非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略 集英社新書

柳澤協二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087212327
ISBN 10 : 4087212327
フォーマット
出版社
発行年月
2022年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
224p;18

内容詳細

安全保障と軍事のリアルを知る専門家による、非戦の論理

◆内容紹介◆
世界に大きな衝撃を与えたロシア軍のウクライナ侵攻。
この戦争が突きつけた現状の国際秩序の問題点と、日本の安全保障をめぐる環境の変化と対応策を、歴代内閣の安全保障・危機管理関係の実務を担当した柳澤氏、国連PKO紛争調停実務経験者の伊勢崎氏、元防衛研究所の安全保障研究者の加藤氏、自衛隊元空将補の林氏といった軍事のリアルを知る専門家が語り合う。
「侵略の脅威」「台湾情勢」を口実に中国を念頭にした軍拡に舵をきる日本の問題点も検証。
改憲、防衛費の拡大、敵基地先制攻撃、核共有など抑止力の議論が暴走しがちな現状への疑義を呈し、徹底的に戦争を回避する国家としての日本の在り方、「非戦の安全保障論」を示す。

◆目次◆
はじめに
第一章 ロシアのウクライナ侵攻をどう受け止めたか
1 戦争をどうとめるかを考える材料に
2 ロシアの上位目標はウクライナの「内陸国化」
3 国際政治学はすべてご破算になった
4 敵も味方も一緒になって戦後秩序をつくれるか
第二章 新しい国際秩序は形成できるか、その条件は何か
1 大国に任せない国際秩序は形成されるか
2 中露対西側という対決構造をつくらないために
3 国連総会の役割を重視することが重要である
第三章 アジアへの影響と日本が果たすべき役割
1 台湾有事に際して日本はどう対応すべきか
2 ウクライナであぶり出された核抑止の問題点
3 日本は何ができるか、何をすべきか
第四章 戦争を回避する日本としての国家像を考える
1 抑止力に代わるものはあるのか
2 国民を戦争に動員する国家でいいのか
3 「身捨つるほどの祖国はありや」
第五章 開戦から一〇〇日を過ぎた時点で
1 プーチンの戦争と戦後処理ないし秩序の回復
2 ウクライナ・ロシア戦争の省察
3 戦争犯罪を裁く法体系を日本でも
4 ウクライナ戦争の教訓は何なのか
おわりに―停戦協議の行方と日本の役割

◆著者略歴◆
柳澤協二(やなぎさわ きょうじ)
1946年生。
元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長。
国際地政学研究所理事長。
自衛隊を活かす会代表。
伊勢崎賢治(いせざき けんじ)
1957年生。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。
PKO幹部として紛争各地で武装解除を指揮。
加藤 朗(かとう あきら)
1951年生。
防衛庁防衛研究所を経、桜美林大学リベラルアーツ学群教授及び国際学研究所所長。
林 吉永(はやし よしなが)
1942年生。
国際地政学研究所理事・事務局長。
元空将補。
第七航空団司令、元防衛研究所戦史部長。

自衛隊を活かす会 編


【著者紹介】
柳澤協二 : 1946年生。元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長。国際地政学研究所理事長。自衛隊を活かす会代表

伊勢〓賢治 : 1957年生。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。PKO幹部として紛争各地で武装解除を指揮

加藤朗 : 1951年生。防衛庁防衛研究所を経、桜美林大学リベラルアーツ学群教授及び国際学研究所所長

林吉永 : 1942年生。国際地政学研究所理事・事務局長。元空将補。第七航空団司令、元防衛研究所戦史部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • おたま さん

    柳澤協二(元防衛庁運用局長)、伊勢崎賢治(PKOで武装解除担当)、加藤朗(元防衛庁防衛研究所)、林吉永(元空将補)という戦争・戦略の専門家による鼎談。現在のウクライナ戦争と、そこから日本が学ぶべき教訓・進路とを討議する。特に柳澤協二と伊勢崎賢治の論には共感することが多かった。全員が、自衛隊関係者であり、戦争・戦略を熟知している。その上に立ったウクライナ戦争の捉え方と教訓は、現実に立脚しつつ、単純な武力行使を是認していない点で、今私たちが耳を傾けなければならない。これは極めてリアルな理想論である。

  • よっち さん

    世界に大きな衝撃を与えたロシア軍のウクライナ侵攻。この戦争が突きつけた現状の問題点と、日本の安全保障をめぐる環境の変化と対応策をそのリアルを知る専門家が語り合う一冊。ロシアのウクライナ侵攻をどう受け止めたのか、新しい国際秩序は形成できるか、その条件は何か、台湾有事に際して日本はどう対応すべきか、戦争を回避するために必要なもの、プーチンの戦争と戦後処理・秩序の回復などに触れていて、プーチンの目指しているところなどは興味深く読めましたし、軍備増強の前に考えるべきことやすべきことがあるのを知ることができました。

  • ロビン さん

    元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長で「自衛隊を活かす会」の代表である柳澤氏、紛争各地で武装解除を指揮してきた大学教授伊勢崎氏などの4人が、日本の国防について、ウクライナ戦争を切り口に議論した一書。ウクライナ戦争が国際秩序の在り方を変えてしまったこと、台湾有事の捉え方、国際法についての日本人の無知、「国防」とは国体を守るために国民が戦うことであるという認識ーこのことの是非も論じられるー日本の「緩衝国家」としての自覚の必要性など、非常に勉強になった。表題にもあるが日本政府には「非戦」を根本に置いて欲しい。

  • 二人娘の父 さん

    極めて示唆に富む対談。外交だの、防衛だのと、あまりにも関心をもたな過ぎだ己に喝だ。遠いようで、私たちの生活に非常に密接な課題。しっかりと学び続けたい。

  • 海冨長秀 さん

    未だに自衛隊の「国外犯規定」解決していない。今の日本(日本政府)を自らの命を賭してまで守る価値がないと私は考えています。こういった方が多数派ではないでしょうか?理由は簡単です。今の日本政府が行う政策は、常に過剰な予算がかかり説明を怠る、憲法法律は無視、自己責任と言うが自らは政治家一家でご子息他親族お友達に便宜を図る。自分勝手な輩が多いからです。どうしてこんな人たちが中心の国を守ろうともうでしょうか?勝手にさせていただく。いくら軍事力を強化しても、守るべき価値のない国、政府では意味がない。改めて思いました。

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