新しい人よ眼ざめよ 講談社文芸文庫

大江健三郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061984677
ISBN 10 : 4061984675
フォーマット
出版社
発行年月
2007年02月
日本
追加情報
:
16cm,394p

内容詳細

神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。無垢という魂の原質が問われ、やがて主人公である作家は、危機の時代の人間の“再生”を希求する。新しい人よ眼ざめよとは、来たるべき時代の若者たちへの作者による、心優しい魂の呼びかけである。大江文学の一到達点を示す、感動を呼ぶ連作短篇集。

【著者紹介】
大江健三郎 : 1935・1・31〜。小説家。愛媛県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。在学中に執筆した「奇妙な仕事」で注目を集め、1957年「死者の奢り」で文壇デビュー。翌年「飼育」で芥川賞受賞。石原慎太郎、開高健とともに新世代の旗手的存在となる。94年、ノーベル文学賞を受賞。2005年、作家生活50周年を記念して、「大江健三郎賞」創設を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kaoru さん

    障害のある長男イーヨーとの共生を目指しつつウィリアム・ブレイクの詩に喚起された思いを綴る短編集。著者は死への怖れのなかで、ブレイクの詩やその生涯を辿りながら自らを奮い立たせる。幼少時の夢に起源を持つ「壊す人」のヴィジョンについて、生の無意識に近い領域を含めて自らが感じ考えることはブレイクのうちに予言されていた、と言う記述に驚いた。看過できない事件も起きるが、イーヨーの音楽的才能が発揮されていく過程や巧みなユーモアが描かれる箇所は嬉しい。死に至る時までブレイクを読み続けるに違いない、と書いた大江氏の訃報に→

  • 優希 さん

    自伝的でエッセイに近い気がしました。主人公が大江健三郎と重なります。日常を淡々と描く中で、そこに挟まれる知的障害を持つイーヨーの言葉が家族の絆と真の幸福を深く考えさせられます。嫌な部分も見せつけられますが、何故か透明な色調の印象がありました。優しい魂で呼びかけている感じがあり、清々しい気持ちになります。

  • すしな さん

    057-23.文豪らしく、重々しいしい感じで始まったのですが、父親の悲喜交々が溢れ出していて読み終えたことには、うるっとくる本でした。話の中心には、イーヨーがいるのですけれど、お父さんの話とか、亡くなった友達の話とか、昔のガールフレンドの話とかがあって、イーヨーを媒介して自分を見つめている感じでした。確かに男親ってそいうふうに息子を見ているところがあるなということに気づきました。最後のイーヨーが成人してイーヨーを卒業したところもよかったです。銀河鉄道の父とも似た雰囲気も感じました。

  • 若布酒まちゃひこ/びんた さん

    大江健三郎と村上春樹はなぜ同じ主題を「書き直し続ける」のか?/オブセッションと自己模倣 http://www.waka-macha.com/entry/2017/11/06/210000

  • タイコウチ さん

    1983年版の単行本で再読。まもなく二十歳を迎えようとする障害のある息子イーヨーと作家の日々が、ブレイクの詩の独自の解釈に照らして描かれる連作短篇集。この作品や『雨の木』あたりから、語り手の「フィクション」と作家大江健三郎の「現実」の混淆が意識的かつ巧妙になされるようになってきて、自分も含め多くの読者がつい「私小説」として読んでいたのではないだろうか。その思い込みは、その後の作品で次々と覆されていく(?)のだが。その中で、これだけはありのままに書いたというゴシック体のイーヨーのセリフの瑞々しさは胸を打つ。

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人物・団体紹介

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大江健三郎

作家。1935年愛媛県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。在学中の57年、「奇妙な仕事」で作家デビュー。94年にノーベル文学賞を受賞。主な著書に『飼育』(芥川賞)『個人的な体験』(新潮社文学賞)『万延元年のフットボール』(谷崎潤一郎賞)など。2023年死去

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