ポスト社会主義の政治 ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制 ちくま新書

松里公孝

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480073808
ISBN 10 : 4480073809
フォーマット
出版社
発行年月
2021年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;18

内容詳細

約三〇年前、ソ連・東欧の社会主義政治体制は崩壊した。議会制=ソヴェト制の外観の下、一党制または事実上の単一政党制を採用していた国々は、複数政党制を前提とする新しい政治体制への転換を迫られた。以来現在まで、これらの国々では幾度となく政治体制の変更が行われ、それは時に暴力を伴う。この政治体制のダイナミックな変化を理解する鍵となるのが、ポスト社会主義圏に多く見られる「準大統領制」というシステムである。地政学的対立とポピュリズムに翻弄されたソ連崩壊後の三〇年を、大統領・議会・首相の関係から読み解く。

目次 : 序章 準大統領制とは何か/ 第1章 共産党体制からの移行のロードマップ/ 第2章 ポーランド―首相大統領制の矛盾/ 第3章 リトアニア―首相大統領制とポピュリズム/ 第4章 アルメニア―一党優位制と強い議会の結合/ 第5章 ウクライナ―権力分散的準大統領制/ 第6章 モルドヴァ―議会大統領制から準大統領制への回帰/ 終章 地政学的対立とデモクラシー

【著者紹介】
松里公孝 : 1960年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科教授。法学博士。専門はロシア帝国史、ウクライナなど旧ソ連圏の現代政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 1.3manen さん

    新刊棚より拝借。異国の政治体制、門外漢にはなじみ薄。新書というより専門書。旧社会主義国に広がる準大統領制。国民が選挙で選ぶ大統領と、首相が併存する体制(012頁)。仏政治学者モーリス・デュヴェルジェ(014頁)。ポーランドのポピュリズムはカトリック教会の社会理論に起源(067頁)。ポーランドは、農業集団化が行われず、自営農家が社会主義の最後まで保持された稀な国(083頁)。アルメニアは、下からの民族民主革命を経験したために、共産党体制下の執行権力二元性の大統領議会制への転化が妨げられた国(193頁)。

  • Ex libris 毒餃子 さん

    ウクライナ情勢を受けて読んでみました。旧ソ連の国々の政治体制について論じた本であるが、各国々の前提知識を要求されるレベルであった。どの国も現行政治体制に移るまでの紆余曲折があるが、その過程を生み出した背景と現行体制をよく理解する必要があります。

  • Porco さん

    社会主義体制崩壊後の5カ国の政治史を、大統領と首相、議会の関係からたどります。ややこしいですが、類書はなかなかないと思います。ウクライナの政治がいかに混乱し続けてきたかもわかりました。デモクラシーとガバナンスの問題は奥深すぎる。

  • ふぁきべ さん

    内容的にはタイトルなどから想像するよりもはるかに専門的で、政治学者か東欧の政治学を学んでいる学生でもない限りこの内容をすべて理解して記憶する必要性はないように思う。ただし、取り上げられている五か国の政治・地政学的背景やソ連・共産圏崩壊後のこの五か国の政治の流れを非常に丹念かつ分かりやすく論じているので、この五か国の政治・地政学的な背景などへの理解はかなり深まったと思う。個人的にはポーランドの内容は行き過ぎているほどに詳細なので食傷気味になったが、ほかの四か国については程よい立ち入り方だと感じた。

  • かんがく さん

    旧ソ連圏の国々における政治体制を構造的に分析した本。馴染みのない固有名詞の連発と教科書的な政治体制の解説でだいぶ読み進めるのに苦労したが、各国の比較やまとめを所々に入れてくれるのでなんとか読み切れた。大統領と首相が両方いる場合におきる様々な問題、地政学的な背景による勢力の対立など、日本の政治とはまったく違う構造を知れて興味深かった。

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