DVD 輸入盤

『友人フリッツ』全曲 クッキ演出、フリッツァ&フィレンツェ五月祭、カストロノヴォ、ジチア、他(2022 ステレオ)(日本語字幕付)

マスカーニ (1863-1945)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
DYNDVD37960
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Italy
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明


フィレンツェ五月音楽祭よりマスカーニの心温まる歌劇『友人フリッツ』お目見え!

舞台は19世紀後半のアルザスのとある街。若く裕福な農場主フリッツ・コーブスは独身主義のひとり者。友人の司祭ダヴィッドが結婚を勧めるものの、彼は聞く耳を持ちません。そこに挨拶にやって来た農場の娘、可憐なスゼルにいつしか心惹かれるフリッツ。やがてスゼルの結婚話が持ち上がると、彼の心は大きく揺らぎます・・・
 イタリア・オペラ史の中でヴェリズモ・オペラの嚆矢とされる『カヴァレリア・ルスティカーナ』で一躍脚光を浴びたマスカーニが、その次作として発表したのが『友人フリッツ』。この作品は、前作のシチリアの寒村で繰り広げられる男女の愛憎劇と打って代わり、豊かなアルザスの田園を舞台とする初々しい恋の物語です。本上演のロゼッタ・クッキによる演出は、舞台をアルザスから20世紀中葉のアメリカの田園地方に置き換え、シックな舞台美術と相まって独特な雰囲気を醸成しています。主人公のフリッツ役に人気テノール、チャールズ・カストロノヴォ、恋人スゼル役にジョージア出身の伸びやかな美声ソプラノ、サロメ・ジチア、ズボン役ベッペを見事にこなすテレーザ・イエルヴォリーノら粒よりの歌唱陣に、日本でもおなじみの名匠リッカルド・フリッツァがフィレンツェ五月祭管弦楽団を振り、マスカーニならではの美しい旋律に満ちた心温まるオペラを表情豊かに描き出しています。
 本作は、フィレンツェ五月音楽祭の終身名誉指揮者ズービン・メータの功績を称え同劇場の中に新たに設けられたズービン・メータ・ホール(Sala Zubin Metha、2021年12月落成)で行われた初めてのパッケージ(映像/CD)向けの公演収録です。(輸入元情報)


【収録情報】
● マスカーニ:歌劇『友人フリッツ』全曲


 スゼル…サロメ・ジチア(ソプラノ)
 フリッツ・コーブス…チャールズ・カストロノヴォ(テノール)
 ベッペ…テレーザ・イエルヴォリーノ(メゾ・ソプラノ)
 ダヴィッド…マッシモ・カヴァレッティ(バリトン)
 フェデリコ…デイヴ・モナコ(テノール)
 ハネゾー…フランチェスコ・サムエーレ・ヴェヌーティ(バス)
 カテリーナ…カテリーナ・メルドレージ(ソプラノ)
 フィレンツェ五月祭合唱団(合唱指揮:ロレンツォ・フラティーニ)
 フィレンツェ五月祭管弦楽団
 リッカルド・フリッツァ(指揮)

 演出:ロゼッタ・クッキ
 舞台美術&衣装:ギャリー・マカン
 照明:ダニエーレ・ナルディ

 収録時期:2022年3月1,3日
 収録場所:フィレンツェ、フィレンツェ五月音楽祭歌劇場、ズービン・メータ・ホール(ライヴ)
 映像監督:マッテーオ・リケッティ

 収録時間:103分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCMステレオ、Dolby digital 5.1
 歌唱言語:イタリア語
 字幕:日本語・英語・ドイツ語・イタリア語・フランス語・韓国語
 NTSC
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「周りを癒やす貴方の人生が永遠に続く春で...

投稿日:2024/12/24 (火)

「周りを癒やす貴方の人生が永遠に続く春でありますように」…スーゼルの登場アリアの中のこのセリフは、このオペラ全体の精神を表すものだろう。タイトルに「友人」と冠せられているのがミソで、登場する人物は皆友達思いのナイスガイばかり。正にgood heartsのための後味の良い爽やかな作品だ。この作品はこれまで2002年にマスカーニの故郷リヴォルノで収録されたホセ・ブロス&テオドッシュウのコンビによる映像が出ていたが、それは古き良き昔日の牧歌的な雰囲気の中に、恋の純情と感激がストレートに伝わってくるもので、私はとても気にいっていた。そのリヴォルノの上演を映画のような正攻法の「静」の舞台とするなら、このフィレンツェの方は演出的意欲が前面に出た「動」の舞台と言えそうだ。エキストラの登場人物が多い上にアクションも多い。舞台装置は細かい所まで気が配られており、それをクリアな映像で確認できるのは良い点だろう。第二幕は、ファームハウスの窓外に広がる広大な農園(ワイナリーか?)や丘陵の風景が美しく、このオペラに必須の田園情緒を感じさせてくれる。二十世紀半ばのアメリカに置き換えられているとのことだが、この舞台設定はまずは成功しているように思う。ただしサロメ・ジチア演じるスーゼルのキャラクターの描かれ方には少し引っ掛かる部分もある。この作品で求められるのは、彼女がベッリーニで聴かせてくれたような高度な歌唱技術よりも、演技を含めた感情表現だろうが、この点ではどうも「動」の演出が一部裏目に出ている感がなきにしもあらずだ。幼い頃はおてんばだったらしいスーゼルも、今は恋の予感におののく年頃の娘に成長している。甘酸っぱいさくらんぼの実はそんな乙女心の象徴だろう。裕福なフリッツに対して劣等感すら抱いている、純朴で不器用、内気な女の子。そんなキャラクターであるはずのスーゼルが、所によっては、ブッファ調のドタバタした演技によって、どこか軽薄なplaygirlに見えてしまうのがどうにも残念だ。現代っ子…と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、まさか人物像まで二十世紀半ばのアメリカ女性に置き換えてしまったわけでもないだろう。特に気になるのは、第二幕、聖書のリベカのシーンにおけるオーバーアクションで、これでは「ナクソス島のアリアドネ」ではないが、セリアとブッファを同時にやっているようで、まるで「河童狸」でも見せられているような気になってしまう。ここは恋愛感情が大きく飛躍してはっきりした形を取る非常に重要なシーンなので、茶化さずシリアスにやってほしい所だった。確かにこれは幸福な物語だが、ロッシーニのドタバタ劇のブッファとは異なるので、私個人としては、すべて第三幕のような落ち着いた演出で良かったのではないかと思うのだが…。舞台に活気があって賑やかなのは結構だが、この物語は結局は、若い二人の恋愛感情の発生から希望と恐れ、焦燥、思いきった告白、そして幸福な結実までの心理的な紆余曲折の過程を描いたもので、その本線が紛れてしまっては元も子もない。リヴォルノの舞台を見ているだけに文句が多くなってしまったが、まあしかしこれはコインの表か裏か、どちらを見るかの問題だろう。「動」を演出過剰と取るか、意欲的なプロダクションと取るか…。何はともあれ、滅多に見られないこの名作の舞台をこういう形で世に出してくれたことに感謝。

グー さん | 兵庫県 | 不明

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