『キング』の時代 国民大衆雑誌の公共性 岩波現代文庫

佐藤卓己

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784006004149
ISBN 10 : 4006004141
フォーマット
出版社
発行年月
2020年01月
日本
追加情報
:
596p;15

内容詳細

日本で初めて発行部数一〇〇万部を達成し、雑誌の黄金期を築いた大日本雄弁会講談社の雑誌『キング』。同時代のメディア環境全体のなかでこの国民大衆誌の意味を捉え直し、戦時体制下において「雑誌王」野間清治と「講談社文化」とが果たした役割を解き明かした雄編がついに文庫化!

目次 : 1 講談社文化と大衆的公共圏(マス・メディア誕生/ 講談社文化と岩波文化―出版革命と公共性/ 「大衆」の争奪戦―プロレタリア的公共性とファシスト的公共性)/ 2 『キング』の二つの身体―野間清治と大日本雄弁会講談社(野間清治の立身出世主義―「私設文部省」の光と影/ 『キング』への道―細分化メディアにおける統合戦略/ 「雑誌報国」か「積悪の雑誌王」か)/ 3 「ラジオ的雑誌」の同調機能 一九二五−一九三二年(「くち・コミュニケーション」の企業化/ 「ラジオ読者」の利用と満足/ 『キング』レコード)/ 4 「トーキー的雑誌」と劇場的公共性 ―一九三三−一九三九年(「ラジオ的雑誌」のトーキー化/ 「雑誌報国」と「映画国策」/ 「日刊キング」と戦争ジャーナリズム)/ 5 『キング=富士』のファシスト的公共性 一九四〇−一九四五年(雑誌の黄金時代?/ 「読書の大衆化」と「大衆の国民化」/ 「精神弾薬」と思想戦)/ 結 国民雑誌の戦後 一九四五−一九五七年(「戦犯雑誌」のサバイバル―民主化の意味/ 国民雑誌の限界)/ おわりに―国民雑誌の終焉

【著者紹介】
佐藤卓己 : 1960年生まれ。京都大学大学院教育学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • かんがく さん

    大衆雑誌『キング』(講談社)を軸に、戦前日本のメディアと大衆社会を分析。私設文部省とまで言われた講談社は、大衆に娯楽と教養(面白くてためになる)を与え、世論の形成に大きな影響を及ぼした。著者はもともとナチス研究も行っており、公共性というテーマ史としても読めた。ラジオの登場から戦後のテレビへの他メディアについてや、与那覇潤の解説での『永遠の0』についてなども面白く、現代(特にコロナ渦におけるワイドショーやネット世論)についても考えさせられた。

  • kj54 さん

    高島俊男翁がほとんど絶賛していただけあって。非常に面白かった。 講談社の創始者、野間清治も興味深いし、「国民雑誌」としての昭和の前半を席巻した『キング』の分析と、当時のメディア状況はどれも興味深かった。インテリぶるようだが、当時の「(国民)大衆」に対する影響力は現在のテレビのワイドショウを思わせる。 ネットが拡大し続けるように見える今後。「メディア」はなにがどう変わって、なにがどう変わらないのか。

  • miunac さん

    佐藤卓巳は野間清治が生きていたら戦時中の「キング(の後継誌「富士」)」が斯くも時局的でファナティックにはならなかっただろうと書く。私はそうは思わない。「キング」=野間清治とは常に時局・大衆迎合的であり「立身出世主義」「面白くてためになる」は目的ではなく迎合の手段に過ぎない。迎合的であることに「亜インテリ(丸山眞男の用語らしい)」は思いもよらないのだ。高橋源一郎の『日本文学盛衰史』に、平成にタイムスリップした森鷗外が中公には書くが講談社には書かないという場面がある。講談社=野間清治とはそういう存在なのだ。

  • ishii.mg さん

    佐藤卓己、今のところハズレ無し。ここから派生した後の主著も膨大だがぜひ読みたい。講談社文化と岩波文化のような見方をまず疑う。ファシズムにいたる由来を解析し直すような視点は通底しているようだ。解題で与那覇潤は現代に連なるこれらの亡霊を紹介している。

  • takao さん

    ふむ

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人物・団体紹介

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佐藤卓己

1960年、広島県広島市生まれ。1989年、京都大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。東京大学新聞研究所助手、同志社大学文学部助教授、国際日本文化研究センター助教授、京都大学大学院教育学研究科教授を経て、上智大学文学部新聞学科教授、京都大学名誉教授。主要著作:『『キング』の時代』(岩波書店、

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