このアルバムは、ヘムシングがインスピレーションを受けた選りすぐりのバッハ20作品それぞれの特徴を膨らませ、遊び心を混ぜ込んだアルバムとなっています。編曲家ティム・アルホフ、ヤン・ペーター・クロプフェル、ヤルッコ・リーヒマキは、各作品に新たな色彩を吹き込み、バッハお馴染みの名作を新たに構築しました。このプロジェクトの核となるのは、バッハの音楽を決して損なうことなく、拡張、再考、再構築するという共通の芸術哲学です。本作の編曲家たちは、作品の根底に流れる享楽性はそのままに、バッハならではの快活で耳に心地よい旋律や和声の魅力をたっぷりと堪能させてくれるのです
バッハの「パルティータ第3番」の気まぐれな輝きから、「ブランデンブルク協奏曲」の深く感情的な再解釈まで、原曲への深い敬意を保ちつつ、バッハならではのメロディーに新たな生命を吹き込み、新しい感情の次元を開きます。アレンジによっては斬新な和声を導入し、また別のアレンジでは全く新しい楽器編成が試みられています。「8つの小前奏曲とフーガ」のプレリュードの緻密でメロディックな演奏は、技巧的なソロヴァイオリンと弦楽オーケストラの演奏へとシームレスに移行し、魅惑的な音楽体験を生み出します。「G線上のアリア」はイタリア協奏曲の優雅さを取り入れ、「マタイ受難曲」の「哀れみ給え、我が神よ」では落ち着いた雰囲気のインストゥルメンタルバラードとして再解釈されています。これらの独創的なアレンジは、バッハ音楽の適応性と時代を超越した魅力を際立たせ、音楽の色彩が織りなす様々な変化を生み出しています。
「バッハはまさに天才的な作曲家でした」と、エルドビョルク・ヘムシングは語ります。「彼の作品を構成する形や様式には無限の解釈があります。バッハが作曲したすべてのメロディーには、深く感情的でありながらも高度な技術で構成されている、という興味深い二面性があります。だからこそ、再解釈の可能性が無限にあるのです」
『カラーズ・オブ・バッハ』は、彼の揺るぎない音楽性へのオマージュであり、聴き手を遊び心あふれる探求の旅へと誘います。鮮やかなうねりと叙情的な解放を伴うイメージの絶え間ない変化を通して、それぞれの作品が本来の形を取り戻し、そして新たな色彩を帯びていきます。
さらにこのアルバムは、喜び、希望、そして遊び心に満ちています。エルドビョルクは「私たちは、聴き手が歴史の重要な瞬間と再び繋がる機会を作りたかったのです」と語ります。「そしておそらく、その音楽体験で自身の解釈を発見することになるかもしれません」
このアルバムで最もエモーショナルな編曲の一つが「G線上のアリア」です。別れのイメージが強いこの曲は、エルドビョルクにとって非常に特別な意味を持っています。エルドビョルク曰く、「この曲は私がこれまで演奏してきた中で最も重要な曲の一つです。父の葬儀で演奏した曲で、いつも父を失った悲しみと重ねて考えていました。でも、私は父をそんな風に思い出したくありません。音楽には、私たちとの感情的な繋がりを決定づけるほどの力があるのです。ですから、この曲に新たな視点を与えることで、音楽とどう繋がりたいかを決める機会を得たのです。そして、それがまさにこのアルバムの精神なのです」。
『カラーズ・オブ・バッハ』は、時代を超えた作品との繋がりを新たに提供することで、バッハの作品を過去から現代へと蘇らせます。このアルバムは、魂のこもった編曲により喜びに満ちた驚きを、バッハの音楽に秘められた無限の色彩を発見する機会を与えてくれます。
A1. 『パルティータ』変奏曲(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV 1006 T.プレリュード)
A2. 「慈しみもてわれらを死なせ」の主題による変奏曲 (「イエス十二弟子を召し寄せて」BWV 22 第5番 「慈しみもてわれらを死なせ」)
A3. アヴェ・マリア変奏曲 (平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV 846 第1番 プレリュード)
A4. 『メヌエット ト長調』変奏曲 (アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳 BWV Anh.116 第7番メヌエット ト長調)
A5. 『ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調』変奏曲 (ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV 1041 U.アンダンテ)
A6. メランコリー変奏曲 (ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ト短調 BWV1060R V.アレグロ)
A7. 『心と口と行いと命もて』変奏曲 (「心と口と行いと命もて」 BWV 147 第5番「主よ人の喜びの望みよ」)
A8. G線上のアリア変奏曲 (管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV 1068 第2曲 「G線上のアリア」よりエール)
A9. ブランデンブルグ協奏曲の再訪ブランデンブルグ協奏曲 第1番 ヘ長調 BWV 1046 T.アレグロ)
B1. 「まぶねのかたわらに立ちて」 BWV469
B2. ゴールドベルク・アリア変奏曲 (ゴールドベルク変奏曲 BWV988 アリア)
B3. 『プレリュード ハ長調』変奏曲 (8つの小前奏曲とフーガ BWV553 第1曲 プレリュード ハ長調)
B4. 『たしかにその時機だ』変奏曲 (「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」より「たしかにその時機だ」 BWV734 )
B5. 『インヴェンション へ長調』変奏曲 (インヴェンション 第8番 へ長調 BWV779)
B6. オルガン・ソナタ変奏曲 (オルガン・ソナタ 第4番 ホ短調 BWV 528 U.アンダンテ)
B7. 『汝の行くべき道と』変奏曲 (マタイ受難曲 BWV244 第53曲 「汝の行くべき道と」)
B8. 『哀れみ給え、我が神よ』変奏曲 (マタイ受難曲 BWV 第47曲 「哀れみ給え、我が神よ」)
B9. 『われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ』変奏曲 (「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」 BWV639)
B10. 『協奏曲 ニ短調』変奏曲 (協奏曲 ニ短調 BWV974 V.プレスト)
B11. コラール・アリア変奏曲 (「いざ、罪に抗すべし」BWV54 T.アリア)
(メーカーインフォメーションより)