日本鎮魂考 歴史と民俗の現場から

岩田重則

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784791770564
ISBN 10 : 4791770560
フォーマット
出版社
発行年月
2018年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
363p;20

内容詳細

ある人は愛する人たちに看とられ、ある人は不慮の事故や病のために、ある人は戦争や突然の災害によって、生きている者たちの前から消えてしまう。遺されたものたちは、その「死」をどのように受け止めてきたのか。「死者」への想いと、その弔いのかたちを文化や歴史のなかから描き出す社会史の試み。

目次 : 1(甦る死者/ 「葬式仏教」の形成/ 人格神の形成―「靖国問題」の基層/ 明治政府新造の人格神―墓を抱え込んだ神社と脱落させた靖国神社)/ 2(「未完成の霊魂」と大量死―逆縁/ 戦争犠牲者と戦死者の個人性/ 地域における「英霊」の記憶/ 戦死者多重祭祀論/ 生活のなかの戦死者祭祀)/ 3(安丸良夫の文献史学方法論/ 民俗学と差別―柳田民俗学の社会政策的同化思想および「常民」概念/ 『風土記日本』の現代的課題)

【著者紹介】
岩田重則 : 1961年静岡県生まれ。専攻は歴史学/民俗学。1994年早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程単位取得退学。2006年博士(社会学。慶應義塾大学社会学研究科)。東京学芸大学教授を経て、中央大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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    靖国論が面白い。戦没者や遺族の「英霊」意識は各地域での近代以降の多重化した祭祀が靖国に収斂されたもので、そうした個々人のバックボーンを精査しなければ靖国問題を語ることはできないようだ。また、靖国と御霊信仰を同一視する向きにも、敵を鎮魂する後者と味方のみを祀る靖国はまったく異なると批判する。

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