基本情報
内容詳細
人口減少や高齢化、地域経済の衰退等を背景として、食料品や生活用品 の購入に困っている「買い物弱者」は全国で600万人に達すると推計されている。農林水産省の調査によると、回答した市区町村の約8 割が食料品アクセス問題への対策が必要だとしている。
本書は、移動販売車による買い物支援事業に取り組む長野県箕輪町の運送会社(泰成運輸)の奮闘ぶりを描きながら、買い物弱者の実情や本音にも迫っ ている。
冷蔵庫・冷凍庫を備えた移動販売車「にこやか号」は、魚や肉、野菜 など150品以上を積んで月曜から土曜まで箕輪町内50カ所 を巡回販売する。お客の中心となる高齢者の要望に応えて品揃えを充実 させながら、足の弱い人の介助もすれば、自宅まで商品を届けたり、話 し相手になったり…。販売車はなかなか赤字から脱することができない が、商売を越えた交流が芽生える。
著者は販売車と買い物客の関係を「密やかな交わり」と記している。 心温まる逸話も少なくない。しかし、買い物弱者問題は単なる人情譚で片付けられるものでもない。本文終盤で触れられているように、我々は この問題の所在にきちんと目を向けずにきたし、この問題の先に何があ るのかについても考えてこなかったかもしれない。終始ユーモアを交え ながらの記述だが、最後に問題の本質を問いかけている。
個人商店や小規模食品店の閉鎖・廃業はグローバル化という弱肉強食の帰結でもありますが、そこに赤字覚悟で買い物支援事業に取り組む中小企業の奮闘と、買い物客との交流を温かい目線で描いています。「世の中、捨てたものじゃない」と思えると同時に、地方が抱える問題の根深さも考えさせられます。
[著者紹介]
1967年、長野県長谷村(現伊那市長谷)生まれ。名古屋大学法学部卒業後、長野市の出版社に勤務し、97年よりライターとして独立。普段は企業広報、住宅誌などの仕事が多い。著書に『そばの細道』(川辺書林)な ど。伊那市在住。
【著者紹介】
宮下武久 : 1967年、長野県長谷村(現伊那市長谷)生まれ。名古屋大学法学部卒業後、長野市の出版社に勤務し、97年よりライターとして独立。普段は企業広報、住宅誌などの仕事が多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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