シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか 中公新書ラクレ

古谷経衡

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121507907
ISBN 10 : 4121507908
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
288p;18

内容詳細

久しぶりに会った親が右傾的ネット動画の視聴者になり、保守系論壇誌の購読者になっていた。中にはヘイトが昂じて逮捕・裁判に至る事例も―。こんな人々があなたの隣りにも!?50歳以上の「シニア右翼」の乱心は決して一過性の社会現象ではない。かつて右翼と「同じ釜の飯を食っていた」著者が、内側から見た実像を解き明かしながら、日本の戦前・戦後史、そして近年のネット技術の発展が生みだしたこの「鬼っ子」の来歴と病根に迫る。

目次 : プロローグ 右傾の主役/ 第1章 右傾の内側―息を吐くように差別をするシニアたち/ 第2章 右翼とは何か、ネット右翼とは何か/ 第3章 右傾の門戸―ネットの波に遅れて乗ってきた人々/ 第4章 未完の戦後民主主義/ 終章 老人と子供/ エピローグ この国に「真の民主主義」は可能か

【著者紹介】
古谷経衡 : 1982年札幌市生まれ。作家・評論家。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、テレビやラジオなどでコメンテーターも担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    戦後民主主義を享受してきた筈の中高年が、なぜ右翼的になるかを考える。それは、戦前と戦後の連続性を容認し、戦争の公的な総括を一切行ってこなかったこの国で、「戦後民主主義」というものが、如何に不徹底で欺瞞的だったかということの証左だと言う。ネット動画の洗礼を受けて簡単に右傾化するシニアたちは、水戸学的な本来の右翼思想でも保守主義でもないエセ右翼である。何よりも私は、多くのネット右翼に共通する中国・韓国・女性への蔑視の姿勢に、強い嫌悪感を覚える。晩年になって、そういう尊大さに帰結する人生が悲しくないのだろうか。

  • たまきら さん

    「ネット右翼になった父」は、著者が父親を理解することをあきらめたことへの後悔がつまった家族目線の本だったが、1982年生れの著者によるこの本は、また違った立場とはいえ、シニア右翼たちと関わった当事者が怒りをこめて書いたものだ。オフスプリングの「Not the One」は私が若い頃「大人」に感じていた気持ちを代弁していたが、わたしより10歳若い著者が元は同志だと信じていた大人から受けた仕打ちは、もっと深い失望と怒りに満ちている。同時に無関心な全世代への怒りも感じる。私個人は黙っている者こそタチが悪いと思う。

  • 道楽モン さん

    シニア右翼は確かにウザい存在であるが、その背後には全世代にわたる圧倒的な数のサイレントマジョリティー『無関心』『無知』『ちっぽけな自我の中の正義』が存在する。こちらの方も恐ろしい。ネトウヨは根拠薄弱な動画を全面的に受け入れる思考停止の超低級リテラシーで、勿論、読書による教養の積み上げは無い。偏向した洗脳装置であるTVや偏向動画を鵜呑みにするばかりか、インプットがそれしか無いから始末悪い。で、正義と権利を叫びヘイトスピーチでアドレナリン分泌。清沢洌『暗黒日記』の戦時中の大衆も関東大震災の朝鮮人虐殺も同根だ。

  • こも 旧柏バカ一代 さん

    外患誘致したと弁護士を懲戒処分しようとした余命三年の騒動。そんな煽りに乗せられて懲戒請求を送った人達はシニア層だった。何でそんな支離滅裂な論調に乗っかり弁護士に提訴されてしまうような事をしてしまったのだろうか?何故、昔のイメージのような思慮深く落ち着いたシニアではなく、こんな暴走しがちな彼等になってしまったのだろうかと、著者の原体験を元に考察している本。

  • まゆまゆ さん

    理性の外れた50歳以上のシニア右翼が多いのはなぜかを考察していく内容。ネットリテラシーが低いのはインターネット黎明期との関係が大きく、排外的な主張の背景には戦後の現代史を学ばず本来のあるべき民主主義を理解していないことによるものである。かつて右翼といえば天皇主義者のことだったはずであり、それ以外はエセ右翼、との指摘には笑った。

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