基本情報
内容詳細
「徴用工」として軍需工場に動員された韓国人に対して、新日鉄住金に賠償を命じる判決をくだした韓国大法院判決。それはひたすら、一九六五年の日韓請求権協定を盾にして、「被害者不在」の「過去清算」によって現在まで継続する日韓関係を鋭く問うた。本書は日韓基本条約および諸協定を基礎とする「一九六五年体制」としての戦後日韓関係について、「歴史認識」をキーワードとして、歴史学的、政治学的アプローチで考察する。日韓両国が二一世紀の確固たる善隣友好協力関係の構築に向けて、過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていくためにも、問題解決のための知恵を出し合うときである。
目次 : 第1部 日韓会談関連外交文書の公開と日韓会談研究の新視点(日韓会談文書の開示請求訴訟と在日の法的地位/ 日韓会談における北朝鮮要因/ 日韓財産請求権「経済協力」方式の再考―植民地支配正当論、冷戦、経済開発/ 日韓国交正常化の原点)/ 第2部 日韓国交正常化以後の歴史認識問題(日韓国交正常化後の両国交渉と歴史認識の外交問題化―「解決済み」後の外交交渉「樺太残留韓国人・朝鮮大学校認可・対日世論」(一九六五〜一九七〇年)/ 梶村秀樹の「日韓体制」批判―朝鮮史研究者としての同時代への関与/ 一九八〇年代の日韓歴史認識問題―「藤尾発言」をめぐって)/ 第3部 「六五年体制」の歴史的空間(名称の国際政治―戦争と平和条約そして日韓関係/ 日韓関係と琉球代表APACL参加問題/ 在日朝鮮人学生の「祖国」認識に関する小考―法政大学朝鮮文化研究会機関紙『学之光』を手がかりに)
【著者紹介】
吉澤文寿 : 1969年生まれ。新潟国際情報大学国際学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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