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自由と国家 いま「憲法」のもつ意味

樋口陽一編

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004300939
ISBN 10 : 4004300932
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1989
Japan

Content Description

イギリスの「権利章典」から三〇〇年、フランス人権宣言から二〇〇年、そして明治憲法の発布から一〇〇年。その一九八九年に「昭和」が終わり、保守支配も揺らいだ。加えて中国の流血事件、ソ連・東欧の自由化への模索…。一九九〇年代の政治を見通す座標軸を求めて個人・集団と国家との歴史的な相剋に光をあて、「近代立憲主義」の意味を問う。

目次 : 1 いま何が問題か―1989・憲法論的考察(1989年7月=パリ/ 革命二百年and/or人権宣言二百年? ほか)/ 2 明治憲法体制‐「そんなに悪くなかった」のか―“1889”の意味(富国強兵=物質文明と憲法=精神文明/ 「建国ノ体」と「海外各国ノ成法」―綱引きのはじまり ほか)/ 3 個人と国家‐どうむきあうか―“1789”対“1689”の意味(マルクスから見たフランス/ C.シュミットから見たフランス ほか)/ 4 日本の憲法体験から何を発信するか―“1689‐1789”モデルの押しつけ?(「ユーロペシミズム」の強味/ 「人権があったから」か「人権にもかかわらず」なのか ほか)

【著者紹介】
樋口陽一 : 1934年生まれ。東北大学、パリ第2大学、東京大学、上智大学、早稲田大学の教授、同客員教授を歴任。専攻は憲法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • はっせー

    かなり勉強になった 樋口陽一さんは憲法学の権威である人である。その方がフランス革命から現代の憲法までどのようなタイプに属しているかを解説していてフランス革命からの憲法の流れがわかった。特に明治憲法における立憲君主制かどうかについてはかなり勉強になった。戦後の日本国憲法は押しつけ憲法だと言われてきた。だがその日本国憲法をもって初めて日本が近代立憲主義になったこともわかった!また樋口陽一さんの本を読みたい。

  • katoyann

    日本国憲法の意義をフランス革命の意義の再確認から考察した憲法学の本。新書ながら、学術性の高い文章であり、比較的難解である。さて、フランス革命は、身分制の桎梏から諸個人を解放し、自立した諸個人が主権を行使して統治する社会を生み出した。その意義は、「諸個人と集権的国家が向かい合う二極構造の社会」を作ったことにある。簡単に言えば、人権の析出である。日本国憲法の究極価値は個人の尊厳の尊重にあり、これを脅かすのが軍事的改憲である。究極価値を活かすには、中間集団を排斥して、個人と国家の二極モデルを採用すべしとする。

  • 無識者

    フランス革命により家族を除いての国家と個人にある中間団体すなわち身分や宗教という所属が取り払われる。国家対個人という2曲構造が浮き彫りにされる。身分などによる保護がなくなった個人、自ら理性的に判断する強い個人であることが求められるようになる。

  • 無識者

    フランスの歴史を知る上でも読んで面白いと思うし、日本独自の特質も歴史を通じて述べられていて面白い。印象的なのは日本における法人の強さである。日本では自衛隊員が事故で死んだとき護国神社に合祀される。合祀を巡って裁判があるわけだが、個人の信教に自由より宗教法人の信教の自由を優先した判決をだした。その日本の特質がどう形成されたかの分析が面白い。

  • まさにい

    前半は1789年のフランス革命を軸にその100年前のイギリス権利章典とその100年後の明治帝国憲法についての記述。後半は日本国憲法とフランス革命の類似性と差異および個人の自由と主権との違いというか相克という部分。結構読むのに骨の折れる。これは、新書ではあるが、専門論文でもある。漱石の私の個人主義からの引用での、個人の自由はよるべき杖が自分であることの心細さを引用している点はうなずける。

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