交響曲第1番『巨人』,アイヴズ：『夕暮れのセントラルパ−ク』、『答えのない質問』　ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団

ミヒャエル・ギーレンのマーラー『巨人』＆アイヴズ作品集
　ミヒャエル・ギーレンのマーラー・サイクルに遂に『巨人』が登場。見通し抜群の堅牢な構築性と、細部情報のコントロールの巧みさがギーレンの絶好調ぶりを伝える素晴らしい演奏。楽器配置は第2ヴァイオリン右側の両翼型。

　組み合わせは、アイヴズの代表作で、哲学的な意味合いを持つとされる『答えのない質問』と、同じ年に作曲され、正反対の意味合いを持つとされる『夕暮れのセントラル・パ−ク』。ちなみに前者には、「生真面目なことについての考察、または答えられることのない永続する問いかけ」という副題が、後者には「まったくつまらないことについての考察、または、古き良き夏の日のセントラル・パーク」という副題が付されており、両作品を“対”とみなすことも可能です。
　ギーレンの演奏は怜悧で冷え冷えとしたクールな感触が特徴的なもので、両作品を並置することによる統一感のある雰囲気も魅力十分。マーラーの爆発のあとに、こうした浄化作用のある音楽を配した選曲はさすがと言えます。

　なお、ギーレンのマーラーは、秋には第5番の録音が予定されています。

�@マーラー：交響曲第1番『巨人』
　15:35+06:59+09:48+19:39=52:01（実測値）
　反復実施

�Aアイヴズ：『夕暮れのセントラル・パ−ク』
　10:40（実測値）

�Bアイヴズ：『答えのない質問』
　05:16（実測値）

　ミヒャエル・ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団

マーラーは2002年6月11-13日、フライブルク、コンツェルトハウスでのデジタル録音
アイヴズは1995年2月3日、バーデン＝バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオでのデジタル録音