その姿の消し方

堀江敏幸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784104471058
ISBN 10 : 4104471054
フォーマット
出版社
発行年月
2016年01月
日本
追加情報
:
174p;20

内容詳細

古い絵はがきに綴られた十行の詩。細くながく結ばれてゆく幻の「詩人」との縁を描く待望の長篇。

留学生時代、古物市で見つけた1938年の消印のある古い絵はがき。廃屋としか見えない建物と朽ち果てた四輪馬車の写真の裏には、流麗な筆記体による一篇の詩が記されていた。やがて、一枚また一枚と、この会計検査官にして「詩人」であった人物の絵はがきが手元に舞い込んでくる――。二十数年にわたる縁を描く待望の長篇。

堀江敏幸/著
ホリエ・トシユキ

作家。1964年岐阜県生れ。1999年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で芥川賞、2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、2004年同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞、2006年『河岸忘日抄』、2010年『正弦曲線』で読売文学賞、2012年『なずな』で伊藤整文学賞、2013年『振り子で言葉を探るように』で毎日書評賞を受賞。おもな著書に『郊外へ』(白水社)、『いつか王子駅で』『めぐらし屋』『未見坂』(いずれも新潮文庫)、『時計まわりで迂回すること―回送電車V―」(中央公論新社)、近著に『余りの風』(みすず書房)がある。(新潮社HPより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    この作品は小説なのですが、最初は堀江さんが出会った実際のはなしだと思って読んでいました。古い絵葉書に書いてある詩のような文章からそれにつながりさらに新しい絵葉書が出てきて、ということで実際の場所などに行って生存者に話などを聞いて、というあまり起伏のないはなしですが私は好きです。堀江さんの小説やエッセイなどを読んでいて最近は福永武彦を思い出してしまいます。

  • かりさ さん

    言葉とは単にぽつんと意味を成すだけのものではなく、落とされた記憶と共にあり続け、時に静かに漂い、ふいに熱く強く揺さぶりどうしようもなく惹かれてしまう。フランスに留学時代、古物市で出会った一枚の絵葉書。その裏に書かれたぴったり十行に収まった詩篇のような言葉の塊。ブルーブラックのインクで書かれたその詩のようなものに惹かれてゆくことから物語は語られてゆきます。静かに静かに波紋を広げ、人生の心の軌跡を辿る旅。言葉とは文学とは、その人の記憶に人生に寄り添い続けてくれる。静謐で美しい文章、装丁全てが愛おしい作品。

  • コットン さん

    フランスの観光地でも何でもない町の古い絵はがきに触発された日本人の私がその場所を尋ねる所から物語が始まる。絵はがきの裏に几帳面だが抽象度の高いぴったり十行でおさまる詩の謎や、これを書いた彼にまつわる人々との交流、時の流れなどを感じさせてくれながらも、出会いの面白さを説いているようにも思える。いずれにしても、ゆったりと流れる時間の中で上質のフランス映画を見ている気分にさせてくれる。ブックデザインもそんな時代を感じさせない落ち着いた感じで良い。

  • aika さん

    ことばが、こころをつなぐ。フランスにて「私」がたまたま手にした、一枚の絵葉書に込められた、幻の詩人アンドレの思い。たった一編の詩を探求する旅路で出会う人びと。社会的背景は様々でも、皆が、それぞれの人生を歩んでいる。人種も、時空も超えて結ばれた、現在の私と過去のアンドレ。そして、過去であるアンドレが残した詩が紡いだ、今を、これからを生きる私と人びとの邂逅。この物語を読み終えて、今、自分の心のそばにいる人に、ありったけの思いを、自分の言葉で伝えよう。言葉は、そこに託し託された思いは永遠なのだ。そう思いました。

  • 周到&執拗 さん

    暗号小説が退屈になりがちなのは、暗号自体の問題というより、その扱い方がクイズ的になるせいだろう。その証拠に、謎の暗号の連続を殺人予告と絡め、解読後同じ暗号で逆攻撃を仕掛ける例のホームズ譚などは、戦記のような迫力がある。フランスの古物市で見つけた絵ハガキの詩文の謎を追う本書は、ホームズ譚とはまた違う意味で暗号を逆用する文学的な冒険だ。語り手を思うまま引きずり回す暗号の物語は、暗号無用の数編をはさみ、暗号を思うまま利用する語り手の物語へ変貌する。はなはだ技巧的な最終話には、優しさとしたたかさがみなぎっている。

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人物・団体紹介

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堀江敏幸

1964.1.3〜。作家。岐阜県生まれ。1999年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で芥川龍之介賞、2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、2004年同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞、2006年『河岸忘日抄』、2010年『正弦曲線』で読売文学賞、2

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