「家庭」の誕生 理想と現実の歴史を追う ちくま新書

本多真隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480075901
ISBN 10 : 4480075909
フォーマット
出版社
発行年月
2023年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
384p;18

内容詳細

イエ、家族、ホーム、ファミリーなど、多くの名が生まれた理由は、その言葉を用いないと表現できない現象や思いがあったためだ。「家庭」には、リベラル、保守、それぞれの理想が託されてきたが、一方でその理想と現実には様々な乖離があった。明治から昭和、平成、現代まで、それらをめぐる錯綜した議論をときほぐしていくことで、近現代日本の新たな一面に光をあてる。

目次 : 序章 イデオロギーとしての「家庭」/ 第1章 「家庭」の誕生―「ホーム」の啓蒙/ 第2章 サラリーマンと主婦―「家庭」と国家統制/ 第3章 「明るい民主的な家庭」の困難―「家」から「家庭」へ/ 第4章 企業・団地・マイホーム―一億総中流と「家庭」/ 第5章 理念と実態の乖離―むき出しになる「家庭」/ 終章 「家庭」を超えて

【著者紹介】
本多真隆 : 1986年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(DC2)、早稲田大学人間科学学術院助手、明星大学人文学部助教、准教授を経て、立教大学社会学部准教授。専門は家族社会学、歴史社会学。主な業績に、『家族情緒の歴史社会学―「家」と「近代家族」のはざまを読む』(晃洋書房、2018年、日本家族社会学会賞第2回奨励著書賞)、「戦後日本家族と「子育ての連帯」―団地幼児教室における「民主的」運営への着目から」(『ソシオロゴス』第44号、2020年、第12回「男女共同参画・少子化関連研究活動の支援に関する顕彰事業」奨励賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buuupuuu さん

    夫婦の睦み合い、性別による役割分業、母親による子育て。こうした家族のあり方に象徴される「家庭」は、家制度に対立するものとして明治以降になって登場し、高度経済成長期に一般化した。「家庭」は、社会構想の中で様々な役割を持つものとして捉えられてきた。例えば、民主主義が涵養される場であるとされたり、人材育成や憩いの場であるとされたりした。ある家族の形が成り立つかどうかは、人々の願望だけでなく、経済状況や利用可能な社会的な資源によっても左右される。現在はそういったものらがちぐはぐになっているような印象だ。

  • まゆまゆ さん

    家庭について明治期から現代までの歴史を紐解いていく内容。日本の伝統的家族観と呼ばれるのは、母親中心の子育ての場であり、個人の権利を唱えることのない情緒的な空間であるとされている。かつての家制度が明治期に変化してから戦後を経て男女雇用機会均等法までは家庭イコール女性との理解が大半だった。今もそのイメージが根強く残っているが、多様性が叫ばれる現代では個人が弱まることで家庭を築くことが難しくなっており、保守のいうかつての家族観の復活は簡単ではない。

  • 小林涼太 さん

    良書どころか神書だな。 確かに家制度、家庭、家族、こういったカテゴリーの歴史的変遷に関する本は見たことがない。見事にまとめられている。300ページ越えの大作であるから、読破には多少の時間はかかるだろうが、その時間を惜しむ必要はないものだった。 特に注目したいのは、母性保護論争(pp114-117)は今でも普遍的な家族のあり方を考える上で重要。また、著者の主張も逆説的でなかなか面白い。詳しくはp332以降を参照してほしい。 最後にこの文章を引用したいが、余白が足らないので割愛する。

  • 馬咲 さん

    伝統的な「家」制度との対比で進歩的な家族のあり方として語られた明治初期から、保守派のキーワードとなっていく戦中戦後、ライフスタイルの多様化や社会経済的基盤の弱化で旧来のモデルが通用しなくなってきている現在までの、「家庭Home」論の変遷を概覧できる一冊。「家庭」は、その重要性自体はイデオロギーの左右を問わず共有されてきた概念であり、私的空間とされつつも国家や社会の構想と不可分に展開されてきた、実に民主主義的なテーマだということを再認識する。

  • おさと さん

    「家庭」という言葉。これも西洋化とともにやってきた新しい言葉だった。こういうこと勉強してんのかな、いろいろ反対してる政治家のヒト。

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