２つのセッションを無理やり１枚のアルバムに仕立て上げた現在ではありえない当時ならではのアルバムであるが、それがこのアルバムの一番の魅力だ。意図があってしたのかどうかわからないが(いや、たぶん無いだろう・・)、奇数曲のバラード、偶数曲のアップテンポと交互に並んでいる構成が、１曲１曲の魅力を倍増させていることは間違いない。確かに一番最初に買うマイルズのアルバムとして推薦されるべきではないだろう。しかし、トニーのドラムを聴くために購入を考えているのならば、いわゆるニュークインテットより、こちらをお勧めしたい（ショーターが嫌いなわけじゃないよ)

なぜこんな中途半端な商品を・・・。アガルタ、パンゲアが入っていないのはもってのほか。ネフェルティの双子のソーサラーも入っていないとは・・・。あいかわらずのコロンビア商法にうんざり。

本作の評価について「菊地成孔」氏のジャズ講座での言を要約すると、「あらゆる意味で怪物的」「いまだに全世界で年間40万枚以上売れ続けているとされる、セール的に最も高い作品」「近い将来にはモダンジャズの代名詞となるだろう」「夜の都会の音楽の究極の形」「モードジャズへの変革を実現」「無重力または夢、浮遊した感覚に基づくクールな透明感」「マイルス美学の極点」ということになる…。まだ本作を知らない方は、急いで体験した方がいい。でなければ、ＪＡＺＺに関わることを即刻、止めるべきだよ（断言）。

カムバック後のマイルス！やる気が、みなぎっている！頑張れマイルス！

1961年サンフランシスコ「ブラックホーク」のライブ。共演者はピアノがウイントン・ケリー、テナーサックスがハンク・モブリー、ベースがポール・チェンバース、ドラムがジミー・コブ。多くの資料では、この日のマイルスは不満があったという記述が多い。著名な天才芸術家同様、マイルスにとって100％満足などありえないのだろう。とはいえ絶好調のウイントン・ケリーに触発されてか、いつものナンバーをこれ程見事に上質なライブとして完成させている。このアルバムに限ってはライブを楽しんでいる帝王マイルスが浮かび上がってくるのだが。

今現在の気分としてＣＤを単品で購入するのが億劫になってきている。特に名盤の評価が確立しているものはリマスターやら紙ジャケやらと手を変え品を変え出てくるので収録内容や音質などにバラつきが出てしまいコレクションする意義を見出しにくくなってしまう。で結局こうした高額だけど一括してコレクションが完結できるＢＯＸを買ってしまうのですね。これさえ持っていれば、という安心感は精神衛生上非常に良いです。ＣＤ不況の現在、売り手にも買い手にも望まれているのはコレしかないと思います。他アーティストもどんどんコンプリートＢＯＸ化して欲しい。

EU経由の得体の知れない、このレーベルに、モノラル録音の正規オリジナルマスターが存在する筈などなく、このCDの1枚目に収録されている ”Mono Version” は、LPレコードから復刻したものと思われる。 ※それが証拠に、ヘッドホーンで試聴すると、スクラッチノイズが散見される… ま、それはともかく、モノラル音源で聴くと、 ステレオ音源時のようなリヴァーヴを効かした”寂寥感”が後退、 ペットとサックス以外は、モコモコと篭ったような音ではあるが、 各種楽器が一団となって、聴き手である俺の脳髄を不気味に直撃する。 要するに、縦一列に並んだ6人の演奏を真正面から鑑賞しているような感覚だ。 先頭は当然マイルス。 以下、コルトレーン、キャノンボール、エヴァンス、チェンバース、コブといった具合に。 何と言っても、超格安の値段で、今迄経験したことも無い、 異次元の”Kind Of Blue”と遭遇出来たのだから、NOTNOW様に感謝ですわ。 ※尚、2枚目のCDには ”Stereo Version” が収録されている。 こちらは、LP起こしではなく、普通に流通している、綺麗なステレオ音源だ。

こんなに綺麗な映像が残っていたとは驚きです。 しかも、音がモントリオール20ＣＤ・ＢＯＸよりも良いです！ミックスも異なるので立体感と臨場感が出ています。 しかも、動くマイルスは本当に貴重です。ＣＤでは分からなかった謎が全て理解出来ました。 ある時は、ケニー・ギャレットを挑発したり、無理矢理ステージの中央に彼を引っ張って行き、もっと目立てと言ったりするのだが、ケニーは戸惑ってしまい、マイルスにどう絡んでよいか分からずに、ただ立ちすくむ様子や、ステージ中央に引っ張って来たにもかかわらず、彼を置き去りにして、今度はフォーリーに絡んで演奏したり、それだけでも面白いです。 マイルスは、そうやってメンバー全員の力を引き出して行きます。 そして、演奏内容は曲が進むにつれて最高潮に達します。 本当に買って良かったです！ マイルス初心者の方にも、おすすめ出来る内容だと思いました。

特にディスク２が良かったです！

コロンビア時代のマイルスの代表作２０作セットのボックス。一枚あたり３５０円は超お買い得。これからマイルスを聞こうという人には入門編としてお薦め。自分の場合昔アナログで聞いていてＣＤでまだきいてみたくて購入したわけだが、結局はまたマイルスの世界にはまってしまった。　ここに収録された２０作が必ずしもBest20ではない。　Milestones, Four ＆ More, Sorcerer, Get Up With It, Agharta, Pangaea 等、重要アイテムが漏れているところが憎い。結局自分はこれらを別に買ってしまった。ついでにPrestige時代まで遡って、どっぷりとマイルスの世界に浸ってます。