人間にとってスイカとは何か カラハリ狩猟民と考える フィールドワーク選書

池谷和信

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784653042358
ISBN 10 : 4653042357
フォーマット
出版社
発行年月
2014年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
203p;19

内容詳細

「砂漠の水がめ」が織りなす南部アフリカの暮らし。スイカ鍋、スイカ石鹸、スイカダンス…人類とスイカのきた道に思いをはせる。

目次 : はじめに―カラハリ砂漠とフィールド/ 第1章 移動するキャンプを追う(一九八九年)/ 第2章 乾期のキャンプ―スイカ、馬、狩猟(一九九一年、一九九三年)/ 第3章 多様なスイカの栽培/ 第4章 雨期の集落―スイカ、ヤギ、病気治療(一九九九年)/ 第5章 「井戸のある村」との比較(一九九〇年代)/ 第6章 村から人が消えた、もどる村人(二〇〇二年)/ 第7章 約二万キロメートルのスイカの旅/ おわりに―私にとってのスイカ研究

【著者紹介】
池谷和信 : 1958年静岡県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学、理学博士。国立民族学博物館教授・総合研究大学院大学教授。専門は環境人類学・人文地理学・生き物文化誌学。日本とアフリカを中心として、生き物と人との相互関係の研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • yyrn さん

    狩猟採集民族の研究者としての驚きと長年にわたるフィールドワークの成果が分かり易く伝わってくる本。乾季に地表には水はなく、1日1人2個のスイカで水分を賄い、ヤギやニワトリたちと生活を続ける砂漠の遊牧民たちがいるなんて思いもよらず、読み進むにつれ現代ニッポンの消費生活を大いに反省した。アフリカ南部のカラハリ砂漠でスイカとともに暮らす「サン族」の人々の生活行動にイチイチ頷くばかりだ。厳しい環境の中では所有ではなく配分がキモなんだな。だから定住を促され一度は住み着いても結局、平等な砂漠に戻ってしまうのではないか?

  • nbhd さん

    次の一文から始まる。「本書は、地球上で最後になると思われる、一年間のうち八ヵ月は地表水が利用できない村での私の生活体験を綴ったものである」。ボツワナ、まじりっけなしの素朴な描写、「スイカがあれば生きていける」民のエスノグラフィー。詩のような一文に、ハッとさせられることしばしば。たとえば、「スイカと人とのかかわりを考える時に忘れてはならないのがスイカダンスである」「スイカばかりに焦点をおいていたのでは、モラポ村の生活全体を理解できない」のような。

  • 今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン さん

    どんなにスイカが好きな人でも「スイカがないと生きていけない!」ってことはないと思いますが、この本は「スイカがあれば生きていける!」って本なんですよ、奥さん!冒頭の数行で(ない)胸を鷲掴みにされてしまったのですが、スイカという作物の偉大さ、スイカを含む有機システムを実に巧みに運用しているアフリカの人々の聡明さ、そしていらん介入をされたがためにせっかくのシステムが崩壊するものの、それが取り戻されていく過程。研究の成果は大阪民博に展示されているそうですが、商業的な成果などをアテにしてではなく、ただひたすら研究→

  • kuukazoo さん

    アフリカ南部、カラハリ砂漠の狩猟採集民「サン」は、砂漠に自生する野生スイカを主な水源として移動生活をしている。人だけでなくヤギや馬、ロバ、鶏、犬などの家畜までも養えるほどのスイカが砂漠(ほぼサバンナ)に実ることにまず驚いた。そして雨期には畑を耕してスイカを栽培する。スイカすごい。そのようなスイカ中心の生活は、近年国の政策で定住化に、と思いきや、再び砂漠に戻る人々もいるという。定住によって便利なサービスも受けられるようになった反面、飲酒による暴力事件や自殺なども起きている。定住はいいことばかりではないのか。

  • mawaji さん

    第7回日本タイトルだけ大賞受賞作として気になっていたところ、円城塔・田辺青蛙の夫婦エッセイに取り上げられていたのを読んで手に取りました。地味な研究をエッセイとして寄稿してから道が開けてくる様子は、クマムシの堀川大樹氏やバッタのウルド浩太郎氏の活躍にも繋がるように思いました。奥さまのご両親に評価してもらえてほんとうによかったですね。狩猟採集民族がスイカの栽培を行うことがブッシュマン改めサン人の幸せに結びついているのかという疑問は、サピエンス全史にあった小麦によって家畜化されたサピエンスを思い起こさせました。

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