『砂の器』と木次線

村田英治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784864564960
ISBN 10 : 4864564965
フォーマット
出版社
発行年月
2023年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
322p;19

内容詳細

あの伝説の名シーンは、いかにして生まれたのか?

日本映画屈指の名作『砂の器』公開から50年。
膨大な資料と証言から浮かび上がる、1974(昭和49)年の島根・木次線沿線ロケの実相。
風土・人・時代と作品の関わりから、ローカル鉄道と地域の記憶をつなぐ。

【著者紹介】
村田英治 : 1965年、島根県仁多郡横田町(現・奥出雲町)に生まれる。小学生の時、地元の木次線・八川駅で『砂の器』ロケに遭遇。1988年、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして番組制作に携わる。2022年に退職、執筆活動に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    『砂の器』ほど繰り返し取り上げられ、様々な機会に上映される映画はない。幼い頃に撮影を目撃した著者が、舞台となった木次線沿線の歴史を掘り下げる本を出せたのも、関係本は何でも読みたいファンが今も多いからだろう。私もそのクチだが、島根へ取材に来なかった清張が読売新聞の支局網を使って情報を集めたり、算盤メーカー社員に作中の出雲弁の監修を頼んだとは初めて知った。また緒形拳が地元の宴会に参加して出雲弁を覚えたり、エキストラとして参加した人の話を読んでいると、あの父子の旅路のシーンが深く心に刻まれているのだと痛感する。

  • keroppi さん

    先日、春日太一「鬼の筆」で映画「砂の器」のことを読んだばかりだが、この本は、なんと「亀嵩」と木次線に絞って「砂の器」を語るというニッチな本。しかも出版社も松江にある出版社だ。撮影当時、小学3年生だった著者は、丹羽哲郎にサインをもらったりする。本の内容は、木次線の歴史や松本清張の原作にも触れるが、最も興味をそそるのは、当時のロケの話。貴重な写真もあり、スタッフや役者たちと地元の人たちとの交流も語られる。映画が公開されて50年、今もこのような本が出版される「砂の器」は、やはり凄い映画だったのだ。

  • マカロニ マカロン さん

    個人の感想です:B+。来月の『祈りの幕が下りる時』読書散歩参考本として読んだ。『祈幕』は『砂の器』の影響が色濃いと思っていて、その際重要な場面は木次(キスキ)線亀嵩(カメダは今も相変わらずでしょうね?)になろう。本書は映画の聖地巡礼をするにはまたとない本で、父子の別れのシーンは実は隣の出雲八代駅で撮影されたこと、今西刑事が降り立ったのは出雲三成駅、亀嵩駅の構内には出雲蕎麦店があることなど行ってみたくなった。1974年撮影時に地元の全面協力と撮影隊との交流があり、あの感動の名シーンが生れたことも判った

  • とめきち さん

    小学生の頃『砂の器』のロケを実際に見た奥出雲出身の著者。当時の地方紙のロケに関する記事(松江の沢田研二のコンサートの記事の下の隅にあったというのがウケた。よく見つけたなぁ)、湯野神社での記念品建立のときの野村氏・橋本氏・松本氏による講演、エキストラになった地元住民のインタビューなどなど貴重な資料満載!改めて作品を視聴したくなる。ジープのシーンなんて情報量が多すぎて神経を研ぎ澄まさないと見逃してしまうものばかりだ。あと各章の表紙にある名場面を切り取った挿し絵も良い。今西刑事がさしていた和傘なんて特に良い!

  • Niku-9 さん

    小説を読んだ流れで購読。映画版の『砂の器』と亀嵩のある島根県の木次線沿線との関わりを、独自の切り口で取材、考察した傑作ノンフィクション。著者は地元出身で映画のロケにも遭遇したというが、安易なふるさと自慢やノスタルジーに流れることなく、学術書?ばりに膨大な資料を調べて極めて実証的に書かれている。後半はロケに関係した地元の人たちの証言が並び、情景を浮かべながら楽しく読んだ。やさしい土地柄が伝わってくる。木次線は廃線の危機にあるというが行ってみたくなった。『砂の器』や松本清張が好きな人はぜひ読んでおきたい一冊。

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