若きピアノ・トリオの意欲的デビュー・アルバム
2016年、パリ国立高等音楽院の学生によって結成されたトリオ・パントゥム。初めて集まって初見で弾いた曲がラヴェルのピアノ三重奏曲第2楽章「パントゥム」だったことが名前の由来という彼らは、各地の名高い国際コンクールに積極的に参加、2023年だけでウィーン、リヨン、ミュンヘン、そして大阪など6つのコンクールに出場し、栄えある賞に輝いています。
そのデビュー・アルバムの軸にラヴェル[1875-1937]を据えるのは当然の成り行きであったといいますが、彼らはひとつの美学にとらわれることなく、好奇心に導かれるままに、対照的で多彩なレパートリーを探求することを目指しました。そのためここには彼らの最も愛する作品に加え、ロシアのロマン派アレンスキー[1861-1906]の佳作、そしてチェコ音楽界新進気鋭のミロスラフ・スルンカ[1975-]によるSNSを題材とした作品を組み合わせ、それぞれの影響を明らかにしています。その演奏はリリカルで瑞々しくダイナミックですが、単に若々しいだけでなく、どの作品にも思慮深く誠実に対峙しているのがよく表れた、たいへん美しく好感の持てるものとなっています。
ピアノを担当する岡田浩二朗は1999年ボルドー生まれ。ベルギーやスペインで開催されたコンクールに度々入賞するなど、ソロでも実績を重ねてきた期待の新鋭です。(輸入元情報)
【収録情報】
● ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調 M67
● アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 Op.32
● スルンカ:絵文字、いいね、着メロ
トリオ・パントゥム
ユーゴー・メデール(ヴァイオリン)
パク・ボグン(チェロ)
岡田浩二朗(ピアノ)
録音時期:2024年10月22-25日
録音場所:フランス、シテ・ド・ラ・ミュジーク・エ・ド・ラ・ダンス・ド・ソワソン
録音方式:ステレオ(デジタル)
日本語解説付き