ・メランダー(ソプラノ)
ネモリーノ:ルドルフ・ショック(テノール)
ベルコーレ:ローター・オステンブルク(バリトン)、他
ベルリン室内合唱団
ベルリン交響楽団
エルンスト・メルツェンドルファー(指揮)
録音:1962年/ベルリン(ステレオ)
Disc11
● マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』全曲
サントゥッツァ:ヒルデガルト・ヒレブレヒト(ソプラノ)
トゥリッドゥ:ルドルフ・ショック(テノール)
ルチア:アリス・エルケ(コントラルト)、他
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、合唱団
ハインリヒ・ホルライザー(指揮)
録音:1963年/ベルリン(ステレオ)