なぜ女性は仕事を辞めるのか 5155人の軌跡から読み解く 青弓社ライブラリー

岩田正美

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784787233905
ISBN 10 : 4787233904
フォーマット
出版社
発行年月
2015年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;19

内容詳細

"女性が学卒後に就職し、子育て期の30代に離職して、子育てが一段落したら再就職する傾向を示すM字カーブは、日本の働き方の特徴としてこれまで指摘されてきた。しかし、数字やグラフだけが独り歩きをしていて、その構造やメカニズムに切り込んだ指摘は少ない。
5,155人へのアンケート調査を基に就業意識などを探り、「初めて就いた職業を継続できない困難」「転職と就労意欲の関係性」「非正規雇用や小さな子どもがいる女性のキャリア形成」「専業主婦の再就職」「資格取得のワナ」といったトピックスをアンケート結果と各種の統計をクロスさせて分析する。
M字カーブ解消のためには、育休や保育制度だけに注目するのではなく、女性を取り巻く労働環境やキャリア形成の実態を直視する必要性があることを明らかにし、女性と出産・子育てを直結させて議論するのではなく、労働市場の構造を変えることこそが重要だと提起する。

岩田 正美
1947年生まれ。日本女子大学名誉教授、元日本女子大学現代女性キャリア研究所所長。専攻は社会福祉学、貧困・社会的排除論。著書に『現代の貧困』(筑摩書房)、『社会的排除』(有斐閣)、共編著に『リーディングス 日本の社会福祉』全8巻(日本図書センター)など。

大沢 真知子
1952年生まれ。日本女子大学人間社会学部教授、日本女子大学現代女性キャリア研究所所長。専攻は労働経済学。著書に『女性はなぜ活躍できないのか』(東洋経済新報社)、『日本型ワーキングプアの本質』(岩波書店)、共著に『妻が再就職するとき』(NTT出版)など。

日本女子大学現代女性キャリア研究所
2008年に設立。初代所長・岩田正美(2008年4月―13年3月)、現所長・大沢真知子(2013年4月―)。現代の女性とキャリアを取り巻く諸問題を調査・研究し、その成果を広く社会へ発信して女性がもてる能力を全面的に発揮できる社会の実現に貢献することを目的とする。"

【著者紹介】
岩田正美 : 1947年生まれ。日本女子大学名誉教授、元日本女子大学現代女性キャリア研究所所長。専攻は社会福祉学、貧困・社会的排除論

大沢真知子 : 1952年生まれ。日本女子大学人間社会学部教授、日本女子大学現代女性キャリア研究所所長。専攻は労働経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • おさむ さん

    日本女子大キャリア研究所のレポート集。日本女性特有のM字カーブについて、5000人規模の調査をベースにその原因や処方箋など多角的に分析している。統計的差別仮説なるもので低く抑えられてきた賃金(労働経済学者も支持!)。マスコミがミスリードしてきた専業主婦願望。高学歴でも2割が非正規で初職。結婚して2人以上の子供を持って正規雇用の初職にいるのはわずか1%。資格取得を女性が重視するのは就職環境の厳しさゆえ‥。調査そのものは2011年だが、人口減少社会の今こそ参考にすべき指摘は多い。

  • 香菜子(かなこ・Kanako) さん

    なぜ女性は仕事を辞めるのか: 5155人の軌跡から読み解く。岩田正美先生と大沢真知子先生の著書。女性が仕事を辞める理由はもちろん人それぞれであるとは思うけれど、女性が簡単に仕事を辞めてしまうような組織はそれだけ女性にとって魅力がなくて、働く価値がないと思われているという危機感を持たなくてはならないと思います。

  • ゆう。 さん

    韓国と同様に女性のM字型雇用が特徴なのが日本。なぜ女性は30歳代〜40歳代にかけて仕事を続けていくことを選択せずに辞めていくのかをアンケート調査をもとに分析した内容です。一般的に子育てを要因として女性が労働市場から撤退することが言われていますが、本著を読むと女性が働く中で男性より以上に働き甲斐が労働へと反映されない実態があるのではないかと思いました。そうした様々な働く条件が整っていないことが複雑に絡み合って女性は労働市場から撤退していくのだと思います。子育ても労働も人間らしくが大切だと思いました。

  • katoyann さん

    短大・高専以上の学歴を有する5000人超の女性へのアンケート調査をもとに女性の就業継続の阻害要因を考察した社会学の研究書。一般に女性の就労中断は第一子出産を契機としている場合が多く、そのため女性の就業継続に関しては男性の育休取得や家事への参加が条件となるとされてきた。ただ、本書では、企業が女性に企業内外の訓練(OJT OFF JT)を男性と比べて推奨していない等、職場の女性労働者に対する期待値の低さが女性の離職に繋がっているとする見解も示されている。因みに女性の正社員の年収は200万円台の割合が最も高い。

  • ジュリアンヌ さん

    女性が仕事を辞めてしまうことや、復職が難しい原因は、「本人の職業的発達の未成熟」これは、女性のそこそこでいいや という意識の前に、企業側が無限定な働き方を正社員に求めること、女性をどうせやめるだろうと責任のある仕事を任せないことや、女性に企業内訓練を提供しないことに原因がある。そうして女性の意欲が損なわれているのではないか。施策を女性の職業生活を成熟させていく方向に向かわせること、リカレント教育なども視野に入れることが必要。女性の人生後半を「白紙」にしないために。様々な視点からのデータ分析の参考になった。

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