指紋と近代 移動する身体の管理と統治の技法

高野麻子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622079675
ISBN 10 : 4622079674
フォーマット
出版社
発行年月
2016年02月
日本
追加情報
:
20

内容詳細

指紋法が使用される背景には、共通して、放浪生活を営む人びと、偽名を使って移動を繰り返す犯罪者、国境を越えて往来する移民がいた。指紋法は移動する人びとを、国家や植民地統治者が把握・管理可能な状態に置くための統治の技法だった。なぜ指先の紋様なのか。近代的統治の課題とは何だったのか。イギリス帝国から日本帝国、さらにグローバル化時代へと続く、生体認証技術の歴史的変遷を描く。

目次 : 序章 指紋をめぐる問い/ 第1章 「指紋法」誕生の軌跡―イギリス帝国のネットワークと移動する身体という「課題」/ 第2章 指紋法の伝播―イギリス帝国から日本帝国へ/ 第3章 満洲国の理想と現実―建国当初の指紋登録をめぐる動き/ 第4章 労働者指紋登録の開始―労働者移動と格闘する時代へ/ 第5章 労働者管理から国民登録へ―国民手帳法という結末の意味/ 第6章 警察制度改革と拡大する指紋―警察指紋・国民指紋法・県民指紋登録/ 第7章 戦後日本の再編と指紋―戸籍法・住民登録法・外国人登録法/ 終章 生体認証技術の現在を考えるために

【著者紹介】
高野麻子 : 1981年、東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻修士課程修了。同博士課程単位取得退学。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、明治薬科大学薬学部講師。専門は歴史社会学、移動研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Mealla0v0 さん

    生体認証の走りである指紋には「万人不同」「終生不変」という特徴がある。これが身体を標的としてアイデンティフィケーションを可能にする。とりわけ、定住しているのではなく移動している身体のそれを。国民国家は領土内の全住民――外国人も含む――を正確に把握しようとした。それが近代的統治の理想像なのだと言う。犯罪捜査に始まり、労働者の管理から、満州における国民の管理への願望、戦後日本における警察による指紋の収集、外国人指紋押捺問題と、指紋を統治の技法とする在り方は続いている。終章では現代的視角を供してくれる。

  • takao さん

    ふむ

  • wasabi さん

    警察の鑑識捜査といえば、小説でもテレビドラマでも指紋採取シーンが浮かぶ。今でも指紋は重要な科学的証拠だけど、DNA鑑定や顔認証の生体認証が行われ、いつしか影が薄くなった。その歴史を知ると、イギリスの植民地インドでの部族管理に始まり、日本の満州での身勝手な中国人労働者管理、さらに国民指紋法や外国人登録法の統治問題が見えてくる。コンピュータなくして指紋を管理・照合する困難さも知る。今や個人情報の意識がどうのと言いつつ、街じゅう監視カメラだし、GoogleアカウントやらiCloudやらを使いまくってんだからね。

  • 志村真幸 さん

     指紋を通した身体の統治について、その発祥から語りおこし、満州、愛知、外国人登録法と詳細に分析していった研究書だ。  近現代の日本がメインで、とくに満州での事例が詳しい。満州では日本人を「満州国民」とすることが不可能だったため、国籍/国民について法律上の定義を設けることができなかった。いっぽうで、無数の出稼ぎ中国人労働者たちがいたため、労働力の管理に指紋を使うことが模索された。  しかし、ひとびとは移動してしまうため、そう簡単にはいかない。そのあたりのせめぎあいが見事に描き出され、ダイナミックだった。

  • 読書家さん2da#6186 さん

    ただただ指紋認証の歴史を振り返るだけ

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高野麻子

1981年、東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻修士課程修了。同博士課程単位取得退学。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、明治薬科大学薬学部講師。専門は歴史社会学、移動研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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