ベートーヴェン：交響曲第５番『運命』、シューベルト：交響曲第８番『未完成』　フルトヴェングラー＆ベルリン・フィル（１９５４　パリ）

デルタから久しぶりのフルトヴェングラー
最晩年パリ・オペラ座で行われた演奏会より
十八番中の十八番『未完成』と『運命』のカップリングで！

【制作者より】
1954年パリ・オペラ座でのライヴ録音。当日は収録曲の他にヴェーバー：オイリアンテ序曲、ブラームス：ハイドン変奏曲も演奏されました。このプログラムを見る限り、まだまだ精力的な活動をしていたフルトヴェングラーに、まさか数ヵ月後突然の死がこようとは想像もつきません。プログラム自体はフルトヴェングラーにとって何回、何十回と指揮してきたものばかりで、きっとパリの愛好家たちもこのこてこてのプログラムを楽しんだことでしょう。
　しかし、いくら何回、何十回と演奏してきた両者といえども、常に完璧ではありません。このライヴではちょこちょこ不揃いな箇所が見受けられ、戦時中の張り詰めた緊張感溢れるのとは全く違いますが、ライヴ演奏ならではの醍醐味でしょう。客席に近い位置にマイクがセッティングされていたのか、観客の咳払いやノイズがあります。
　この『未完成』も十分と魅力ある演奏で他に残されている同曲と比較しても遜色はなく、人それぞれの好みの問題かもしれません。『運命』はスタジオ録音やライヴ録音で名演と呼ばれるものが多くその一角に食い込めるか微妙かもしれませんが、紛れもなくフルトヴェングラー節が聞かれ他と変わらぬ重厚な響きは十八番中の十八番だからでしょうか？　『運命』は、この演奏会の約2週間後にもベルリン・ティタニア・パラストでの演奏も残されています（DCCA0055）。
　音質は良好と言えますが、ややドライ気味ですが痩せた音には聞こえません。ファン以外の一般の方にも聞いてもらいたいです。録音日は一般的に知られている日です。（デルタ　エンタテインメント）

【収録情報】
・シューベルト：交響曲第8番ロ短調D.759『未完成』
・ベートーヴェン：交響曲第5番ハ短調op.67『運命』
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　ヴィルヘルム・フルトヴェングラー（指揮）

　録音時期：1954年5月4日
　録音場所：パリ、オペラ座
　録音方式：モノラル（ライヴ）