定本 見田宗介著作集 5 現代化日本の精神構造

見田宗介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000284851
ISBN 10 : 4000284851
フォーマット
出版社
発行年月
2012年03月
日本
追加情報
:
405p 19cm(B6)

内容詳細

未曾有の高度経済成長を経て、日本人はどのように変わったのか。日本を代表する社会学者の仕事の全貌を示す、初にして待望の決定版著作集。「見田社会学」と称される独自の世界を創造した著者が、自身の全仕事を振り返り、重要な作品だけを精選してその精髄を体系的に示す。テクストに改訂を加え、各巻に「定本解題」を収録する。

目次 : 現代における不幸の諸類型/ ベストセラーの戦後日本史/ 貧困の中の繁栄―泰平ムードの内面構造/ ホワイトカラーの分解と意識/ 限界エリートの欲望と不安―新スペシャリストの人生設計/ 現代欲望論―幸福の背理/ テレビドラマの二律背反/ 世代形成の二層構造/ 現代青年の意識の変貌/ 二〇世紀末思想地図―論壇時評 一九八五/八六

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Shin さん

    前半の「身の上相談」の分析はその着眼点が面白い。世相の反映された不幸と人間が原罪として持たざるを得ない不幸。個人の疎外と社会のほころび。不易流行との終わりなきダイナミックな知的格闘が社会学の醍醐味なのだと思わされる。後半の『論壇時評』集は難しいテーマも多いが25年以上前の評論とは思えないほどアクチュアルで刺激的。本質をついた批評の超時代性の凄みを味わえる。ひとつ読むごとにひとつ賢くなったような気になるけど、人の思考を借用するだけでは本当の批判力は付かないのは百も承知。もっと勉強して、もっと深く思考せねば。

  • 鵐窟庵 さん

    日本を代表する社会学者による各論考。現代日本の様々な人々の不幸の類型と構造から始まり、人生観、ベストセラーの戦後史、日常性と「革命」の意識調査、労働体制、貧困問題、世代イメージ、戦後体験、死者との対話など多岐に渡るテーマ。最後に社会学の分析方法が詳しく述べられており、日本の社会学の基礎を成している。不幸の類型と構造は一見、世俗的な身の上相談に見えるが、社会全体の見事な分析になっており、圧巻である。1963年当時に書かれた本書は、現在社会でも有効で強力な整理や分類、分析の思考の枠組みを与えてくれている。

  • ぽん教授(非実在系) さん

    1960~80年代の日本では経済的に安定・成長した裏にある闇があった、という観点で社会を切っている。しかし現代からすればすごく羨ましい時代にしか見えない。後半のエッセイも粗くて突っ込みどころは読んでてすぐに見つかるが、それでも思うところはけっこうある。 見田が現在の現代日本についてどう分析していくか気になるところである。

  • ゆうき さん

    新聞の身の上相談から社会を分析するという方法論的個人主義でユニークな切り口であった。また高度成長期における人々の意識の分析では当時の若者は他者思考の傾向があり、平等主義、仕事にやりがいなどステレオタイプのモーレツ社員とは違う現代と通じる意識を持つ傾向であった。

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見田宗介

1937年、東京生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。2022年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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