迷走する家族 戦後家族モデルの形成と解体

山田昌弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784641173125
ISBN 10 : 4641173125
フォーマット
出版社
発行年月
2005年12月
日本
追加情報
:
19cm,273,7p

内容詳細

「豊かな家族生活」という目標があった時代には、誰もが目指す「戦後家族モデル」があった。このモデルはいかに形成され、なぜ高度成長期にうまく機能したのか。豊富なデータを駆使して現代家族に迫る力作。

【著者紹介】
山田昌弘 : 1957年東京都生まれ。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京学芸大学教育学部教授。専門は家族社会学、感情社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • zirou1984 さん

    「夫は仕事、妻は家事・子育てを行って、豊かな家族生活をめざす」標準家族モデルは戦後の諸制度がその基盤を作り、高度経済成長がそのモデルを後押ししていった。これはオイルショック後の70年代に微修正が入り、家族行動の変化や社会制度の手直しによって維持されていったが、バブル崩壊後の1998年には遂に限界に達し、このモデルが解体に進みつつある、というのが主論となっている。2005年刊行だが、解体期の話は10年後の現在でも通用するのではないかと思う。98年以降の解体期に著者自身が迷走していたあとがきの話が興味深い。

  • Verte さん

    45強い宗教意識がない日本では、家族に関する価値観が宗教の代替物となっている。所謂世間体という名の圧力の存在によってーーーそれだけ自分の信念に対する信頼が薄い社会だといえようか

  • 寺島ヒロ さん

    2005年刊。標準家族モデルと戦後日本の歩みについて。「豊かな家族生活を目指す」なんて自明のことだと思いがちだが、実は時代の要請でもあったことや、戦後少子政策(対策ではなく・・・つまり産児制限)が行われていたことなどは、現在の団塊の世代と、ジュニアぐらいの人たちの意識差に大きく影響しているのでは。刊行10年後の今だから読みたい。購入予定。

  • HolySen さん

    「家族」の機能をマクロ視点でもミクロ視点でも一通り語りつつ、戦後家族モデルが形成され、経済の変動の強い影響によって解体されていった経緯を説明している。そして、それに代わる新たなモデルがないか、または実現不可能なため「迷走」と表現されている。理想的な家族モデルに対して、「実現率が低い」「選択を先送りにしている」「不本意な家族モデルを選ばされている」などを分類したことや、「愛情」への期待水準と実際の水準にギャップが生じてくるロジックなどは秀逸。家族に関する様々な事象も包括的に説明されており、体系立っている。

  • Junichi Honda さん

    社会共同体の最小単位=家族。家族問題が発展したのが社会問題であり、家族間の関係を良好にすれば社会問題は解決されるものばかり。隠れた名書。

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山田昌弘

1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒業。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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