ジョルジェスク&チェコ・フィルのスプラフォン全録音集
【レーベルより】
「弊社では、ルーマニア・エレクトレコードの原盤による巨匠ジョルジュ・ジョルジェスク[1887-1964]の名演を数々復刻してまいりました。それらの出版に何くれとなく助言をいただいたのが、ジョルジェスク氏のご息女、イオアナさんです。彼女から「亡父の最も音質の良い演奏」として、スプラフォンへのチェコ・フィルとのスタジオ録音の復刻の提案をいただきました。この度キング・インターナショナル様の無私のご協力を得まして、スプラフォンのマスターテープを用いての全世界初復刻が没後50周年に登場します。再生、マスタリングは、キング関口台スタジオの至宝、須賀孝男氏が担当し万全の布陣を取りました。かつてのDANTE/LYSはLPからの劣悪な復刻であったために、クオリティの差は歴然です。チェコ・フィルにとっては、戦後の混乱を克服しての絶頂期の幕開きの時代で(ターリヒの『我が祖国』もこの時期の録音)、アンサンブルの充実にも見るべきものがあります。
ジョルジェスクはチェコ・フィルと馴染みが深く、「プラハの春」にも度々出演、相性の良さも抜群です。演奏は折紙付きの名演で、ベートーヴェンの第7番のキビキビしたリズム感は心地良いものです。『死と変容(浄化)』は、シュトラウスとは同時代で親交も深く、フルトヴェングラーよりシュトラウス自身の表現に似たスタイリッシュなものです。ジョルジェスクが高く評価し今なお現役で活躍するルーマニアの名手ヴァレンティン・ゲオルギュー[1928-]との楷書の味わいのリスト、ラフマニノフも傾聴に値するものです。」(東武レコーディングズ)
【収録情報】
1. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92
2. リヒャルト・シュトラウス:交響詩『死と浄化』 Op.24
3. リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124, R.455
4. ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲 Op.43
ヴァレンティン・ゲオルギュー(ピアノ:3,4)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ジョルジュ・ジョルジェスク(指揮)
録音時期:1952年(1,4)、1953年(2,3)
録音方式:モノラル(セッション)
最も特徴的なのはベートーヴェン。こんなに柔らかく押しつけがましさのない演奏は希有。当時のオーケストラのローカル色もまた楽しい。ほかの曲も端正で美しく、ピアニストもたいへんに音楽的なソロを展開。聴いていて、とても心がほっこりする演奏だった。(白)(CDジャーナル データベースより)