『ワルキューレ』全曲　ハイティンク＆バイエルン放送響、ゴルトベルク、マルトン、モリス、ステューダー、他(4CD)

ハイティンク＆バイエルン / 『ワルキューレ』全曲

ハイティンク＆バイエルンによる『リング』全曲レコーディングの第1作としてリリースされ、当時絶頂期にあったモリス、マルトン、ゴルトベルク、ステューダーなど名歌手たちの競演が話題を呼んだ一組。特にモリスは、同じ頃のレヴァイン盤にもヴォータン役で出演するなど、唯一無二のヴォータン歌いとして世界的に活躍していた時期。ヴォータン役で一世を風靡したハンス・ホッターに直接教えを請うたという見事な歌唱を聴かせています。体調不良からまもなく引退を余儀なくされたステューダーの澄み切った美声、マルトンのパワフルな巨声も聴き逃せません。『ラインの黄金』ではリポヴシェクが担当していたフリッカ役を、ここではヴァルトラウト・マイヤーが歌っていますが、これもまた贅沢な布陣というべきでしょう。
　ハイティンク指揮のバイエルン放送響も本領発揮の重厚サウンド。対抗配置でヴァオリンが左右に飛び交う様子も効果的な「ワルキューレの騎行」に始まる第3幕は、この指揮者ならではのじっくりとした取り組みが功を奏して聴き応え満点です。

・ワーグナー：楽劇『ワルキューレ』全曲

　ライナー・ゴルトベルク（T：ジークムント）
　エヴァ・マルトン（S：ブリュンヒルデ）
　シェリル・ステューダー（S：ジークリンデ）
　ジェイムズ・モリス（Bs：ヴォータン）
　ヴァルトラウト・マイヤー（Ms：フリッカ）
　マッティ・サルミネン（Bs：フンディング）
　アニタ・ソルト（S：ゲルヒルデ）
　ルース・ファルコン（S：ヘルムヴィーゲ）
　ウテ・ヴァルター（S：ヴァルトラウテ）
　ウルズラ・クンツ（A：シュヴェルトライテ）
　シルヴィア・ヘルマン（S：オルトリンデ）
　マルガレータ・ヒンターマイヤー（A：ジークルーネ）
　キャロライン・ワトキンソン（A：グリムゲルデ）
　マルガリータ・リローヴァ（A：ロスヴァイゼ）

　バイエルン放送交響楽団
　ベルナルト・ハイティンク（指揮）

　録音：1988年2,3月　ミュンヘン、ヘルクレスザール［デジタル］
　48ページ・ブックレット付き
（歌詞テキストは掲載されません）