春画に見る江戸老人の色事 平凡社新書

白倉敬彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582857610
ISBN 10 : 4582857612
フォーマット
出版社
発行年月
2015年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
183p;18

内容詳細

春画には、多くの老爺、老婆が登場する。世界のエロティックアートに見るように、行為を覗く者というばかりでなく、行為者として性行為に直接参画する。日本の春画の大きな特徴である。老爺と若い妾の、老婆と男妾の、老婆と老爺の営みを描く春画をみていくとき、老年とその性愛に偏見をもたないこの国の古くて新しい考え方がよみがえってくる。

目次 : 老爺の色事/ 老婆の色事/ 老夫婦の色事

【著者紹介】
白倉敬彦 : 1940年北海道生まれ。浮世絵研究者、文筆業。早稲田大学文学部中退。長年にわたり、現代美術から浮世絵にいたる美術書を企画編集、近年では浮世絵・春画の研究に携わる。2014年10月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ふろんた2.0 さん

    宮田珠己や三浦しをんがいかにも手に取りそうな本。老人とはいうものの江戸時代なので、隠居した40代以降の男女。性欲は衰えども妄想力は進化するのだ。エロ本よりは明け透けだが、なかなか刺激的な本だった。初めて著者の本をとったのに、本書が遺作と知り悔やまれる。

  • ステビア さん

    新年から江戸の老人たちのセックスについて読むのもまた乙なもんである

  • 姉勤 さん

    人生100年時代なる噴飯なキャッチフレーズはともかく、「今はただ小便だけの道具なり」で人生の残り半分近くを生きるとするなら、2000万の貯金の有無以上にシリアスでないか?本書は、老爺と老婆の登場する春画を通じて、性=生のあり方を問いかける。「老いて尚盛ん」は、滑稽、醜悪、不分別とネガティブなイメージを加圧される世の中ではあるが、たぶんにキリスト教的禁欲感の輸入であり、本来の日本人の性(さが)に適わないとして、歳を気にず多分に愉しめ、と。しかし、それには2000万じゃ利かないカネが要るぞ、女も男も。

  • tom さん

    読友さんのコメントを読んで入手。時代によって性愛に対する感覚が異なるということが面白い。川上弘美さんの「三度目の恋」では、在原業平をモチーフにした、江戸時代、平安時代の性愛についての語りがあり、ここでも同じことが書いてあった。性愛というもの、すべての人間がすることだから、どれも同じと思いきや、けっこう根っこの部分で異なる感覚があるということが面白くも不思議にも思うわけです。この本、著者は、書き終えて亡くなる。後書きは娘さんが書き、解説は上野千鶴子。これも凄くて喜ばしい(笑)。

  • そうたそ さん

    ★★★☆☆ 春画の中でも老人を描いたものにテーマを絞った一冊。老人を描いた春画なんて、どこに需要があるんだと思って読み始めたが、春画独特のユーモアが、老人が描かれていることでいっそう際立っているような気がした。老人、老婆、老夫婦と三パターンについて検証されているが、それぞれに良さがある。長年春画を研究してきた著書ならではの視点による内容であるが、本作が遺作であるとのこと。

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