CD 輸入盤

交響曲第10番(ガムゾウ版) ヨエル・ガムゾウ&国際マーラー管弦楽団

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
WER5122
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


マーラー:交響曲第10番補筆完成全曲版
ヨエル・ガムゾウ指揮国際マーラー管弦楽団
新たな第10番補筆完成版、2010年ガムゾウ版がついにCD化!


マーラー10番の補筆完成版といえばクック版が主流で、ほかにカーペンター版やマゼッティ版、ホイーラー版などがありますが、今回登場するのは、1987年イスラエル生まれの若手指揮者、ヨエル・ガムゾウによるヴァージョンです。ガムゾウは、少年時代にマーラーの第10番に魅せられ、16歳から補筆全曲版に着手して23歳で完成、2010年9月にベルリンのユダヤ芸術祭で国際マーラー管弦楽団をみずから指揮して初演に漕ぎつけています。
 今回登場するCDは、マーラー没後100周年の2011年にベルリンのフィルハーモニーでおこなわれた演奏会のライヴ録音で、同じく国際マーラー管弦楽団をガムゾウ自身が指揮しています。
 フィルハーモニーでのライヴ録音ながら、無用なフィルタリングや間接音カットがおこなわれていないため、音質は大変良好で、衝撃的なバスドラムから弱音まで確かな存在感で再生されるのは何よりの朗報です。

【収録情報】
● マーラー:交響曲第10番(ガムゾウ補筆完成版)
[79:27]
 第1楽章: Adagio [25:29]
 第2楽章: Scherzo: Schnelle Vierteln [13:23]
 第3楽章: Purgatorio [05:16]
 第4楽章: Wild. Der Teufel tanzt es mit mir [11:00]
 第5楽章: Finale [24:19]

 国際マーラー管弦楽団
 ヨエル・ガムゾウ(指揮)

 録音時期:2011年11月24,25日
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

【マーラー交響曲第10番補筆完成版】
マーラーの第10番全曲といえば、どのヴァージョンが使用されているかが気になるところですが、ここでは主流のクック版を中心に簡単にまとめておきます。

【BBCによる壮大な計画】
クック版がつくられるきっかけとなったのは、BBCによって企画されたマーラー生誕100周年記念行事の一環として、交響曲第10番を完成した姿で世に紹介しようという計画でした。
 この計画のため、BBCは1959年に音楽学者のデリック・クック[1919-1976]に補筆完成作業を依頼し、クックはこれを受諾、翌年の放送初演に間に合わせるべく作業に取り掛かり、12月19日、ピアノとオーケストラを交えたクック自身による解説の後に、補筆完成の協力者でもあるベルトルト・ゴルトシュミット指揮フィルハーモニア管弦楽団による演奏で全曲が放送されています。

【アルマ・マーラーの怒り】
ところがこの補筆完成に関わっていなかったアルマは、自身の知らぬヴァージョンが放送されたことで怒り、このクック版による演奏を禁止してしまいます。背景には、アルマがシェーンベルクに完成を依頼して断られたりしていた事情もあるものと思われます。
 しかし1963年になると、かつてショスタコーヴィチに完成版を依頼して断られた経験があるジャック・ディーサーらが、アルマのもとを訪れ、くだんのBBC放送録音を実際に聴かせた結果、アルマはそのヴァージョンを気に入り、演奏禁止の解除を決心させることに成功します。
 良いことは続くもので、その後、アルマの娘のアンナ・マーラーと、マーラー研究者のアンリ=ルイ・ド・ラ・グランジュによって40ページものスケッチが発見。この楽譜は、ジャック・ディーサーによって、ただちにデリック・クック、クリントン・カーペンター、ジョー・ホイーラーら完成版に取り組む人々に送付され、各ヴァージョンはそれまでの姿に大きな変更を加えることとなるのです。

【クック第2稿の初演】
新発見素材をもとに、第2楽章と第4楽章の欠落部分を補うなどして完成されたのが、クック第2稿で、このヴァージョンは、1964年のプロムスで8月13日に初演されています。これは欠落の無い完成版ということもあって注目を集め、翌年11月にはさっそくユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によってセッション・レコーディングがおこなわれていました。

【クック第3稿とゴルトシュミット】
ゴルトシュミットについては、十数年前の退廃音楽ブームの際に多くのアルバムがリリースされたことをご記憶の方も多いことでしょう。ユダヤ系ドイツ人作曲家のベルトルト・ゴルトシュミット[1903-1996]は、ナチによる迫害を逃れてイギリスに亡命、BBCに勤務していたという人物。当初からクックの作業に助言を与えており、第3稿第1版の後、クックが57歳で急死した後も、クック版の推敲に尽力し、1989年には第3稿第2版を刊行していました。

【交響曲第10番全曲版】
以前は第1楽章のアダージョのみの録音が多かったマーラーの交響曲第10番は、ここ数年全曲版の録音が相次いで登場し、多くの謎と未解決の問題を孕むこの未完の大作が広く一般に聴かれるようになってきました。特にサイモン・ラトルがベルリン・フィルを指揮した録音の登場は、この作品が他のマーラーの交響曲と同様に、レパートリーとしての不動の地位を確立したことを強く印象づける画期的な出来事と言えるものでした。
 最も代表的なデリック・クック[1919〜76]による補筆完成版の他に、カーペンター版やマゼッティ版、ホイーラー版など、マーラーが残したスケッチや資料に基づく独自の分析と研究、それに豊かな想像力を加えた様々なヴァージョンが数多く存在するのもこの作品の特徴であり、ファンにとってはますます興味の尽きない状況となっています。
 マーラーが交響曲第10番に本格的に着手したのは1910年夏のことで、その年のうちに作品の骨格にあたる全5楽章の略式総譜を書き上げ、第1楽章全体と第2楽章、および第3楽章の一部はスケッチの形でオーケストレーションも施されました。 この年の7月から9月にかけてのマーラーの身辺は波乱に満ちたもので、第10番の作曲に取り掛かった直後の7月に愛妻アルマの不倫が発覚し結婚生活最大の危機を迎え、マーラーは精神的に不安定な状態に陥り、そのため8月末には精神分析の創始者として有名なフロイトを訪ねて診察を受けています。
 また9月にはミュンヘンで交響曲第8番『千人の交響曲』の初演を指揮し、作曲家マーラーとして空前絶後の大成功を収めますが、これが最後の自作の初演となりました。
 1911年5月18日にマーラーはこの世を去り、第10番は未完成のまま残されました。その後多くの作曲家や研究者たちの手によって紆余曲折を経ながら、この作品の補筆完成の試みが続けられ現在に至っているわけですが、最初の録音はウィン・モリス指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団によって、デリック・クックの「最終改訂版」である第3稿の第1版を用いておこなわれています(この版は彼らによって1972年10月に初演が行われています)。
 クック版第3稿は1976年に第1版が出版され、同年クックも亡くなっているので「最終改訂版」と言われていますが、1989年には、クックと共同作業を進めていたゴルトシュミットとマシューズ兄弟がさらに改訂を加えた第3稿第2版が出版されています。ラトル&BPO盤はこの第3稿第2版によっています。ちなみに第2稿にはオーマンディのセッション録音などがありますが、第1稿は完全な全曲ヴァージョンではないということもあってか録音がなかったものの、BBCの初演放送が登場することとなりました。
 いくつかある全曲ヴァージョンの中で、一般的なのは、クック版第3稿第1版=COOKEUの演奏で、録音もモリス、ザンデルリング、レヴァイン、ラトル&ボーンマス響、シャイー、ギーレンなどがありますが、独自の改訂を加えたものが多いのも特徴です。

第10番全曲 ヴァージョン別録音リスト

【クック版第1稿】
  • ゴルトシュミット&フィルハーモニア管
    【クック版第2稿(COOKET)】
  • ゴルトシュミット&ロンドン響
  • オーマンディ&フィラデルフィア管
  • マルティノン
    【クック版第3稿第1版(COOKEU)】
  • モリス&ニュー・フィルハーモニア管
  • ザンデルリング&ベルリン響
  • レヴァイン&フィラデルフィア管
  • ラトル&ボーンマス響
  • シャイー&ベルリン放送響
  • インバル&フランクフルト放送響
  • ギーレン&南西ドイツ放送響
    【クック版第3稿第2版(COOKEV)】
  • ラトル&ベルリン・フィル
  • ノセダ&BBCフィル
  • ハーディング&ウィーン・フィル
    【バルシャイ版】
  • バルシャイ&ユンゲ・ドイチェ・フィル
    【カーペンター版】
  • ファーバーマン&フィルハーモニア・フンガリカ
  • リットン&ダラス響
  • ジンマン&トーンハレ管
  • ラン・シュイ&シンガポール響(映像)
    【マゼッティ版第1稿】
  • スラトキン&セント・ルイス響
    【マゼッティ版第2稿】
  • ロペス=コボス&シンシナティ響
    【ホイーラー版】
  • オルソン&ポーランド放送響
    【サマーレ&マッツーカ版】
  • ジークハルト&アーネム・フィル
    【ピアノ版(スティーヴンソン&ホワイト編)】
  • クリストファー・ホワイト

    年表

    【1910】
  • 作曲開始
    【1911】
  • マーラー死去。10番については、4段譜表による全曲の略式総譜、つまり作品の骨格がすでに完成されており、うち、第1楽章と第2楽章、および第3楽章の最初の30小節はオーケストレーションを施したスケッチもなされていました。
    【1924】
  • 後に娘のアンナの夫となる作曲家、エルンスト・クルシェネクにアルマが完成を依頼。ほどなく、第1楽章草稿をほぼそのまま演奏譜に直し、第3楽章スケッチにオーケストレーションを施した2楽章版が完成する。ただし、スケッチの読み違いなども多く、その後1951年に刊行されるまでには、シャルクやツェムリンスキーによってかなり修正されることとなります
  • 10月14日、シャルクの指揮により上記クルシェネク版、ウィーンで初演。次いで11月にはメンゲルベルクがオランダ初演、12月にクレンペラーがベルリン初演、同じく12月にはツェムリンスキーがプラハ初演。
  • ウィーンのパウル・ソルナイ(のちのアンナの夫)により、スケッチのファクシミリ版刊行(一部に欠損あり)
    【1935】
  • フリードリヒ・ブロックによるピアノ4手版完成
    【1942】
  • ジャック・ディーサーは作品完成に向け、レニングラードでショスタコーヴィチを招いて打診するものの断られます
    【1946】
  • アルマはジャック・ディーサーをビヴァリー・ヒルズの自邸に招きシェーンベルクに打診するよう依頼するものの、シェーンベルクからは断られます
  • アメリカのクリントン・カーペンター、自らの補筆完成版にシカゴで着手
    【1951】
  • ニューヨークのアソシエイテッド・ミュージック・パブリッシャーからクルシェネク版刊行
    【1952】
  • ヘルマン・シェルヘンがアダージョを初録音(←バルシャイが若き日に影響を受けた録音)。
    【1953】
  • イギリスのジョー・ホイーラー、自身の完成版にロンドンで着手。
    【1954】
  • ドイツのハンス・ヴォルシュラーガー、補筆完成版に着手
    【1955】
  • ホイーラー版の完成。ホイーラー第1稿と呼ばれます
    【1957】
  • ホイーラー版の一部、ロンドンで試演
    【1959】
  • ホイーラー第3稿完成。
  • BBCがマーラー生誕100年祭を企画。デリック・クック が補筆完成版に着手
    【1960】
  • 12月19日、BBC放送にて ベルトルト・ゴルトシュミット による クック全曲版 初演(第2楽章と第4楽章に一部欠落あり)。
  • アルマが放送を知り、演奏を禁止。
    【1963】
  • ハロルド・バーンズ、ジャック・ディーサー、ジェリー・ブラックがニューヨークのアルマを訪れ、BBC放送の演奏を聴かせ、演奏禁止措置を解除させることに成功。
  • アンナ・マーラー と アンリ=ルイ・ド・ラ・グランジュ によって40ページのスケッチが発見され、ジャック・ディーサーによってカーペンターとホイーラーらにページを送付。
    【1964】
  • 8月13日、上記発見ページによる補完を経た クック第2稿 が、ゴルトシュミット指揮によりプロムスで初演される。
  • ウニフェルザールの全集版に第1楽章のみ取り入れられます。
    【1965】
  • 改訂を経たホイーラー第3稿 が、アーサー・ブルーム指揮によってニューヨークで初演されます。
  • 11月、オーマンディがクック第2稿 により、フィラデルフィア管弦楽団を指揮してレコーディング。(SONY、廃盤)
    21:35+11:13+03:40+11:32+21:22=69:22
    【1966】
  • カーペンター版完成。
  • 5月、 ジャン・マルティノン が、 クック第2稿 を用い、シカゴ交響楽団を指揮して演奏。のちにCD化されますが現在は入手不可。
    20:55+10:00+03:57+10:41+20:29=66:02
    【1966】
  • 11月、ホイーラー第4稿(最終完成稿)が ジョネル・ペルレア指揮マンハッタン音楽学校管弦楽団によりニューヨークで初演。
    【1972】
  • 10月、ウィン・モリスが クック第3稿第1版 により、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団を指揮して初演とレコーディングを実施。(PHILIPS)
    21:52+12:15+04:23+13:20+27:52=79:42
    【1974】
  • ヴォルシュラーガー、完成版創作を中止。
    【1975】
  • 6月、ジャン・マルティノン が、クック版を用い、ハーグ・レジデンティ管弦楽団を指揮して演奏。
    21:00+10:21+03:55+09:57+20:22=65:35
    【1976】
  • ニューヨークのアソシエイテッド・ミュージック・パブリッシャーから クック第3稿 刊行。デリック・クックのほか、ベルトルト・ゴルトシュミット、コリン・マシューズ、デイヴィッド・マシューズの協力により完成しています。
    【1979】
  • 11月、クルト・ザンデルリングが、自身による第4・5楽章の大幅な改訂とゴルトシュミットの改訂を含んだ クック第3稿第1版 により、ベルリン交響楽団を指揮してレコーディング。(ETERNA)
    23:30+13:15+04:05+11:20+22:08=74:18
    【1980】
  • 1月、 ジェイムズ・レヴァインが、 クック第3稿第1版 により、フィラデルフィア管弦楽団を指揮してレコーディング。(RCA)
    24:38+11:50+04:12+12:37+28:30=81:47
  • 6月、サイモン・ラトルが、ゴルトシュミット承認のもとにおこなった自身の改訂を含む クック第3稿第1版 により、ボーンマス交響楽団を指揮してレコーディング。(EMI)
    23:53+11:26+04:03+11:54+24:07=75:23
    【1983】
  • カーペンター版 の初演がゴードン・ピータース指揮シカゴ市民管弦楽団により行われる。
    【1983】
  • レモ・マゼッティ・ジュニア が自身のヴァージョン制作に着手。
    【1986】
  • マゼッティ版 の3つの楽章が ガエタノ・デローグ によってオランダで初演。
  • 10月、リッカルド・シャイーが、 クック第3稿第1版 により、ベルリン放送交響楽団を指揮してレコーディング。(DECCA)
    20:48+11:49+04:22+11:26+25:04=73:29
    【1989】
  • クック第3稿第2版 、マシューズ兄弟、ゴルトシュミットによる編集を経て刊行(クック自身は第3稿第1版刊行直後に死去)。
    【1989】
  • マゼッティ版完成。 デローグにより初演。
    【1992】
  • 1月、エリアフ・インバルが、 クック第3稿第1版 により、フランクフルト放送交響楽団を指揮してレコーディング。(DENON)
    22:50+11:04+03:58+11:04+21:53=70:49
    【1993】
  • 11月、 マーク・ウィッグルスワース が、 クック第3稿第2版 により、ウェールズBBCナショナル管弦楽団を指揮して演奏。雑誌BBC MUSICの付録としてCD化。
    22:24+11:27+04:08+11:26+23:56=73:21
    【1994】
  • レナード・スラトキンが、マゼッティ版により、セントルイス交響楽団を指揮してレコーディング。(RCA)
    24:28+11:38+03:48+11:06+24:02=75:02
    【1995】
  • ハロルド・ファーバーマン が、 カーペンター版 により、フィルハーモニア・フンガリカを指揮してレコーディング。(GOLDEN STRING,廃盤)
    【1996】
  • 指揮者のロバート・オルソンが、レモ・マゼッティとオランダの研究者、フランス・ボウマンの協力を得てホイーラー第4稿の改訂に着手。
    【1997】
  • オルソン、マゼッティ、ボウマンの3人により完成したホイーラー第4稿の改訂版が、ロバート・オルソン指揮コロラド・マーラー・フェスティヴァル管弦楽団により初演。音楽祭事務局によりCD化。
    【1999】
  • 9月、サー・サイモン・ラトルが、クック第3稿第2版 により、ベルリン・フィルを指揮して演奏、CD化。(EMI)
    25:03+11:16+03:53+12:04+24:34=76:50
    【2000】
  • 2月、すでに自らのヴァージョンを完成していたマゼッティが、1997年のコロラド・マーラー・フェスティヴァルにおけるホイーラー第4稿改訂作業に参加した際に、自らのヴァージョンの改訂を思い立ち、完成した第2稿をロペス=コボス&シンシナティ響が初演。レコーディングもTELARCによって、ただちに実施され、同年11月には早々とリリース
  • 10月、シュタットルマイヤー&クレメラータ・バルティカによる弦楽合奏用編曲で、クレーメルとクレメラータ・バルティカが第1楽章アダージョをレコーディング
    【2001】
  • 5月、DELOSレーベルでマーラー全集進行中のアンドルー・リットン&ダラス交響楽団により、カーペンター版を使用したコンサートが催されライヴ収録
  • 9月、ベルリンでバルシャイが自身のヴァージョンによりレコーディング。
  • 9月、イタリアのペルージャでサマーレ&マッツーカ版が、ジークハルト指揮ウィーン響により初演。
    【2002】
  • 6月、コロラド・マーラー・フェスティヴァルでホイーラー第4稿改訂版を演奏した、ロバート・オルソンが、ポーランド国立放送響を指揮して同ヴァージョンをレコーディング。商業録音としては初のホイーラー版の登場。
    26:15+12:03+04:30+12:15+23:53=78:56
    【2004】
  • 12月、ダニエル・ハーディングがロサンジェルス・フィルを指揮して、クック全曲版でマーラーの10番をとりあげます。
  • 12月、ダニエル・ハーディングがウィーン・フィル・デビューに際し、クック全曲版でマーラーの10番をとりあげます。
    【2005】
  • 3月、クック全曲版に批判的だったミヒャエル・ギーレンが、考えを変え、同ヴァージョンによりマーラーの10番を録音します。
    【2007】
  • 8月、ジャナンドレア・ノセダがBBCフィルと、クック全曲版でマーラーの10番をCHANDOSにレコーディング。
  • 10月、ダニエル・ハーディングがウィーン・フィルを指揮して、クック全曲版でマーラーの10番をDGにレコーディング。
  • 12月、サマーレ&マッツーカ補筆完成版をジークハルトが初レコーディング。
    【2008】
  • 8月、クック校訂全曲版を土台にしたスティーヴンソンとホワイトによるピアノ・ソロ編曲版がクリストファー・ホワイトによりレコーディング。
  • 11月、クック第3稿第2版をウィッグルスワースがメルボルン響と録音。
    【2010】
  • 1月、ジンマン&トーンハレ管がカーペンター版をレコーディング。
  • 9月、イスラエルの若手指揮者ヨエル・ガムゾウが完成した全曲ヴァージョンが国際マーラー管弦楽団の演奏によりベルリンで初演。
    【2011】
  • 2月、テスタメントから10番初演3枚組アルバムが登場。
  • 6月、インバル&コンセルトヘボウ管弦楽団がクック版を映像収録。
  • 11月、ヨエル・ガムゾウが自身の全曲ヴァージョンをベルリンで再演。
  • 11月、インバル&コンセルトヘボウ管弦楽団がクック版を映像収録。
    【2013】
  • 2月、金聖響&神奈川フィルがクック版を録音。
    【2014】
  • 7月、インバル&東京都交響楽団がクック版を録音。
  • 10月、ネゼ=セガン&メトロポリタン管弦楽団がクック版を録音。
    【2015】
  • 11月、ダウスゴー&シアトル交響楽団がクック版を録音。

  • 収録曲   

    • 01. Mahler: Symphony No. 10: I. Adagio [25:30]
    • 02. II. Scherzo. Schnelle Viertel [13:24]
    • 03. III. Purgatorio [5:17]
    • 04. IV. Wild. Der Teufel tanzt es mit mir [11:00]
    • 05. V. Finale [24:19]

    ユーザーレビュー

    総合評価

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    レヴァインのLPをながらく愛聴し、その後次...

    投稿日:2018/09/17 (月)

    レヴァインのLPをながらく愛聴し、その後次々世に出た補筆完成版の演奏には資料価値+α程度しか感じずにいました。このガムゾウ版もそのような気持ちでいたのですが、間違っていました。版がどうのではなく演奏が素敵なのです。曲が音符が生き生きと踊るような、NYP時代のバーンスタインのようにアコーギックのきいた、それでいてごく自然体で……「こんなマーラーが聴きたかった」という演奏です。音楽に命が宿った好例ではないでしょうか。資料ではなく素敵な演奏をお求めの方にイチ押しの一枚です。

    TIKHON さん | 奈良県 | 不明

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    マーラーの”未完成交響曲”は略式スコアの...

    投稿日:2017/10/09 (月)

    マーラーの”未完成交響曲”は略式スコアの形で出来上がっていた 1911年の夏休みが来ればオーケストレーションの整ったスコアが完成するはずだった 連鎖球菌による亜急性細菌性心内膜炎になり夏休みが来なかったため未完として残った 以後クルシェネクに始まって多くの人が”第10番”の演奏可能な総譜作りに挑んできた そのいずれもがマーラー自身が書き残したスコア部分にはほとんど触らずそれ以外を補筆した このガムゾウ版にはオーケストラ・スコアを実現するとともに精緻化をしたと明示している すなわち全曲を通してガムゾウの手が入っている 作曲者のオーケストレーションも変更している これはマーラーが自ら指揮して初演した後にスコアを補筆していた事実からもあってしかるべき処置だ 演奏を聴けば納得できる 自然な進行と展開に違和感はない 何より音楽の流れがいい グロテスクな強調に気を取られなくなった 音楽に静謐な品のようなものが漂い出した この世への告別 様々な打撃による絶望と虚無などなどこれまで言い准えられてきた”第10交響曲”のイメージに風穴を開けたスコアであり演奏である 枯淡と言おうか 老境に入ってより深遠な洞察の窓を開こうとするマーラーが見える お聴きになっては如何   

    風信子 さん | 茨城県 | 不明

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    2011年、マーラー没後百周年の年のライヴで...

    投稿日:2016/11/13 (日)

    2011年、マーラー没後百周年の年のライヴではあるが、世に出て本当に良かった。第10番補筆版の中でも、これまでにない大胆かつ尖鋭な感覚を持った補作かつ指揮。第1楽章やプルガトリオ序盤のように作曲者の遺した書きかけフルスコアがある場合はそれに従うのがこれまでの補作の定番だったが、そこすらも思い切って変えている。もちろん最初から最後までつながっている小譜表(パルティチェル)の枠内での補作ではあるが、「やり過ぎ」という批判は当然、巻き起こるだろう。しかしカーペンター版のように単に厚塗りしただけではないし、響きの感覚はほぼシェーンベルク、ベルクのそれではあるが、バルシャイ版のような場違い感は意外にも少ない。 第1楽章冒頭の序奏旋律は何とヴィオラ・ソロ。アダージョ主題も故意にたっぷりと歌わない。面白いとは思うがどうしても好きになれないダウスゴー盤のような即物的な感覚とも違って、テンポは十分に遅いが、すでに「彼岸の音楽」という感じだ。それに対し第2主題はきわめて奔放で対比が強い。第2楽章はこの補作のハイライト。変拍子のスケルツォ主題と第1楽章アダージョ主題の変形であるレントラーとの間にテンポと表情の両面で最大限のコントラストをつける。スケルツォ主題のポリフォニックな展開も、まさにこうでなくては。第3楽章はずいぶん遅い。焦燥感がなくなったのは惜しいが、オーケストレーションは独創的。逆に第4楽章はきわめて速く、トリオでの減速はあるものの一気呵成に行く。終楽章冒頭は非常に遅く、やはり闘争的なアレグロ部は速い。(かつてないほど凄まじい)カタストローフ後のフルート主題の最終発展部はすこぶる輝かしく、まさに凱歌のようだ。まだ20台の補作者=指揮者の率直な感覚は大いに買いたい。HPで見る限り、国際マーラー管弦楽団はまだ室内オケ規模の団体なので、4管編成の総譜に合わせて大量にエキストラを入れていると思われるが、大健闘だ。

    村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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    人物・団体紹介

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    マーラー(1860-1911)

    1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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