「オルグ」の鬼 労働組合は誰のためのものか 講談社プラスアルファ文庫

二宮誠

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062817158
ISBN 10 : 4062817152
フォーマット
出版社
発行年月
2017年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
二宮誠 ,  
追加情報
:
224p;15

内容詳細

労働運動ひと筋40年―。全国各地で労働組合の組織化を指揮してきた「伝説のオルガナイザー」がすべてを語った。怒号飛び交うストライキ、倒産企業の整理でヤクザと対立、労組結成を阻む経営者と直談判。格差に苦しむ労働者とともに闘い続けた活動の記録。

目次 : 第1章 労働運動家として生きる/ 第2章 ゼンセン最後の“バンカラ”/ 第3章 政治と労働組合―組合員を知らない労働組合/ 第4章 組織化は、情報と情熱/ 第5章 人の心に寄り添う「プロの仕事」/ 第6章 激変する労働環境―変わっていくものと、変わらないもの

【著者紹介】
二宮誠 : 1949年、大分県生まれ。72年、拓殖大学卒業、全国繊維産業労働組合同盟(現、UAゼンセン)に入局。福井県支部常任、鹿児島県支部支部長などを経て、88年に組織局全国オルグに。96年にはゼンセン同盟常任中央執行委員(組織担当)とともに、連合本部組織拡大小委員会委員長に就任。その後、UIゼンセン組織局長・副書記長、UAゼンセン東京都支部長、東京都労働委員会委員などを歴任。現在は連合中央アドバイザーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Kentaro さん

    ニトリの会長は、昔から社員に言い続けていることがある。それは、ロマン、ビジョン、意欲、執念、好奇心の五つを持てと。成功の五原則、それを持ったものだけが自己成長できるし、成功者になれるということだ。 実はニトリは労使関係で大きな失敗を経験している。はじめてのアメリカから帰って、経営者として志と夢を持って新たなスタートを切ったが、あまりにその意欲が強すぎて、張り切りすぎて一期生の従業員はみんな辞めてしまった。

  • Yuichi Tomita さん

    オルグって何?というくらい知識がなかったが、なかなか興味深かった。労働組合を組織させるために過激な活動をしていた時期(オイルショック前)の章が面白い。憲法で労働三権が認められているとはいえ、あまりに過激すぎて、書けないことも沢山あったんだろうなと推測された。 今や組合が空気のようなあるのか無いのかわからない存在になってしまっているというのは同意で、なかなか現代に合わなくなってしまっているのも確か。 最近流行っている(?)地域ユニオンについてどう思うのかも知りたかった。

  • 牧神の午後 さん

    組合と縁遠い人生を送っているためか、「ふーん」と言う程度。時代背景も合って、今ならアウトっしょなやり口も目に付く。最後に触れられている通り、もはや社員前提ではなく、非正規問題が大きい中にあっては、会社別の組合モデルも限界で、単純な資本家VS労働者の二項対立でくくれる大きな物語は終焉を迎える中で、労働組合・運動ってのは今後どうあるべきか?どうなるのだろう?というのをぼんやりと考えさせられる。

  • Yuichi Tomita さん

    再読。組合の存在意義を認めている経営者(スーパー、アミューズメント、小売の社長の計3名。小売はなんとニトリ)との対談も興味深い。経営者の目線からすると、労働者の声や不満を吸い上げてくれる組合の存在はありがたいとのこと。誰も述べていなかったが、交渉相手が明確になる点もメリットだろう。 現代において低賃金、劣悪な環境にあるのは、非正規雇用者だという指摘はごもっともで、ここを労働組合がどう拾っていくのかが現代的な課題であろう。

  • nadaha さん

    会社で組合活動を行っている自分からすればかなり興味深い本だった。労働組合とは誰のもので、誰のために活動するのか?というのは誰しもが思う事。「執行部に一任」という思考停止の言葉が持つ魔力。労働組合という組織が戦後日本でどのように根付いてきて、どのような発展を遂げて、何を勝ち取ってきたのか、という歴史観。欧米の労働組合が産業別なのに対して日本では企業別組合になった事で何が出来て何が出来ないのか。学生運動から労働運動へ、思想をアイデンティティにできた時代から考えれば隔世の感があるだろうなぁと思う。

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