モーツァルト(1756-1791)

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CD

モーツァルト:レクイエム、他 アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルト(1756-1791)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
UCCG7087
組み枚数
:
1
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

モーツァルト
・レクィエムニ短調K.626
・アリア「この胸を眺めて、私に聞いて下さい」
(聖墓の音楽K.42から)
・ラウダーテ・ドミヌム
(ヴェスペレ[証聖者のための盛儀晩課]K.339から)

カリタ・マッティラ(ソプラノ)
ラヘル・ハルニッシュ(ソプラノ)
サラ・ミンガルド(メッゾ・ソプラノ)
ミヒャエル・シャーデ(テノール)
ブリン・ターフェル(バス・バリトン)
カイ・ヨハンセン(オルガン)
スウェーデン放送合唱団()
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クラウディオ・アバド

録音:1999年7月ザルツブルク〈ライヴ・レコーディング〉
〈デジタル録音〉
《4Dオーディオ・レコーディング》

モーツァルト:レクイエム
アバド指揮ベルリン・フィル他

1999年7月16日、カラヤン没後10周年を記念したザルツブルク大聖堂での演奏会をライヴ収録。第9でベーレンライター版を使用して我々を驚かせたアバドが、今回もまたユニークな改変の加えられた楽譜を使用し、話題盤豊富で混迷をきわめる(?)《モツレク》受容環境にさらなる一石を投じてくれました。
以下順を追って、目立った違いと演奏の特色についてみてみたいと思います。なお、比較の基準はジュスマイヤー版です。
 イントロイトゥス;冒頭の低弦・木管楽器は穏やかに歌い出され、大きな残響も伴って非常に荘厳な音楽を形作っています。合唱界の重鎮E.エリクソンに鍛え上げられたスウェーデン放送合唱団の、細かく配慮されたパート・バランスも見事。マッティラの深く訴えかけるような歌唱も印象的です。
キリエ;ここでも、ひっそりとした歌い出しが特徴的。フォルテを多用して音の洪水に溺れるようなことは無く、それぞれの声部の出だしが大切にされています。
 怒りの日;非常に長い残響の中で、トランペットなどを部分的に際立たせることでメリハリの付けられた演奏です。
 トゥーバ・ミルム;なんと言ってもターフェルの(レクイエム離れした?)朗々とした歌唱が印象的。さてこのあたりから譜面上の大きな違いが出てきます。
まずは独唱がテノールに代わる個所からのトロンボーンの削除。ただしこれは、ここからはテューバ・ミルム(妙なるラッパ)のテキストではなく、単純に装飾的なものとしてジェスマイヤーが書き加えたものとして、バイヤー版などでも採用されているカットです。ただし28小節目では、トロンボーンの音形が弦に割り当てられているのが特徴的です。(バイヤー版でも動きは付けられていますが)
 レクス・トレメンデ;冒頭2拍目がゲネラル・パウゼ(全体休止)になっていることが特徴的。ジェスマイヤー版では管、バイヤー版ではオルガンまで加わっている四分音符が消滅しています。この演奏ではそこを大きく残響がカバー。出典は不明ながら、いかにも「御霊威(みいつ)の大王」の威厳を感じさせる処理ではあります。
 ラクリモサ;モーツァルトの絶筆と言われる8小節目(近年の研究では9小節目)より後の処理に期待は膨らみますが、案外普通。と思っていると驚くのが、中間部から冒頭の合唱旋律に回帰する個所で、オーケストラが1小節早くフォルテで入って合唱を先導する、その1小節が消えているのです。
 サンクトゥス;ヴィオラ以上の弦パートは冒頭から全くの差し替え。上昇音形を基本として、歌詞にふさわしい、非常にきらびやかな装飾を与えられています。また「ホザンナ」フーガも大きく違い、28小説が58小説にまで拡大されています。
 ベネディクトゥス;19小節目からの、管に呼応する弦は、「イントロイトゥス」15小節目からのフレーズを若干変えたものに差し替えられています。また、「ホザンナ」に回帰する直前に、トランペットの音形が特徴的な小節が挿入されるほか、続くフーガは二重になっており、さらに祝典的に盛り上げられます。
 アニュス・デイ;ティンパニのリズムに変化が聴かれるほか、25小節目からの合唱の入りは、パートの順番が変更されています。また終結部も全く違ったものになっています。

ざっとこの演奏の特色について述べてきましたが、その他細かな相違点ともなると相当なものです。最新の研究成果に旺盛な関心を示すアバドならではの大盤振る舞いで、この曲の好きな人にはたまらない刺激に満ちたアルバムだと言えるでしょう。大聖堂の長大な残響も作品にふさわしく、アバドゆかりの小品2曲がきちんと収められているのも嬉しいところです。

内容詳細

いちおうバイヤー版とあるが初めて耳にする箇所もある。アバドの指揮は素晴らしいが、スタジオであらためて録音すべきでなかったか。教会で、ソロと合唱付きで、ライヴなんて危険だって。案の定マイクの位置が悪かったのか合唱(特に男声)がNG。惜しい。(寺)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

ユーザーレビュー

総合評価

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おやっと思わされる箇所もあるが、なかなか...

投稿日:2022/05/16 (月)

おやっと思わされる箇所もあるが、なかなか聴きごたえのある素晴らしいレクイエムだ。独唱陣はもとより、合唱団も文句なし。それにベルリンフィルときたもんだ!数あるレクイエムの中でも出色のものだ。併録の二作品もとてもよかった。これは絶品!

酒を愛する老人 さん | 北海道 | 不明

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確かにアバドは第9のベーレンライター事件...

投稿日:2006/05/09 (火)

確かにアバドは第9のベーレンライター事件で我々を震撼させてくれた。今回もアバドは期待を決して裏切らない。どれほど学究的に優れた内容でも、まずは演奏だ。現代音楽の分野で最高の表現を可能にするスウェーデン放送合唱団をここまで浮かせまくるとはたいしたものだ。素晴らしいものを選りすぐり、それをカオス状態で葬り去るその手腕。オケもひたすら個人技に走り、その壊滅的なバランスの悪さは本当に凄い。カラヤンの魂を地獄にでも堕とすつもりだろうか?もはや存在自体がギャグ。アバドはやはり凄い。

奇矯収集家 さん | 東京湾 | 不明

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人物・団体紹介

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モーツァルト(1756-1791)

1756年:ザルツブルクで誕生。 1761年:最初の作曲(『アンダンテ ハ長調 K.1a』)。 1782年:オペラ『後宮からの誘拐』初演。 1783年:大ミサ曲ハ短調 K.427(417a)を上演。 1785年:弦楽四重奏曲集(ハイドン・セット)をハイドンに献呈。 1786年:オペラ『フィガロの結婚 K.492』初演。 1787年:父レオポル

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