小室直樹の世界 社会科学の復興をめざして

橋爪大三郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784623067039
ISBN 10 : 4623067033
フォーマット
出版社
発行年月
2013年10月
日本
追加情報
:
504p;20

内容詳細

伝説の小室ゼミの出身者たちが語るそのアカデミズムの真髄とは。小室直樹博士著作目録・略年譜に加え、2011年3月に行なわれた記念シンポジウムを完全採録。

目次 : 第1部 社会科学者・小室直樹博士(小室直樹博士の学問と業績/ 小室直樹博士の著作)/ 第2部 小室直樹博士記念シンポジウム―社会科学の復興をめざして(小室博士の学問世界―シンポジウム第1部・理論編/ 小室博士と現実政治―シンポジウム第2部・実践編)/ 第3部 対論 小室直樹博士を語る(小室直樹と吉本隆明/ 小室直樹博士と同時代/ 小室直樹博士と社会学/ 対論を終えて)

【著者紹介】
橋爪大三郎 : 1948年神奈川県生まれ。1972年東京大学文学部社会学科卒業。1977年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。1989年東京工業大学助教授。1995年東京工業大学教授(〜2013年)。現在、社会学者。東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    小室さんが亡くなられてからもう4年近くにもなるのですね。この本には小室さんにかかわるあらゆる情報が詰まっています。書かれている方はきちきちのアカデミックではない人たちですが、それがご本人の書かれている分野を示しているのではないかと感じています。物事の本質を探り当てることにかけては天才的であったと思っています。私も様々な本を読んでいますが学生時代に読んだ思想に連載されていた「社会科学における行動理論の展開」に魅せられてこの人の名前を知った次第です。

  • takeapple さん

    大学受験のために上京しておじの家にしばらく厄介になっていた時、自由に本を読んでいいよと新聞記者をしていたおじの書斎に寝泊まりしていた。壁一面の書棚にはたくさんの社会科学やルポルタージュ、ノンフィクションが溢れていて、手当たり次第に読んだものだった。そこには小室直樹の『ソビエト帝国の崩壊』も当然あって、おじは小室直樹の凄さについて話していたなあと思い出した。おじは小室より一回り上で、学徒出演している。二度と戦争はダメだが、日本に民主主義を根付かせないのはもっとダメだと元政治部記者だけに良く言っていたなあ。

  • かんがく さん

    亡くなった大学者について、かつての弟子たちが語り合うという企画。彼等の師への愛が多く含まれているとともに、師から譲り受けた社会へ対する苛烈な意見も溢れ出る。小室の作品は一冊しか読んだことがなかったが、彼の学問が形成される背景から、その問題意識や手法の特徴にまで詳細に触れられていて興味を持った。三島由紀夫や吉本隆明とも比較されていたが、戦中派の人々の思想には惹かれるものがある。

  • takam さん

    「人間がありえないほど合理的であるとすれば、その動機は非合理なものだ。」という言葉を残した小室直樹の生涯はまさにそのようなものだ。社会を数理的に解き明かそうと格闘した彼のモチベーションは敗戦を分析して、次の戦争では負けない国に日本をすることだった。その不合理な理由からアメリカ留学という合理的に行動する。小室氏は生涯、昭和天皇、三島由紀夫、田中角栄に帰依し、彼らの持っている合理性を指示した。彼が帰依した人物は全て官僚社会から外れた人間で、小室氏自身も同様の孤独を選んだ点が印象に残った。

  • ぽん教授(非実在系) さん

    小室直樹の社会科学の範疇は主にサミュエルソンまでの経済学とパーソンズまでの社会学が根本で、他に川島法社会学や丸山政治学などだいたい70年代に入るまでの理論がベースである。ある種の近代主義者の最も厳密な形にして最後の夢としての小室論であり、ルーマン以後の全てを説明しつくすことを放棄した社会科学とどう整合を取るかは小室も悩んでいたようだ。橋爪と宮台の議論が一番かみ合っていたし面白かったと思うが、小室の親米でアメリカに対抗する方策は大久保利通や岸信介路線でこそ発揮されるのではないかと感じた。

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人物・団体紹介

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橋爪大三郎

1948年、神奈川県生まれ。社会学者。大学院大学至善館特命教授。東京工業大学名誉教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。著書に『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸氏との共著、講談社現代新書、新書大賞2012)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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