人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき

益田肇

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000245432
ISBN 10 : 4000245430
フォーマット
出版社
発行年月
2021年04月
日本
追加情報
:
434p;21

内容詳細

冷戦とは何だったのか。恐怖、不安、敵意、憎悪、願望…現実は人びとにどのように想像され、想像は増幅拡散しつつどのように新しい現実をつくり出していったのか。大国間の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し、本書は、無数の名もなき人びとの日常的な想像、その行為の連鎖、そして現実政治との影響関係から、冷戦初期の歴史を描きなおす試みである。そのため社会史と外交史、ローカル史とグローバル史を総合的に組み上げ、米国、中国、朝鮮半島、日本など世界各地で起きたことの同時性と類似性、関連性の意味を明らかにしてゆく。そこから、冷戦の本質を再考し、冷戦世界を社会的な観点から理解しなおすための新しい見方を提示する。―この画期的な作品は、当初、ハーバード大学出版から公刊され、世界的に大きな反響を呼び起こしてきた。この度、著者自身による大幅な加筆改稿・再構成を経て、ついに日本語で刊行された。

目次 : 冷戦とは何だったのか?/ 第1部 連鎖する世界(名付けえないものに名前を付ける/ ローカルに翻訳するということ)/ 第2部 社会的なものの時代(虚構の現実/ 印象をめぐるポリティクス/ 「真実」の創出 ほか)/ 第3部 同時性の世界(社会戦争/ 内部の敵/ 人びとの戦争 ほか)/ 社会装置としての冷戦

【著者紹介】
益田肇 : 大阪生まれ。立命館大学国際関係学部卒。新聞社勤務を経て渡米。日本語教師として高校勤務ののち、ノースウェスト・カレッジで準学士号、ラトガーズ大学で学士号、コーネル大学大学院にて博士号取得。現在、シンガポール国立大学歴史学部准教授。専門は、東アジア近現代史、アメリカ外交史、グローバルな視野を持つ社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • BLACK無糖好き さん

    社会史と外交史、ローカル・ヒストリーとグローバル・ヒストリーを総合することで、国家や政治指導者が主体とされてきた伝統的な冷戦史観を相対化する途方もない試み。普通の人びとによる、それぞれの社会の軋轢や分裂を封じ込める「社会浄化運動」が冷戦世界を動かす動力源でもあったことを照射。その構図は現代社会に共通する点も読み取れる。◇「客観的歴史」と「解釈的歴史」についての深い考察には惹き込まれた。◆図書館の蔵書に入ってから、この二年近く常に貸出中だった。本書の内容から言えばそれも当然と納得。

  • 風に吹かれて さん

     米国では戦争に行っている男性に代わって女性たちが社会の各分野で活躍していた。戦後、職を求める男性は、女性は家庭に戻るべきだという運動を始める。ジェンダーの問題や人種差別問題などについての各種運動が活発化する中、朝鮮戦争勃発。いわゆる赤狩りが行われる。赤狩りの名のもとに共産主義者でない改革運動に携わる人々なども排除されていく。そして共和党からの巻き返しを押し返すためトルーマン大統領は反共産主義を旗印に朝鮮戦争に参戦し38度線を越えて行く。 →

  • KA さん

    読了したわけではないが、あまりにも学ぶべきものが多いのでコメント欄をメモとして使用する。読了したら本項目を編集する。

  • あらい/にったのひと さん

    買ってからかなり積んでしまっていたけどこれは面白い。本編全部読んで、最後の「著者による解題」まで読むとよいです。英語版が出てからの指摘とそれに対する回答が読めるので、読中感じた疑問点に対していくつかは回答が得られるのではないかと。国家と国民の間の双方向性みたいなのを感じるけど、例えば第一次世界大戦ならベッケール、戦間期〜戦中なら一ノ瀬俊也とかの本を読むと納得感もあるのかな。あと、オーラルヒストリーな本なので囁きと密告などを思い出しつつ。いや面白かったです。

  • 海冨長秀 さん

    陰謀論やよくある歴史物語のように物事が、権力者やその集団の意図だけで動いていくわけではないということを理解するのによい本。社会は結果を知っている歴史上に於いても当然複雑であった。小さな流れが集まって大河になるように、権力集団の意図に加え、相乗りし「普通の人たち」がいたということを忘れてはならない。そして、その人たちの背景、社会状況。そうなってしまったら、もう「自然災害」で、私個人に出来ることは何もないとある意味気が楽になった。予防やどんな抵抗ができるのか、流されないようするだけで精一杯だろう。考えたい。

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益田肇

大阪生まれ。立命館大学国際関係学部卒。新聞社勤務を経て渡米。日本語教師として高校勤務ののち、ノースウェスト・カレッジで準学士号、ラトガーズ大学で学士号、コーネル大学大学院にて博士号取得。現在、シンガポール国立大学歴史学部准教授。専門は、東アジア近現代史、アメリカ外交史、グローバルな視野を持つ社会史(

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