尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故 小学館文庫

門田隆将

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784094087536
ISBN 10 : 4094087532
フォーマット
出版社
発行年月
2012年09月
日本
追加情報
:
297p 15cm(A6)

内容詳細

1985年8月12日。あの日航機事故から四半世紀が経つ。男たちが語るにはそれだけの「時間」が必要だった―。群馬県・藤岡市。変わり果てた家族と対面した体育館で遺族は茫然とし、うろたえ、絶望した。息子たちはそれでも目を背けたくなるような肉塊と向き合った。時は流れ、やがて、彼らも自身も父親になった。愛する者を突然亡くした体験を家族たちはどう乗り越えたのか。ノンフィクション作家・門田隆将が日航機事故で父を失った息子たちを訪ね、描き出した遺族たちの不屈の物語。

目次 : 第1章 戦士は戻りぬ(二十五年ぶりの尾根/ 大学中退の異色の自衛隊員 ほか)/ 第2章 「ふつう」が幸せ(夜の暗さが耐えられない少年/ 運命のいたずら ほか)/ 第3章 遺書の重荷(キャンプから消えた父/ 重なり合った小さな偶然 ほか)/ 第4章 父が残した機内写真(写し出された乗客のうしろ姿/ “反抗期”が救った命 ほか)/ 第5章 検視する側にまわつて(城崎と共に生きた父/ 満洲からの帰還 ほか)

【著者紹介】
門田隆将 : 1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広い分野で活躍している。『この命、義に捧ぐ台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』で第十九回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • miww さん

    日航機事故から25年を経て、あの日突然家族を失い遺族となった息子たちが語る真実。辛くて途中で何度も本を閉じた。困難を極めた遺体の確認、遺族でありながら検死作業を続けた歯科医。遺された家族の葛藤が重く、再生までの歳月は人の強さを感じた。事故で母と妹を失い間接的に父をも失ってひとりぼっちになった少年は、今自分の家族を持ちふつうの幸せをかみしめる。「些細な日常生活のひとこまが『幸せ』‥ふつうに家族が一緒にいられることが、いちばん『幸せ』」彼の言葉が沁みる。

  • nyaoko さん

    1985年日航機事故。覚えています。速報のテロップも、突然の特別番組も、救出作業も全部見ていました。当時12歳の自分にも衝撃的な事故でした。この本はこれまで、声をあげなかった男性被害者遺族を取材したものです。それでも、やっぱり私には上手く感想がかけません。ばらばらになった人の一部を見て「お父さんだ」と確認した遺族の姿を想像しては号泣。自らも遺族であるのに検視作業に加わった歯科医、事故で母と妹を失い、その後父も亡くした少年、全て号泣です。そして、彼等が長い年月をかけて再生していく様にもまた涙が溢れました。

  • アッキ@道央民 さん

    忘れもしない32年前の夏にニュースで見た乗客乗員520人の尊い命が失われた日航機墜落事故。あの悲惨な事故の記憶を風化させてはならないとの思いで今年手に取った1冊。救助に入った自衛隊員、一家の大黒柱でもある父親を突然失う事になった家族、遺族でありながらも過酷な検視作業に携わった歯科医のお話しなど、読んでいると自分自身もあの時のあの日にタイムスリップしたかのような感覚を覚える。読んでいて辛くなる場面もあるが、悲しみのどん底から周囲の支えを受けながらも立ち上がろうとする家族の姿には心うたれる。つい先日も全日空の

  • ころこ さん

    日航機123便の残された家族の証言。本書は『風にそよぐ墓標』で単行本として出版された文庫化だ。単行本は第1章と同一のタイトルになっていたが、この第1章が文庫化では削除されている。タイトルにもしていたのだから、著者としても自信を持っていただろう。出版された後に証言者からクレームが付き、文庫化の許可が下りなかったと推測できる。他にも家族がマスコミだった第3章が収録されていない。問題の性質上、センシティブなことは致し方ない。本書の特徴は2つある。ひとつは事故後の遺族の証言は女性が多かったそうだが、あえて少数の男

  • ねこまんま さん

    当時をリアルタイムで知る身としては胸が痛い。スマホがない時代なので情報は報道のみでTVも新聞も事故報道一色だったのを良く覚えている。父と息子のその当時と、それからの人生を追った記録だが、遺族がよく取材に応じたと思う。逆に、応じなかった方や、現在も前向きな気持ちになれなかったり、事故がきっかけでさらに不幸な境遇に今もある方もおられるかもしれない。現場と遺体収容場所の体育館の様子が凄まじい。

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門田隆将

作家、ジャーナリスト。1958(昭和33)年高知県安芸市生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社に入社。『週刊新潮』編集部に配属、記者、デスク、次長、副部長を経て、2008年4月に独立。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞(本データはこの

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