日本語解説付き
『愛の喜び』の作者として人気絶頂をきわめた名匠、晩期の充実作!
鬼才ニケの圧倒的解釈で
ヴェルサイユ宮殿が推進するフランス音楽復興プロジェクトは、現代において滅多に名前が知られていない作曲家の復権にも大きな貢献を果たしつづけています。予算をかけて録音に踏み切るということは、知らしめる意義がそこにあると関係者一同が認識してのこと。秘曲発掘に実績ありのエルヴェ・ニケが新たに録音した今回のアルバムもまさにそうした実績に連なる1枚と言ってよいでしょう。この指揮者が手がけてきた知名度の低い作曲家たちのアルバムをひとつでもご存知の方なら、その意味は十二分にご理解いただけるに違いありません。
マルティーニという名の作曲家は18世紀に何人かいますが、ここに登場するのは不滅のヴォーカル・ナンバー『愛の喜び(Plaisir d'amour)』を書いたことで知られるフランス随一の人気オペラ作曲家。マルティーニというのは筆名で本人はバイエルン生まれのドイツ人ですが、1765年にパリに出て以来飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を得、王室にも愛されながら革命期にも迫害を避けつつ第一線で活躍、あまりの人気にメユールやカテルら同時代人たちに妬まれ歌劇界を追われたものの、教会音楽で根強い支持を得ました。
『レクィエム』はナポレオン治世下で書かれながら、王政復古後ルイ16世の遺骸再埋葬時に演奏され注目を集めた傑作。バス独唱の活躍もさることながら、充実した金管の響きなどピリオド楽器でこそ真価のわかる音楽内容には、まさにニケという解釈者が絶好というほかありません。(輸入元情報)
【収録情報】
● マルティーニ:ルイ16世に捧ぐレクィエム(1811)
アドリアーナ・ゴンザレス(ソプラノ)
ジュリアン・ベール(テノール)
アンドレアス・ヴォルフ(バス)
ル・コンセール・スピリチュエル(合唱&合奏/古楽器使用/弦楽編成:6/6/5/5/3)
コンサートミストレス:シュシャーヌ・シラノシアン
エルヴェ・ニケ(指揮)
録音時期:2019年6月
録音場所:フランス、ヴェルサイユ旧王室礼拝堂
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
輸入盤国内仕様(日本語解説・歌詞訳付)