「トキワ荘」無頼派 漫画家・森安なおや伝 併載『赤い自転車』

伊吹隼人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784784509409
ISBN 10 : 4784509402
フォーマット
出版社
発行年月
2010年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
280

内容詳細

「トキワ荘」の伝説は終わらない。「のらくろ」の田河水泡に師事、トキワ荘での青春。時代とその個性ゆえ導いた挫折。廃業後の40年、孤独死に至るまでの生涯を追う。終生描き続けた、「孤高のまんが道」。

【著者紹介】
伊吹隼人 : 1959年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。旅行代理店勤務、広告制作会社コピーライターなどをへてノンフィクション作家となる。未解決事件・行方不明事件などについて特に詳しい。また別名義で旅行ガイドブック・日本史・格闘技関連の著作もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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伝説の「トキワ荘」メンバーのなかでほぼ唯...

投稿日:2016/01/20 (水)

伝説の「トキワ荘」メンバーのなかでほぼ唯一商業的成功を収めることができ なかった漫画家、森安なおや(1934〜99)の評伝。飄々とした言動と自由奔放 な振る舞いで「トキワ荘」の無頼派と呼ばれ数多くのエピソードを残している が、漫画家としての活動は余り知られていない。本当に描きたい作品だけを描 きたい時にだけ描き、納得がいかないと描かないという芸術家肌のスタンス、 誰にも真似のできない独特のタッチ、遅筆などが成功を阻む大きな要因といえ るが、最大の要因は時流に乗れなかったということにつきるだろう。「トキワ 荘」メンバーのほとんどは手塚治虫に私淑していて、手塚が主導したモダニズ ム、リアリズム路線に乗って作品を発表し成功を収めていったが、森安が師と 仰いだのは『のらくろ』の田河水泡で、田河のメルヘンとノスタルジーを受け 継ぎ手塚たちの路線に乗らなかったのである。 森安の描く漫画はその奇矯な人柄とはかけ離れた作風であった。甘酸っぱくて 叙情的で心優しいノスタルジックな児童漫画、特に少女向け貸本漫画が彼の本 領であった。しかし貸本漫画はやがてすたれていき、漫画界にも商業主義の荒 波が押し寄せてきた。手塚をはじめ「トキワ荘」のメンバーたちは時流に対応 して成功していくが、森安や寺田ヒロオはそれを潔しとせずに一線を退いた。 寺田は完全に筆を折って隠棲してしまうが森安は漫画を捨てきれず、職業を 転々としつつも作品を描き続けた。晩年の代表作『烏城物語』は森安の非凡な 才能を知らしめたが結局それも再起にはつながらず、最後は都営団地の一室で 孤独死を遂げる。成功しなかったというよりは成功を拒否したような生き方で あり、ある意味彼は究極の自由人だったのだろう。「愛すべき困ったヤツ」( 128p)という森安評はまさに言いえて妙であろう。 本書の後半には森安の貸本時代の代表作『赤い自転車』(143p〜)が全篇収録 されている。赤い自転車に憧れる母子家庭の姉弟の物語で、古き良き昭和の情 景と人々の優しさが胸を打つ感動作。幼い弟を可愛がる姉の心の美しさに森安 のメッセージが込められているといえよう。

金山寺味噌 さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おーしつ さん

    私と同世代で、森安なおやのマンガを読んだ人は殆どいないだろう。その印象は、藤子不二雄A『まんが道』での怪人的なそれか、NHK特集『わが青春の「トキワ荘」』での姿であるはずだ。 本書は彼の場当たり的でいい加減とも言える無頼な人生を追う。NHK特集でのやらせについては、子供時分リアルタイムで見て 漫画家残酷的な現実だと受け止めただけに哀しみが募るが、晩年に『烏城物語』を描き上げた達成感には安堵する。 併録の代表作『赤い自転車』は無茶なストーリーの中にも叙情が溢れていて、二面性を持った本人の投影が感じられる。

  • Happy Like a Honeybee さん

    まんが道で森安氏を知りました。 逝去された時、新聞の地方紙訃報で近所に住んでいたと知り驚くばかり。 後日藤子氏や石森氏などトキワ荘のレジェンドたちが、駅前の中華料理店で追悼会を開いていたと報道があり当時を懐かしく思い出す。 時間は経過すれど森安氏の作品は色褪せない。 いつの日か脚光を浴びる日がくる事を切に願います。

  • 幕 慕蘭 さん

    とても興味深く読んだ。あの、仏のテラさんを激怒させたタカリ癖のある憎めない男(合わない人にはとことん憎まれる男でもある)・森安なおや。思った通りの人だった。しかしその作品は誠実で優しい。NHK特集での森安氏曰く『僕が出ることで、彼らの出世ぶりが余計目立つわけ』は、何とも切ない発言であり、今でもYouTubeで見られる(と思う)。キャバキャバとしか言い様がない。

  • otmsy さん

    森安なおやといえば、「まんが道」以後の「凋落」の印象が強烈で、個人的には前々から興味を抱いていた人物だった。本書を読むと、よく言えば芸術家肌な、悪く言えばいくらでも悪く言えてしまう、そんな彼の実像が浮かび上がる。漫画がシステマティックに生産されていく趨勢では、彼の性向はルーズや固陋と受け取られることになり、命取りになったのだろう。表現媒体や手段が格段に増えた現代であれば、と思ってしまうが、それは私の勝手な願望なのかもしれない。

  • SigZ さん

    ★★★☆ トキワ荘漫画家の自伝で必ず登場する異色のキャラクター。それだけが森安なおやのイメージで、その作品に触れたことはなかった。森安を知る漫画家たちがこぞって評するように叙情的な画風であるが、作風としては当時でも古くさかったのではないだろうか。傍目には自分のやりたいことだけをやって全うした人生であるようにも思えるが、本人にすればそれなりに後悔の多い人生であったろう。性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、それでも生涯筆を折らなかった森安に『山月記』の李徴が重なる。壮年期の画風は少し真崎守に似ていた。

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