ピアノ協奏曲第９番、第１９番、第２０番、第２４番　ハスキル、ブール＆パリ音楽院管、マルケヴィチ＆フランス国立放送管、他（２ＣＤ）

仏INAアーカイブより、ハスキル未発表テープ！
1948年のモーツァルト：ピアノ協奏曲第20番

1948年、第1回エクサン・プロヴァンス音楽祭でのモーツァルト：ピアノ協奏曲第20番を収めたこの音源は、INAアーカイブから奇跡的に発見されました。第2次大戦中の録音はないため、この録音が手術後初のレコーディングとなります。オリジナルLPはフランスのFNACが発売、このたびINAからCD化されます。
　1941年、占領下のパリから逃れマルセイユ近郊に疎開したハスキルは、偏頭痛と視力障害に悩まされるようになり、パリから呼ばれた名外科医により、視神経を圧迫する腫瘍を取り除く大手術を受けます。
　30年代、まだ若い頃のハスキルは、聴衆の前での演奏を嫌っていました。緊張と不安で押しつぶされそうになりながらひとつひとつの音に全神経を集中させて演奏している姿に聴衆も息を詰めて聴き入ったといいます。しかし1956年ブザンソン音楽祭では、不安を微塵も感じさせない円熟した演奏となっています。
　控えめで、気難しく、世間に疎いハスキルは、彼女を理解し寛容に受け入れてくれる周囲の人々に多く助けられています。特に後期においては、オランダ人のKonigとスイス人のMichel Rossierに多くの支援を受けています。Konigはすでに中年を過ぎていたハスキルの才能を信じ、私財を投じてコンサートやツアーを企画手配に尽力しました。一方Rossierは、金銭的な支援はせず、妻Loukiとふたりでハスキルを理解し、温かく思いやりあふれる友人関係を築きました。ハスキルは特にRossierに絶大な信頼をおき、彼らに守られながら世界的演奏家へと育っていきました。（エルモ）

【収録情報】
CD1 [60:51]
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第9番K.271『ジュノーム』 [32:07]
　フランス国立放送管弦楽団
　イーゴリ・マルケヴィチ（指揮）
　録音時期：1955年6月8日
　録音場所：スイス、ローザンヌ
　録音方式：モノラル（ライヴ）

・モーツァルト：ピアノ協奏曲第19番K.459 [28:15]
　パリ音楽院管弦楽団
　イェジー・カトレヴィッツ（指揮）
　録音時期：1956年9月6日
　録音場所：ブサンソン（第1回ブザンソン音楽祭）
　録音方式：モノラル（ライヴ）

CD2 [59:19]
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第24番K.491 [30:58]
　フランス国立放送管弦楽団
アンドレ・クリュイタンス（指揮）
　録音時期：1955年12月8日
　録音場所：パリ、シャンゼリゼ劇場
　録音方式：モノラル（ライヴ）

ボーナス・トラック：
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第20番K.466 [29:22]
　パリ音楽院管弦楽団
　エルネスト・ブール（指揮）
　録音時期：1948年7月25日
　録音場所：エクサン・プロヴァンス（第1回エクサン・プロヴァンス音楽祭）
　録音方式：モノラル（ライヴ）

　クララ・ハスキル（ピアノ）