名手フランチェスコ・コルティが再現する、バッハ一家の音楽の夕べ
アムステルダムでボブ・ファン・アスペレンに師事し、マルク・ミンコフスキのルーヴル宮音楽隊などで活躍、日本を含む世界各地でリサイタルを行い、ソリスト、指揮者としても活動するほか、バーゼル・スコラ・カントルムで教鞭も取るフランチェスコ・コルティ。ここで聴かせてくれるのは「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」「メラー手稿譜」「アンドレアス・バッハ写本」など、ヨハン・セバスティアン・バッハが関わった手稿譜に含まれるものを中心に収録した内容で、バッハ一家はおそらく、このようなプログラムで音楽を楽しんでいたのではないか、という再現となっています。
各作品はそれぞれの手稿譜のオリジナルや、BWV.998では東京の上野学園に保存されている自筆譜コピーなど、バッハ一家の資料として出来る限りの原本をあたって検証されています。結果、フランス組曲第4番には異稿版に添えられた前奏曲を加え、偽作の疑いのあるメヌエットが省かれました。また、バッハ自身のカプリッチョに大きな影響を与えたと言われるクーナウの『聖書ソナタ』の一部も収録され、こちらは1700年にライプツィヒで出版された一番最初の出版譜に拠っています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. J.S.バッハ:フランス組曲第4番変ホ長調、異稿 BWV.815a〜前奏曲
2. J.S.バッハ:フランス組曲第4番変ホ長調 BWV.815(アルマンド/クーラント/サラバンド/ガヴォット/エール/ジーグ)
3. クーナウ:聖書の物語の音楽的描写『聖書ソナタ』第4番『瀕死のヒゼキア王とその回復』(死の予告に嘆くヒゼキア王と、彼の熱心な祈り/その祈りを神が聞きとどけた/健康を回復した喜び)
4. ハッセ:ポロネーズ ト長調 (BWV.Anh.130)
5. G.ベーム:前奏曲、フーガと後奏曲 ト短調
6. J.S.バッハ: 前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998
7. F.クープラン:ロンドー 変ロ長調(BWV.Anh.183)(クラヴサン曲集 第2巻、第6オルドル『牧歌』)
8. テレマン:序曲(組曲)変ホ長調(TWV.55:Es4 による)より(序曲/メヌエット I - II/ルール/ブーレー I - II/アリア/パスピエ I - II)
9. J.S.バッハ:カプリッチョ 変ロ長調『最愛の兄の旅立ちに』 BWV.992
10. J.S.バッハ:ただ愛する神の摂理にまかす者 BWV.691
フランチェスコ・コルティ(チェンバロ)
使用楽器:ハノーファーのクリスティアン・ファーター1738年製(ニュルンベルク、ゲルマン国立博物館所蔵)にもとづき、ミラノのアンドレア・レステッリが1998年に複製した楽器
録音時期:2019年5月13-15日
録音場所:クレモナ、クレマ、ジャルディーノ音楽ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)