明日は生きてないかもしれない…という自由 私、76歳 こだわりも諦めも力にして、生きてきた。

田中美津

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784755402937
ISBN 10 : 475540293X
フォーマット
発行年月
2019年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
243p;19

内容詳細

目次 : 1 変らない私変っていく私(今日もニコニコ極楽トンボ/ 白いオクスリ ほか)/ 2 ここにいる私こだわりも諦めも力にして(なにごともからだからの出発/ ときめくブスは美しくなる ほか)/ 3 生きるってなんだ、死ぬってなんだ!(これっきりの私/ 泣いているヴェトナムのこどもだった頃… ほか)/ 4 こぼれ落ちてしまうことばを抱えて…(あたしのおヘソがいうことにゃ…/ 小熊英二『1968』を嗤う ほか)

【著者紹介】
田中美津 : 1943年東京に生まれる。現在、鍼灸院れらはるせ主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ネギっ子gen さん

    田中美津、この名を若い人にも知って欲しい。「はじめに」から。<「嫌な男からお尻を触られたくない私」と、「好きな男が触りたいと思うお尻が欲しい私」。「触れられたくない」は女共有の怒りだったから運動の大義となった。それに対し、「触られたい」の方は、いわば個人の欲望。大義と欲望――その二つは同じくらい大事。そう思う女たちが、私と共に立ち上がった。それがウーマンリブと呼ばれる運動であり、その新しさだった。大義と欲望の両方を肯定するから、時にそのあいだで取り乱してしまう>と。この書き方に取り乱れた♂は、深く共鳴。⇒

  • とよぽん さん

    読んで本当に良かった。田中美津さんのお名前は知っていたが、こんなに自分に正直に生きてこられた方とは・・・。付箋を何枚も貼りながらの読書。冒頭、「女らしさを生きることは、私を生きることにはならない」と言い切る。また、自由とは「自分以外の何者にもなりたくないという思い」と言い切る。激動の1970年代、ウーマン・リブの運動に参加した後、体調不良を改善するために鍼灸を学び開業して、現在に至る。鍼灸治療の合間に、執筆したり講演したり。そのしなやかな自由な生き方、考え方に心底共感した。

  • katoyann さん

    ウーマンリブを牽引した代表的な人物による論稿集。幼児期に性的虐待を受けた過去や学生運動をサポートする中で女性に求められる役割の抑圧性について考えたことをまとめている。嫌いな男性から触られたくないというシンプルな主張から、女性にバージニティを求める一方で、自らは性風俗に通うという男性の身勝手な性規範まで縦横無尽に論じてみせる。中絶の権利を阻害しようとしたのは「生長の家」関連の政治家や活動家だと書かれてあり、日本のリブを知る上で貴重な一冊である。経済効率を重視するのは男性中心主義だという指摘も鋭い。

  • テツ さん

    この手の活動家の方はあまり好きではないのだけれど、田中美津さんだけは例外的に好きだ。「いやな男なんかに、もちろんお尻を触られたくない。でも好きな男が触りたいと思うお尻は欲しい。これが「ここにいる女」というものだ」 そうだ。女体からの解放だの、女権拡大だの、そんなものじゃない。私は私のまま在りたい。化粧も肉欲も愛情も、自分の望むがままに貪りたいだけ。それを邪魔するものを許せないだけ。アカデミズムに塗りたくられた知性的な現代的フェミニズムからは全く感じない、個人の奥底から湧き出る欲求に魅せられてしまう。

  • 今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン さん

    なぜか著者には昔から伊藤比呂美と近しいものを感じてしまうのだけど。ベ平連なるものがまだ息たえていなかった頃、うっかりその空気を吸ってしまった。権力の理不尽さと戦うという点で反戦とフェミニズムは同志だった。著者はその時代(どの?)のいわばアイコンであった。昨今のオシャンティな東洋医学に著者の鍼の技術はそぐわないのか、意外な程需要がないように思う。声を上げるのは我慢しきれなくなるくらい抑圧搾取がひどくなったということ。おかしいと思う気持ちは忘れないように、先達の声には耳を傾け続けなくてはならない。

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