雲は答えなかった 高級官僚その生と死 PHP文庫

是枝裕和

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784569761558
ISBN 10 : 4569761550
フォーマット
出版社
発行年月
2014年03月
日本
追加情報
:
308p;15

内容詳細

自身の良心と、職責との板挟みの末の悲劇…。1990年、水俣病訴訟を担当する官僚の自殺はそう報じられた。だが妻の証言、彼の歩みを辿るうち、見えざる側面が浮かび上がってきた。なぜ彼は、詩に「しかし」の言葉を刻み、「雲は答えなかった」との結論に至ったのか。その生と死は何を問いかけるのか。若き日の是枝裕和監督が描いた渾身のノンフィクション。

目次 : 遺書/ 記憶/ 救済/ 電話/ 後姿/ 代償/ 誤算/ 食卓/ 不在/ 帰宅/ 結論/ 忘却/ 再会

【著者紹介】
是枝裕和 : 映画監督、テレビディレクター。1962年、東京生まれ。87年に早稲田大学第一文学部文芸学科卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組の演出を手掛ける。95年、初監督映画『幻の光』がヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞受賞。2004年、『誰も知らない』がカンヌ国際映画祭史上最年少の最優秀男優賞(柳楽優弥)受賞。13年公開の福山雅治主演『そして父になる』は、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞し話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • おさむ さん

    20代で、これだけの深い取材に基づくノンフィクションが書けた是枝さんの文才に脱帽。西川美和さんもそうですが、最近の映画監督はマルチな才能の方が多いですね。1990年に53才で命を絶った環境庁官僚・山内豊徳氏の人生を振り返る。心配りが過ぎるあまりに荷物を背負い込んでしまう。一種の過労死だったように見えます。

  • 安南 さん

    是枝裕和監督の原点となったノンフィクション、水俣病訴訟を担当した環境庁エリート官僚の自殺を扱ったルポ。絶版になっていたがタイトルを変えて文庫化。やっと読むことができて嬉しい。追いつめられ、疲労がピークに達していると感じた夫人が「そんなにして命がけでしなくちゃいけない仕事なの」と聞くと、「私達は命がけなんです、って患者さんは言うんだよ」と話す山内氏。誠実さ、優しさは官僚の世界では価値を持たない。世間でいわれているような板挟みの衝動的な自殺というより、武士の切腹に近いものに私には思えた。

  • がいむ さん

    映画監督是枝さんが、初のTVドキュメンタリー番組を作った後さらに取材して書かれた本。20代のときの本がタイトルを変えたり、加筆されたりで今回3度目の出版とのこと。まず感想として、文章がうまいなあ!固いけど読みやすい。水俣病訴訟を担当する官僚の自死に至るまでのドキュメントなので重い内容なのだけど、事実は事実として、一般人としての生活の中の描写も多くていろんな視点から読める本。監督自分自身で「原点」と言わしめるノンフィクション。たまたますすめられて読めたことがよかったと思う。

  • みねたか@ さん

    環境庁筆頭局長として水俣和解勧告拒否の矢面に立った山内。駆け出しディレクターだった是枝氏は生活保護行政を告発する番組を手がける中で山内に引き寄せられ番組を変更。そしてこの書を著すことでようやく彼に別れを告げる。様々な思惑と信条との間で葛藤した山内。長く仕事をするうち現実に流され,青春期の想いとは決別し成長や老成という言葉で紛らわせてしまう私たち。山内は最期に15の時に書いた「しかし」という詩にたどりついた。既に彼の没年齢と同年代にある者として、真摯に自己と職業人としての行動に向き合った姿勢に強くうたれた。

  • お昼寝ニャンコ さん

    この本を読もうと思ったきっかけは、読メの他の方のレビューを拝見したからでした。さらに、かつて観たことのある何本かの映画の監督が書かれた本という事に興味を持って読了。読んで良かった。53歳という若さで自ら命を絶つ迄に追い込まれていった1人の官僚の人生に焦点を当てたノンフィクション。次官は確実とまで期待される程優秀だった故人が何故自死せざるを得なかったのか。水俣病や福祉に関わる中で、組織や官僚社会の渦に呑み込まれてゆく1人の人間の人生が浮き彫りになっている。読後はやるせなく悲しく、重い。その重さに意味がある。

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人物・団体紹介

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是枝裕和

映画監督。テレビマンユニオンに入社。ドキュメンタリー番組を手掛ける。初監督映画は『幻の光』(1995年)。14年に西川美和監督らと「分福」を設立。18年、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、22年、『ベイビー・ブローカー』で同映画祭・独立賞のエキュメニカル審査員賞を受賞。1962年、東京

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