ピエルロ率いるリチェルカール・コンソートによる
ステュアート朝時代の絶美のヴィオール音楽集
フィリップ・ピエルロ率いるヴィオール・アンサンブルによる新譜は英国ステュアート朝(14世紀後半〜18世紀初頭)の時代に生み出されたヴィオール音楽。深々と息長く続くポリフィニーが特徴的で、これは音楽でも社会でも、協調と調和が理想とされていたことを物語っていると同時に、宗教や政治の混乱がもたらす無秩序や不安(distrracted tymes=混沌とした時代)の混乱をせめて音楽で鎮めようとしているようでもあります。こうした音楽の力が、現代を生きる私たちにも大いなる慰めとなることを実感する、ひんやりしっとりとなめらかな音の質感の美しさに思わず息をのむ演奏と録音です。
「探す、探求」をモットーに1980年代に設立されたリチェルカール・コンソートは、1988年より音楽監督フィリップ・ピエルロによって率いられています。特に宗教作品では編成を大きくして演奏、ほか室内楽(とくにヴィオール・アンサンブル)なども演奏。現代作曲家へのヴィオール作品の委嘱も行っています。フィリップ・ピエルロはリエージュに生まれ、ギターとリュートを独学で学んだ後、ヴィオラ・ダ・ガンバに転向。ヴィーラント・クイケンに師事。室内楽(器楽演奏)と指揮を活動の両輪に置くほか、マラン・マレのセメレや、バッハのマルコ受難曲など作品の校訂や改訂も行っています。ジョルディ・サヴァールやエスペリオンXXIとも共演を重ねています、2015年秋よりヴィオラ・ダ・ガンバの国際セミナーも行っています。ブリュッセル王立音楽院教授。(輸入元情報)
【収録情報】
01. トマス・トムキンズ[1572-1656]:この混沌とした時代のための悲しみのパヴァン
02. チャールズ・コールマン[1605-1664]:ファンタジア第1番
03. ウィリアム・ロウズ[1602-1645]:第2のファンタジア
04. ロウズ:第1のパヴァーヌ
05. ロウズ:アルマーニュ
06. ジョン・ブル[1562-1628]:ファンタジア第37番
07. ジョン・ウォード[1571-1638]:ファンタジア第2番『La Rondinella』
08. コールマン:ファンタジア第2番
09. トーマス・ブリューワー[1611-1669]:ファンタジア第4番
10. ロウズ:コンソート・セット第6番(6つのヴォオールのための)
11. ジョン・ブル:ファンタジア108番
12. ロウズ:ファンタジー第1番
13. ロウズ:Serabrand
14. ロウズ:Humour
15. コールマン:ファンタジア第3番
16. ロウズ:コンソート・セット第10番(6つのヴィオールのための)
フィリップ・ピエルロ(トレブル=ソプラノ・ヴィオール、リラ・ヴィオール)
ルシール・ブーランジェ(トレブル・ヴィオール、リラ・ヴィオール)
ミリアム・リニョル(テナー・ヴィオール、リラ・ヴィオール)
アンナ・ラシュギ(テナー・ヴィオール)
クレメンス・シルツ、マティアス・フェレ(バス・ヴィオール)
モード・グラットン(オルガン)
録音時期:2021年6月
録音方式:ステレオ(デジタル)