ジャパン・イズ・バック 安倍政権にみる近代日本「立場主義」の矛盾

安冨歩

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784750339696
ISBN 10 : 4750339695
フォーマット
出版社
発行年月
2014年02月
日本
追加情報
:
283p;19

内容詳細

国民より“立場”が大事!?安倍晋三が取り戻したいニッポンの姿とは?「東大話法」でおなじみの東大教授が斬る!!

目次 : 第1章 体制派に「トレモロ」された「政治」―安倍政権誕生までの軌跡(日本に繁栄をもたらした「田中主義」という政治システム/ 新しいシステムを構築できなかった小泉改革/ 非体制派の政治家ゆえにつぶされた小沢・鳩山政権 ほか)/ 第2章 アサッテに矢を放つ「経済」政策―ヴィジョンなきアベノミクス(アベノミクスは成功すればするほど失敗する/ 構造的変化をもたらす外的要因/ 中国の世界的地位向上で薄らぐ日本の存在感 ほか)/ 第3章 「立場主義」という「文化」―「立場の国」復興を目論む安倍立場王(日本の急成長を支えてきた「立場主義」/ 日本経済が行き詰まった理由/ 財政支出によって支えられる「官」経済の受益者たち ほか)

【著者紹介】
安冨歩 : 1963年大阪府生まれ。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、ロンドン大学政治経済学校(LSE)滞在研究員、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、東京大学東洋文化研究所准教授、2009年より同教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • wiki さん

    思想の欠如に肉薄する激烈な思索は舌を巻く。立場主義はもう日本固有ではない。思想基盤を持たない人が多い日本で「立場」を依拠とする人は大多数だが、一神教思想を背骨に肥大化してきた社会がすでに機能しない事を露呈した為に新たな依処を求めている人は西洋にも多くなっている趨勢だ。悲しいかな著者の思想基盤たる儒家の思想も、中国の2000年の歴史の中で散々議論されたにも拘らず結局国家の道徳的状況を変えられなかった。その事実を林語堂が指摘している。問題の根本的解決には人間それ自体に新たな生命哲学を打ち込む意外にないと思う。

  • おおにし さん

    安倍首相はなぜ「イッポンをトレモロす!(「日本を取り戻す」とは聞こえない)と叫んだのか?奇跡の一本松の不気味さについての話題から始まり、アベノミクスを徹底的かつユーモラスに批判。とても読みやすいが内容はとても重い。政治家、官僚にしろ大企業にしろ、自分たちの「立場」を守って一所懸命仕事をすることで日本が成長してきたことは事実だが、それも限界に達し、どんどん悪い方向に暴走している。この「立場主義」日本から脱却は可能か。安冨先生の言うところの社会全体の「コミュニケーション不全」から見直す必要がありそうです。

  • ひかりパパ さん

    派手な装丁と違い中身は真面目で、的を得た痛烈なアベノミクス批判が展開されている。明治以降の日本の経済成長を支えてきたのが立場主義。立場主義とは三つの原則がある。一つは役を果たすためになんでもしなければならない。二つ目は立場を守るなら何をしてもいい。三つ目が人の立場を脅かしてはならない。この近代日本を牽引した立場主義が今や重い足枷となってしまった。大量生産ー大量消費の時代には高いパフォーマンスを発揮したが、バブル後の世界経済の構造変化に対応できない。少数の立場のある人びと(続く)

  • kyoko さん

    安富先生、やっぱりすごい。選挙演説において平易な言葉で深い真理を語る姿に、「これは哲学だ」と思ったけど、この本を読むと経済学や歴史学の背景と絡めて今の社会問題や日本の閉塞感のからくりがとてもわかりやすく述べられていた。くわえて生き方の問題というか、人々を、いやわたしを救う珠玉の考え方や言葉の数々。ああこの人について行きたいと思った。

  • sonettch さん

    「すべての立場を失った者にとって唯一残された「立場」、それは国籍です。ただ日本に生まれて自動的に付加された国籍、つまり日本人であること。/ですから彼らはこの「日本人であること」に過大な評価を与え、価値観の軸に置きます。/そうすれば当然、「日本人であること」のさらにベースにある「日本」が素晴らしいこと、を「事実がどうであるかにかかわらず」求めるようになります。/この結果、「極右」と言っていいほど右傾化が進み、排外主義が助長されます。」(p.52)

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安冨歩

東京大学東洋文化研究所教授。1963年、大阪府生まれ。京都大学経済学部卒業後、銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部・東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を歴任。著書『「満洲国」の金融』(日経・経済図書文化賞受賞)ほか(本データは

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