近代能楽集 新潮文庫 改版

三島由紀夫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101050140
ISBN 10 : 4101050147
フォーマット
出版社
発行年月
2004年05月
日本
追加情報
:
16cm,264p

商品説明

はやくから謡曲に親しんでいた著者が、能楽の自由な空間と時間の処理方法に着目し、その露わな形而上学的主題を現代的な状況の中に再現したのが本書である。リアリズムを信条としてきた近代劇に対して、古典文学の持つ永遠のテーマを“近代能”という形で作品化した8編の大胆な試みは、ギリシャ古典劇にも通じるその普遍性のために、海外でも上演され好評を博した。

<三島由紀夫>(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。1947年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。
主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    再読。『邯鄲』をはじめとした、比較的よく知られた謡曲を原典として書かれた8篇の戯曲集。謡曲(能楽)の持つ抽象性と普遍性の発見がその根底にある。オペラの「読み替え」を、もっと徹底させたものとも言えるが、三島の戯曲は、古典的な格調を失わず、それでいて現代的なスタイルを纏うことに成功している。ここでの戯曲はいずれも上演を前提としてはいるが(事実、今も再演されている)舞台はきわめてシンプルであり、演じる役者達の動きも大きくはない。すなわち、「言葉」こそがこれらの戯曲の最大の構成要素であったのである。

  • 新地学@児童書病発動中 さん

    文学者としての三島由紀夫の長所は小説よりも、演劇の中で発揮される。今回この『近代能楽集』を読んで、特にそう感じた。美と猥雑、生と死、男と女、幻想と現実、過去と現在といった対立する要素が、一つに縒り合されて唯一無比の世界が作りだされる。作者が楽しんで書いていることが分かって、その喜びが読者に伝わってくるところが嬉しい。一つ一つの台詞もすべての登場人物も生き生きと躍動しており、読んでいて胸が弾んだ。「卒塔婆小町」が私のベスト。猥雑でグロテスクな現実を突き破って、詩情と切なさが漂う終わり方が素晴らしい。

  • 優希 さん

    能のことはよくわからないので、普通に戯曲として読みました。古典と近代が綺麗に絡み合い、独特の世界観が感じられます。過去を新たに置き換えることで出来上がった作品の数々は、三島の想像力あってこそのものだと思いました。実際に誰かが演じている姿が浮かび上がり、まさに舞台を見ているような感覚に陥ります。

  • takaichiro さん

    三島由紀夫の美への拘り、センス、文才が凝縮された作品。原典が能にも関わらず古さを感じない。シュールな8作品はどれも印象的で海外でも上演され好評を博したことも納得。日常生活にはない時間・空間の自由な設定。ストーリー展開のスピードも作品ごとに異なり250ページ足らずの1冊にいくつもの異空間が存在している。フィクションの極みをしっかりと見せられた読後感。読書生活の中でいくつか戯曲集に接したがピンと来た記憶が殆どない私でも、この作品は舞台で見てみたいと思えた。少しお休みしていた三島さんへのアプローチを再開したい。

  • Kajitt22 さん

    能楽の代表的な作品を現代劇に翻案した戯曲集。自由な時間や空間、幻影や生霊が登場する能の世界が、目前に現れるような読み心地に引き込まれた。能や謡曲に十分な素養はないが、能舞台で演じられるこれらの戯曲をぜひ観たいものだ。数十年ぶりの再読だが、やはりこれは素晴らしい作品だと思う。漱石の『夢十夜』に重なるものを感じた。

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三島由紀夫

1925年、東京生まれ。本名、平岡公威(きみたけ)。16歳で「花ざかり」を発表し、天稟を注目される。1947年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務した後、執筆生活に入る。1949年、『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文

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