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自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く

松本敏治

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784571420634
ISBN 10 : 4571420633
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

自閉症児者が方言をしゃべらないという噂は本当なのか?自閉症児の方言使用調査、方言の社会的機能説、意図理解、自閉症児者の言語習得、自閉症児者のコミュニケーションの特異性など、筆者の飽くなき探究心から見えてきた真相とは…

目次 : 自閉症は津軽弁をしゃべんねっきゃ/ 北東北調査/ 全国調査/ 方言とは/ 解釈仮説の検証/ 方言の社会的機能説/ ASD幼児の方言使用/ ASDの言語的特徴と原因論/ 家族の真似とテレビの真似/ ことばと社会的認知の関係/ かず君の場合/ 社会的機能仮説再考/ 方言を話すASD/ 「行きます」/ コミュニケーションと意図

【著者紹介】
松本敏治 : 博士(教育学)。特別支援教育士スーパーバイザー、臨床発達心理士。1987年、北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。1999年、博士(教育学)(北海道大学)。1987〜1989年、稚内北星学園短期大学講師。1989〜1991年、同助教授。1991〜2000年、室蘭工業大学助教授。2000〜2003年、弘前大学助教授。2003〜2016年9月、弘前大学教授。2011〜2014年、弘前大学教育学部附属特別支援学校長。2014〜2016年9月、弘前大学教育学部附属特別支援教育センター長。2016年10月〜、教育心理支援教室・研究所『ガジュマルつがる』代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 鉄之助

    妻のたった一言が、10年にわたるユニークな研究に結実した。その一言が「自閉症は津軽弁を話さない」。著者と妻はともに臨床発達心理士で、妻は青森県・津軽地域の乳幼児健診に長年関わってきた。この1冊は、自閉症だけでなく、方言の本質に踏み込み、同時にTVなどのメディア論にもなっている。さらに共通語と標準語の違いの章は、明治以降の日本語文化論にも。20世紀の半ば、方言学者の中には「20世紀中には方言は消えるだろう」という人もいたが、全く消滅の兆しはなく、ますます味わいを増している。その答えが、この本に書かれている。

  • キク

    ある夫婦が「自閉症の子は津軽弁を話す、話さない」で夫婦喧嘩したことをきっかけに調査が行われ「知的障害の子供は方言を話すけど、自閉症の子供は方言を話さない」とわかった。方言は地域社会で機能するけど、自閉症の子は意思疎通が苦手な為メディアから言葉を学び標準語を習得するという。嫁が初めて僕の青森の実家に泊まった時、夜中に泣いていた。「言葉が全然わからなくて、悪口を言われている気がする」と。でも今ではしっかりヒアリングして僕より両親と仲良くしている。これは嫁が両親という社会と関わっていこうとしてきた結果なんだな。

  • かんやん

    ASD(自閉スペクトラム症)は津軽弁を話さないという話を聞いて、アンケート調査してみると、確かに方言を話すことが少ない。なぜか?ASD独特の抑揚のないイントネーション説、社会的な意味を持つ身振り等の無理解説等あるが、それらでは方言名詞の不使用までは説明できない。又、方言の役割を帰属意識や親密さと考えても、ASD幼児が方言を使わない理由とはならない。著者の考えとしては、方言(地方の自然言語)とTV等の学習言語(共通語)を分けて、日常の相手の意図理解の弱さと自然言語習得の困難さを結びつけている。

  • サアベドラ

    著者は障害者の発達心理学を専門とする教育学者。2017年刊。「自閉スペクトラム症(ASD)を持つ子供は、方言の強い地域に住んでいても方言を話さずに、共通語を話す」という噂を耳にした著者は、半信半疑ながらも調査に乗り出す。調べてみた結果、たしかに青森の自閉症の子供の多くは津軽弁を話さず、しかも高知や鹿児島など他地域でも同様だった。周りはみな方言を話すのに、なぜ本人だけ共通語を話すのか?謎解きパートは本書で読んでもらうとして、非常に面白かった。コミュニケーションや言語習得に興味がある人にもぜひオススメしたい。

  • まるほ

    臨床発達心理士の妻が何気なく発した一言『自閉症の子は津軽弁を話さない』。このことで同じく臨床発達心理士の夫と夫婦喧嘩に発展するが、本当にそうなのか、と調査・研究する。その過程、結果をまとめた興味深い本。▼「仮説・調査・検証」という臨床的なアプローチを、堅い学術論文的ではなく読みやすくまとめてあるので、スーと読める。発達障害児を研究することは、結局のところ“人のコミュニケーション”を分析することに他ならないことになるのが面白い。▼結論はどうだったのか。気になった方は、是非本書を手に取ってみてください。

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